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島津製作所:計測機器を軸に持続的成長を続けるグローバル技術企業

*18:54JST 島津製作所:計測機器を軸に持続的成長を続けるグローバル技術企業
島津製作所<7701>は、計測機器を中心に、医用機器、産業機器、航空機器を展開する総合的な科学技術企業である 。計測機器事業は液体クロマトグラフや質量分析計といった基幹製品を擁し、医薬・食品・化学など幅広い産業分野で研究開発や品質管理に利用される 。同社はグローバルに拠点を持ち、2026年3月期第3四半期累計の海外売上高比率は58.9%を占める。

同社の強みは、第一に主力の計測機器事業において、安定的な成長を続けているヘルスケア市場で高く評価されている高度な技術力と製品群の競争力を持つことにある。ヘルスケアは年平均成長率4-5%と言われ景気変動にも強いグローバルな市場であり、その中で同社の液体クロマトグラフや質量分析計は、製薬や食品安全分野で高い評価を得ている。第二に、競合と比べて製品ラインナップが広いことである。計測などの技術力を強みに多彩な製品を揃えており、顧客から見れば同社の複数種の同社製品を導入することでワークフローごとに違う企業の製品を使用するときと比べ教育コストが各段に下がること、同規格で揃えることで複数の工程のデータ管理を一元化できるなどの大きな利便性が生まれる構図になっている。第三に、リカーリングビジネスの拡大が収益基盤を強化している点である。計測機器や産業機器ではメンテナンスサービスや製品の使用に不可欠な消耗品の収入が伸びており、特に計測機器事業のリカーリング比率は約40%と高い水準を維持し、製品の製造と比べて利益率も高く、安定収益源としての役割を強めている。

2026年3月期第3四半期累計の連結業績は、売上高398,722百万円(前年同期比3.8%増)、営業利益50,236百万円(同6.8%増)と、計測・医用・航空セグメントが成長トレンドに乗り増収増益、産業セグメントが減収増益を達成した。計測機器は堅調な日本やインド市場に加え、欧米で質量分析計規制対応や臨床市場向けに伸長、中国市場も底打ちが見られ過去最高業績を更新した。医用機器は新製品展開とリカーリングの伸長により利益率が劇的に改善しており、これを来期以降の新たなベースラインとして定着させる。航空機器も防衛分野と民間航空機分野の両方の需要増加を背景に、利益面で前年同期比約1.5倍を記録した。通期予想は為替の円安推移や順調なリカーリングを反映し、売上高を555,000百万円へ上方修正した一方、営業利益は72,000百万円に据え置いた。これは昨年末に発表されたTescan社買収に伴う一過性の費用や、次期中計を見据えたR&D投資を優先するためである。今後は電子顕微鏡技術の統合による製品ラインナップの拡充と資本効率(ROE)の向上を軸に、さらなる稼ぐ力の強化を目指す。

今後の成長見通しについては、2023~2025年度の中期経営計画で「売上高5,500億円」「営業利益800億円」「ROE12.5%以上」を目標として掲げている。成長ドライバーは、(1)ヘルスケア領域における創薬モダリティや臨床検査市場の拡大、(2)グリーン領域でのカーボンニュートラル対応やバイオものづくりへのソリューション提供、(3)北米を中心としたグローバルR&D拠点強化、(4)メドテック事業でのAI画像解析や臨床検査プラットフォームの展開である。特に北米市場では製薬企業やCROとの連携を深め、現地密着型の開発体制を強化しており、製品開発と実績創出を進めることで他国に向けてのグローバル展開にもつなげていく構えである。北米ではR&Dセンターも開設しており、先進的な技術を有する重要顧客との共同研究・開発を推進し拡販につなげていく。また製品群で見れば、利益率が特に高い液体クロマトグラフ・質量分析計・ガスクロマトグラフの3機種の販売を強化していく方針を示しており、リカーリング収益の拡大も並行して進めることで高収益化を図っていく。

株主還元については、2026年3月期は年間配当67円(前期比1円増配)を予定しており、12期連続の増配となる見込みである。配当性向は35.9%を予想しており、配当性向30%以上として継続的な増配を目指す方針を堅持している。研究開発費や設備投資額も増加させており、成長投資と安定的な株主還元の両立を図る経営方針が特徴である。

総じて、島津製作所は計測機器事業を核に、研究開発力とグローバル展開を背景に持続的な成長を続けている。世界的なヘルスケアニーズを捉えた計測機器製品群やリカーリング収益基盤が強みであり、中長期の収益安定性を高めている。北米市場を基点としたさらなるシェア拡大も目指しており、同社のグローバルな成長に今後も注目していきたい。



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