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平和:ゴルフ事業の安定収益が下支え、遊技機回復が成長のカギ

*10:37JST 平和:ゴルフ事業の安定収益が下支え、遊技機回復が成長のカギ
平和<6412>は、パチンコ機・パチスロ機の開発、製造、販売を手掛ける遊技機メーカーであり、現在はゴルフ場運営を中核に据えた総合レジャー企業へと事業領域を広げている。2007年にオリンピアと経営統合し、遊技機分野でパチンコとパチスロの両方に強みを持つ体制を築いた。その後、2011年にパシフィックゴルフマネージメントを子会社化し、さらに2025年にアコーディア・ゴルフを傘下に収めたことで、ゴルフ事業の存在感が大きく高まった。遊技機業界はヒット機種の有無で業績が振れやすい一方、ゴルフ場運営は比較的安定した収益を積み上げやすく、両事業を持つことが同社の大きな特徴だ。

事業の柱はゴルフ事業と遊技機事業の2つだ。ゴルフ事業では、国内最大級のゴルフ場運営網を活かし、来場者数の拡大と顧客単価の向上の両面から収益を伸ばしている。単にゴルフ場を保有・運営するだけでなく、需要に応じて価格を最適化する「レベニューマネジメント」の強化、インバウンド需要の取り込み、女性や若年層の開拓、直接予約比率の向上などに取り組んでいる。遊技機事業では、パチンコ機、パチスロ機の本体やゲージ盤、ユニットといった中身を販売する。足元では、本体全体を入れ替えるフルモデルチェンジよりも、中身だけを入れ替える販売が中心となる局面にあり、利益率の高い販売構成となっている。

2026年3月期第3四半期累計の連結業績は、売上高2,065億円(前年同期比73.9%増)、営業利益429億円(前年同期比49.2%増)となった。全体の大幅増収増益を牽引したのはゴルフ事業であり、売上高1,832億円(前年同期比2.3倍)、営業利益429億円(同2.4倍)と極めて好調だった。これは前期に取得したアコーディア・ゴルフの寄与に加え、既存ベースでも来場者数と顧客単価が堅調だったためだ。ゴルフ需要はコロナ禍後も底堅く推移しており、比較的安定した天候も追い風となった。さらに、同社は価格施策の見直しを進めており、統合によるスケールメリットを活かしながら単価引き上げの余地を広げている。加えて、購買の集約による原材料費低減や、レストラン食材の共通調達など、統合シナジーによる利益改善も今後本格化する見通しだ。

一方、遊技機事業は売上高233億円(前年同期比40.5%減)、営業利益23億円(前年同期比81.9%減)と苦戦した。パチンコ機、パチスロ機ともに販売台数が減少し、特にパチンコ機は需要が一部の機種に集中する市場環境の中で販売が伸び悩んだ。また、パチスロ機では型式試験期間の長期化も影響し、当初予定していた投入タイトル数を下回った。ただし、収益構造そのものが悪化しているわけではなく、ゲージ盤、ユニット販売比率の上昇など利益率改善につながる変化も出ている。来期以降は、投入タイトル数の正常化やヒット機種の創出が進めば、回復余地は大きいとみられる。

2026年3月期通期の会社計画は、売上高2,578億円(前期比76.7%増)、営業利益425億円(前期比53.5%増)だ。遊技機事業の計画未達を受けて通期予想は下方修正されたが、ゴルフ事業の安定成長が全体を下支えしている構図は変わらない。特にゴルフ事業では、アコーディア側にまだ価格引き上げ余地があり、PGM側でも来場者数の伸びしろが残るとみられている。今後は、AI活用を含む需要予測や価格設定の高度化、直接予約比率の拡大、新規に開業する沖縄のリゾートホテルや高付加価値ブランド展開などが利益成長に寄与する可能性がある。遊技機事業は市場環境が不安定ではあるものの、今期のハードルが下がった分、来期は反動増も期待しやすい。

競合比較で見た同社の強みは、遊技機専業ではない点にある。遊技機大手各社はヒットタイトルの有無による業績変動が大きいが、平和はゴルフ事業という大型の安定収益基盤を持つ。このため、業績の振れを相対的に吸収しやすく、配当原資の安定性にもつながる。また、ゴルフ業界では国内有数の運営規模を持つことで、価格設定、集客施策、購買コスト、システム投資などで優位性を持ちやすい。遊技機事業では、パチンコとパチスロ双方のブランドを持つこと、さらにリユースやゲージ盤、ユニット販売によって収益性改善を図れる点が特徴だ。

中期的には、ゴルフ事業が安定成長を続け、遊技機事業の回復が加わる形が最もわかりやすい成長シナリオだ。中期経営計画ではEBITDA1,000億円超を目標に掲げており、その中心はゴルフの統合効果と収益最大化にある。一方で、遊技機では新規IPタイトルの投入や若年層向けアニメ系コンテンツの活用などを進め、高収益体質への転換を目指している。短期的には遊技機の不安定さが残るものの、長期ではゴルフの安定性と遊技機の上振れ余地を併せ持つ点が、同社の投資魅力といえる。

株主還元では、年間80円配当を維持する方針を示しており、配当利回りは4.25%と高配当銘柄としての位置付けも強い。今後はアコーディア買収に伴う有利子負債の削減が重要テーマとなるが、財務改善を進めつつ安定配当を継続する姿勢は個人投資家にとって安心材料だ。

総じて同社は、ゴルフ事業の安定成長を土台に、遊技機事業の回復が加われば収益拡大余地が大きい企業だ。短期的な業績変動には注意が必要だが、安定性と回復余地を併せ持つ銘柄として注目したい。



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