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ローランド Research Memo(5):2025年12月期は価格調整やプロダクトミックスの改善で増収を確保(1)

*11:05JST ローランド Research Memo(5):2025年12月期は価格調整やプロダクトミックスの改善で増収を確保(1)
■ローランド<7944>の業績動向

1. 2025年12月期の業績概要
2025年12月期の連結業績は、売上高で前期比1.5%増の100,952百万円、営業利益で同5.4%減の9,412百万円、経常利益で同7.3%増の9,022百万円、親会社株主に帰属する当期純利益でアコースティックドラム子会社DW社にかかる減損損失の計上等により同63.7%減の2,168百万円となった。主要市場である米国における年末商戦が好調に推移したことに加え、当期に投入された新製品群が業績に寄与し、売上高は会社予想レンジの上限水準、営業利益は同レンジの中間水準での着地となった。利益面では一部費用増加の影響を受けたものの、外部環境の逆風を踏まえれば堅調な結果であったと弊社では見ている。

とりわけ注目すべき点は、米国における追加関税の影響を受けながらも、価格調整やプロダクトミックスの改善によってその影響をほぼ吸収したことである。関税によるマイナス影響は約25億円規模に及んだが、コストダウンやプロダクトミックス改善による約29億円のプラス要因によって概ね打ち返す形となり、損益面では実質的にオフセットする結果となった。販売数量を大きく落とすことなく単価引き上げを実現できた点は、同社ブランドの市場におけるプレゼンスの強さを示すものであり、ディーラー及び消費者双方から価格改定が比較的スムーズに受け入れられたことも、同社のブランド力と販売チャネルの安定性を裏付ける材料と言える。

営業利益の内訳を見ると、販売数量面では関税対応に伴う価格適正化の影響があったものの、新製品の寄与により全体としては前期並みの販売規模を確保した。売価・原価面では価格適正化効果が寄与したほか、プロダクトミックスの改善が収益性を下支えした。一方、販管費は人件費、広告販促費、旅費交通費等の増加が見られたものの、コストコントロールの徹底を図り期初計画対比では約10億円削減した。数量、価格、費用の各側面から機動的に対応した結果、外部環境の逆風下においても営業利益は一定の水準を維持したと評価できる。

2025年12月期は主力カテゴリーにおける新製品群の寄与と市場環境の底打ちが重なり、同社業績の回復基調が確認された一年であった。一方で、中国市場の需要動向や米国の関税政策など外部要因に関する不確実性は依然として残存している。もっとも、同社は価格政策、製品戦略、地域別販売体制の柔軟な運用によってこうした環境変化に対応しており、今後も機動的な製品投入と市場対応力が持続的成長のカギを握ると弊社では見ている。

2025年12月期の四半期業績は、期初から上期にかけては外部環境の影響を受けたが、下期に向けて回復基調が明確となる推移であった。特に第4四半期においては、米国市場における年末商戦が好調に推移したことに加え、当期に投入した新製品群が寄与したことで、売上高は期中で最も高い水準に達し、通期増収の達成に大きく貢献した。

(1) 製品別売上高
製品別売上高は、市況の底打ち及び新製品群の寄与等を背景に、主力カテゴリーで増収となった。コロナ需要の反動減が大きく影響していた鍵盤楽器も、ポータブルタイプの伸長及び中国市場の復調により2期ぶりの増収に転じており、全体として回復基調が明確となっている。

鍵盤楽器の売上高は27,223百万円(前期比1.3%増)であった。電子ピアノは、苦戦が続いていた中国市場において回復の動きが見られ増収に寄与した。他の主要地域では中型タイプがやや低調に推移したものの、ポータブルタイプは好調に推移しており、価格帯及び用途別の需要シフトを的確に取り込んだ形である。ポータブルキーボードについては、前期及び当期に投入した新製品効果により堅調に推移しており、製品サイクルの刷新が販売安定化に寄与している。コロナ特需の反動減が一巡しつつあるなかで、中国の回復とポータブル需要の拡大が下支え要因となった形である。

管打楽器の売上高は29,364百万円(前期比2.7%増)であった。電子ドラムは、前期及び当期に発売した主力新製品群が大きく寄与し、好調に推移した。競争力の高い新製品投入が需要を喚起し、カテゴリー全体の増収をけん引した。一方、アコースティックドラムは、米国関税政策に関連する生産影響やインフレの影響等により伸び悩んだ。電子管楽器は、新たにフルート型製品を投入しアドオン効果があったものの、主力市場である中国において需要減少及び競争激化の影響を受けた。

ギター関連機器の売上高は25,149百万円(前期比0.6%増)であった。ギターエフェクターは、受注残の解消、新製品群の貢献、定番製品の底堅い需要により好調に推移した。楽器用アンプでは、2024年12月期第2四半期にモデルチェンジした主力機種が好調に推移した一方、屋外使用に最適な製品群では需要低下が見られた。

クリエーション関連機器&サービスの売上高は13,060百万円(前期比3.4%増)であった。シンセサイザーは、前期及び当期に投入した新製品群が寄与し好調に推移した。ダンス&DJ関連製品では、欧州を中心に既存製品の需要減少が見られたが、2025年12月期第4四半期に発売した大型新製品が好調に推移し、需要喚起効果が確認された。ソフトウエア/サービス分野では、ユーザーのLTV向上を目的に、Roland Cloudや外部チャネルを活用したコンテンツ及びサービス提供を継続的に実施した結果、売上高は想定以上に増加した。

映像音響機器の売上高は3,057百万円(前期比4.4%減)である。ビデオ関連製品は前期に投入した新製品の効果があったものの、配信需要が一巡し関連製品の販売が鈍化した。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木 稜司)



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