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ビーロット Research Memo(3):専門性とネットワークを生かす多様なビジネスモデルを展開

*11:33JST ビーロット Research Memo(3):専門性とネットワークを生かす多様なビジネスモデルを展開
■事業内容

1. 不動産投資開発事業
不動産投資開発事業は、ビーロット<3452>の主力事業である。オフィスビルやマンションに投資をしてバリューアップ後に売却する「不動産再生型」と、土地を取得して新築の建物を建築する「不動産開発型」の2つのタイプがあり、小規模から大規模まで幅広い不動産を取り扱う。出口(売却先)としては、富裕層(個人)からREITや海外の投資会社まで幅広いネットワークを有しており、同社の強みとなっている。住宅系不動産の売却が順調に進んでいることなどにより、コロナ禍後は右肩上がりに推移している。

2025年12月期通期の物件種類別売却件数(単体)を見ると、住宅系不動産28件(前期は30件)、事務所・店舗ビル3件(同5件)、土地(開発用地含む)2件(同5件)、ホテル3件(同2件)と、住宅系不動産を中心に売却を進め利益を積み上げた。またホテル分野の売却が好調である。地域別では、関東圏16件(前期16件)、北海道圏2件(同7件)、九州圏3件(同5件)、関西圏13件(同14件)、中部圏2件(同1件)と、関東・関西が中心の全国バランスが特徴である。

2025年12月期末の物件種類別在庫件数(構成比、クマシュー工務店含む)を見ると、土地(権利調整(古家付)案件を含む)33%(前期末13%)、事務所・店舗ビル24%(同35%)、住宅系不動産39%(同39%)、ホテル・宿泊関連2%(同12%)、その他2%(同1%)と、クマシュー工務店のM&Aを経て土地の割合が伸びた。

2. 不動産コンサルティング事業
不動産コンサルティング事業は、仲介業務と分譲マンションの販売受託業務がメインである。このうち、販売受託業務は2016年に実施したM&Aにより事業化され、近年は会社の吸収合併などでグループシナジーを発揮し、業容拡大を図っている。一方、仲介業務は相続対策としての資産入れ替え相談など、士業や金融機関から紹介を受けた顧客が主な対象となる。実際には広範囲な資産コンサルティング業務全般を行っており、企業(不動産所有会社等)のM&A仲介も含まれる。同社は、様々なビジネスモデルを展開することで幅広いパートナー・顧客ネットワークを有している点を強みに、成約を拡大している。過去9年間の推移では、成約物件の量や大小により業績は上下するものの、売上高・セグメント利益ともに拡大基調である。当セグメントは若手人材の成長の場としても重要で、人材育成にも寄与している。

3. 不動産マネジメント事業
不動産マネジメント事業は、自社で所有する賃貸用不動産の賃料収入が大きな割合を占める。コロナ禍の影響を受け所有するホテル・宿泊関連の賃料収入の減少傾向が続いていたが、2022年12月期から回復し2023年12月期は大きく飛躍した。賃貸管理業務受託では、投資家の資産運用ニーズを捉え、投資物件の選定・管理・資産売却までのプロセスをマネジメントする手腕が問われる。同社は、自ら開発した物件を売却した後もAM(アセットマネジメント)・PM(プロパティマネジメント)を受託できており、長期的な資産運用サポートができる企業として評価が高い。ホテル以外にもオペレーショナルアセットへの取り組みの経験が豊富であり、2025年12月期も冷凍冷蔵倉庫開発プロジェクトやヘルスケア施設のアセットマネジメントフィーなどを獲得している。結果として、AM・PM受託件数は着実に増加している。これらのビジネスモデルはストック型ビジネスとして安定収益を確保できる。2025年12月期までの業績推移は、コロナ禍による落ち込みなどがあったものの、売上高・セグメント利益ともに拡大基調となっている。



■業績動向

2025年12月期は過去最高となる経常利益64億円を達成

1. 2025年12月期の業績概要
2025年12月期の連結業績は、売上高で前期比22.1%増の37,778百万円、営業利益で同19.5%増の7,579百万円、経常利益で同11.0%増の6,450百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同12.1%増の4,420百万円となり、過去最高益を更新した。

セグメント別で、増収増益への寄与が大きかったのは不動産投資開発事業である。不動産投資開発事業の売上高は前期比27.5%増の31,218百万円、セグメント利益は同39.1 %増の6,529百万円となった。売却件数が36件(前期は43件)と件数は絞られたが売却物件が大型化し、かつ高利益率での売却案件が多数あった。これは、富裕層とのリピート取引に加え、大手上場REITとの相互売買に取り組んだ成果である。物件種類別(単体ベース)では住宅系不動産が28件と多かったのに加え、ホテル3件の引き渡しも完了し業績に寄与した。クマシュー工務店の連結(7ヶ月間連結計上、参考:2024年2月期の実績では売上高13,435 百万円、経常利益1,886百万円)も追加された。

不動産コンサルティング事業の売上高は前期比22.3%減の1,609百万円、セグメント利益は同33.5%減の701百万円となった。不動産売買仲介の成約件数は65件(前期は72件)、マンション販売受託の契約件数は487件(同623件)、引渡件数は323件(同901件)となった。当セグメントは、不動産知識・接客スキル・プロジェクト管理能力を備えた人材を他部門に輩出しており、人材面での全社貢献度が高い。

不動産マネジメント事業の売上高は前期比12.6%増の4,950百万円、セグメント利益は同13.1%増の2,494百万円となった。成長の要因としては、販売用不動産が大きく伸長したこと、特に宿泊系不動産の賃料収入の伸びなどが挙げられる。プロパティマネジメントにおける管理運営受託では、グループ内の不動産再生ノウハウを生かした収益改善施策が評価され、プロの不動産オーナーからの受託件数が着実に伸長し、不動産管理運営受託件数は同6件増の166件となった。


大型M&Aにより販売用不動産等の資産規模が拡大

2. 財務状況と経営指標
2025年12月期末の総資産は前期末比44,538百万円増の101,439百万円と資産規模が大幅に拡大した。流動資産は同41,882百万円増の90,053百万円となったが、これは販売用不動産が23,716百万円増、仕掛販売用不動産が13,858百万円増、合計して37,574百万円増加したことが主な要因であり、クマシュー工務店との統合の影響で在庫が充実した。固定資産は同2,629百万円増の11,351百万円となった。なお、現金及び預金は4,142百万円増の16,416百万円となった。

負債合計は前期末比42,168百万円増の81,399百万円となった。主な内訳は、長期借入金が26,148百万円増加するなど有利子負債合計で41,723百万円増加したのが主な要因である。純資産合計は同2,369百万円増の20,040百万円となったが、これは利益剰余金の増加3,246百万円が主な要因である。

経営指標では、流動比率が299.0%と短期の安全性の目安となる200%を大幅に上回る。自己資本比率は19.7%(前期末は31.0%)と低下したが安全性に懸念はない水準である。スケールの大きいM&A(クマシュー工務店)後も強固な財務基盤を維持していると言えるだろう。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)



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