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サッポロHD:中計目標は1年前倒し達成見込み、不動産オフバラによる資金を酒類の成長投資に充当へ
2026/01/26 10:07
*10:07JST サッポロHD:中計目標は1年前倒し達成見込み、不動産オフバラによる資金を酒類の成長投資に充当へ
サッポロホールディングス<2501>は、1876年に設立された「開拓使麦酒醸造所」を起源とし、2026年に創業150周年を迎える。中長期ビジョンとして「世界をフィールドに豊かなビール体験、顧客体験を創造する企業」を掲げる。事業は酒類、食品飲料、不動産の3分野で構成され、酒類が売上収益の約7割を占める。2026年10月に予定される酒税一本化に向けた段階的な改正は、「黒ラベル」や「ヱビス」など強いビールブランドを保有する同社にとっては追い風となっている。ブランド体験を意識したマーケティングやテレビCMを通じた世界観の発信が若年層への訴求につながり、ビール市場を上回る成長を実現している。海外では、Sapporo Premium Beer(SPB)を北米とAPACを中心に展開している。特にAPACでは二桁成長を継続しており、直近では欧州にも展開を開始している。北米では、2022年に買収したStone Brewingの工場でSPBも生産し、販売網を活用した成長が進む。一方で、米国市場の軟調推移による影響を受けており、構造改革を通じた収益性改善を進めている。不動産事業は醸造所跡地を活用した恵比寿ガーデンプレイスが収益の大半を担うが、2026年6月以降、段階的に外部資本を導入することを決定した。これにより同事業はオフバランス化され、得られる資金を酒類事業の成長投資へ振り向ける。食品飲料事業では、美容・健康志向の高まりを背景に、「キレートレモン」や「ポッカレモン100」などレモン関連製品が成長するほか、シンガポールでは茶系飲料シェアNo.1を誇るが、国内構造改革の影響を受ける。
2024年12月期は、売上収益530,783百万円(前期比2.3%増)、事業利益22,038百万円(同41.0%増)、営業利益10,416百万円(同11.9%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益7,714百万円(同11.6%減)であった。売上はビールブランドの強化・国内酒税改正に伴うビール販売の好調、米国・アジアでのSPBの販売の伸長、さらに円安効果により増収となった。一方、利益面では、国内酒類の増収効果、不動産事業の増益、前年の海外飲料部門の貸倒引当反動増があったものの、米国事業ののれん減損計上が響き、営業利益以下は減益となった。
2025年12月期第3四半期は、売上収益382,589百万円(前年同期比0.8%減)、事業利益20,062百万円(43.8%増)、営業利益19,578百万円(同10.8%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益10,892百万円(同5.3%減)であった。売上は、国内酒類と不動産事業が堅調に推移したものの、食品飲料事業の構造改革による数量減や海外酒類の海外ブランド数量減及び為替の影響により減収となった。営業利益は資産売却による反動減があったものの、国内酒類と不動産事業の増益、コストマネジメント効果により増益となった。一方、四半期利益は為替差損が影響して減益となった。
2025年12月期通期では、売上収益501,800百万円(前期比5.5%減)事業利益22,500百万円(同2.1%増)、営業利益21,100百万円(同102.6%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益16,500百万円(同113.9%増)を予想する。売上はビール・RTD(※)を中心に国内酒類が堅調な一方、海外酒類と食品飲料事業で数量減となったことに加え、不動産事業の非継続事業への分類により、減収を見込む。利益面では、国内酒類と不動産事業の増益が寄与し増益となる見込み。但し、事業利益、営業利益についても、不動産事業の分類変更により、直近の計画値から下方修正された。
※Ready To Drinkの略で、缶やボトルの状態でそのまま飲めるアルコール飲料。チューハイ、ハイボール、カクテル飲料などが代表例である。
2023年から2026年を対象とした中期経営計画(2023~2026)では、「Beyond150 ~事業構造を転換し新たな成長へ~」をテーマに、2026年12月期にROE8%、EBITDA CAGR10%程度、海外売上高 CAGR10%程度、の財務目標を掲げる。事業ポートフォリオの見直しと、各事業のポジショニングに沿ったグループマネジメントを実現し、資本効率を高め企業価値向上をさせていくこととしている。実際、現中計期間における資本効率・収益性改善施策は着実に進捗しており、財務目標であるROE8%は2025年に1年前倒し達成見込みである。
また、現中計の先の目指すべき姿として、2025年2月にはグループ中長期成長戦略を発表した。不動産外部資本導入で得た資金を国内外でM&Aも含めた成長投資に活用する。「黒ラベル」「ヱビス」へのマーケティング投資を倍増し、2030年に国内酒類の事業利益率10%、中長期的にビールシェア25%を目指すほか、レモンを活用した健康価値の強化、RTD・ノンアルコール領域の開発体制強化を進める。海外では北米・APACを中心にSPBのさらなる成長に向けた事業基盤強化やノンアルコール領域の拡大を進める。さらに、2026年7月には事業持株会社制への移行により、国内外で異なる経営課題への対応を加速する。
株主還元については、DOE(株主資本配当率)3%以上を目安に、2030年までに同4%以上を目指す配当方針に変更した。2024年12月期の1株当たり年間配当金は52.0円(配当性向52.5%)であり、2025年12月期は90.0円(同43.0%、株式分割前)を予定する。配当利回りの改善及びDOE目標を意識して、期初予想の60.0円から上方修正を行った。配当及び株主優待は分割前の株式数を基準に実施予定である。2026年1月1日には1株を5株に分割し、流動性向上と投資家層のさらなる拡大を図る。また、不動産外部資本導入により得た資金の一部を株主還元にも充当する方針を示し、還元強化を進めている。
<NH>
サッポロホールディングス<2501>は、1876年に設立された「開拓使麦酒醸造所」を起源とし、2026年に創業150周年を迎える。中長期ビジョンとして「世界をフィールドに豊かなビール体験、顧客体験を創造する企業」を掲げる。事業は酒類、食品飲料、不動産の3分野で構成され、酒類が売上収益の約7割を占める。2026年10月に予定される酒税一本化に向けた段階的な改正は、「黒ラベル」や「ヱビス」など強いビールブランドを保有する同社にとっては追い風となっている。ブランド体験を意識したマーケティングやテレビCMを通じた世界観の発信が若年層への訴求につながり、ビール市場を上回る成長を実現している。海外では、Sapporo Premium Beer(SPB)を北米とAPACを中心に展開している。特にAPACでは二桁成長を継続しており、直近では欧州にも展開を開始している。北米では、2022年に買収したStone Brewingの工場でSPBも生産し、販売網を活用した成長が進む。一方で、米国市場の軟調推移による影響を受けており、構造改革を通じた収益性改善を進めている。不動産事業は醸造所跡地を活用した恵比寿ガーデンプレイスが収益の大半を担うが、2026年6月以降、段階的に外部資本を導入することを決定した。これにより同事業はオフバランス化され、得られる資金を酒類事業の成長投資へ振り向ける。食品飲料事業では、美容・健康志向の高まりを背景に、「キレートレモン」や「ポッカレモン100」などレモン関連製品が成長するほか、シンガポールでは茶系飲料シェアNo.1を誇るが、国内構造改革の影響を受ける。
2024年12月期は、売上収益530,783百万円(前期比2.3%増)、事業利益22,038百万円(同41.0%増)、営業利益10,416百万円(同11.9%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益7,714百万円(同11.6%減)であった。売上はビールブランドの強化・国内酒税改正に伴うビール販売の好調、米国・アジアでのSPBの販売の伸長、さらに円安効果により増収となった。一方、利益面では、国内酒類の増収効果、不動産事業の増益、前年の海外飲料部門の貸倒引当反動増があったものの、米国事業ののれん減損計上が響き、営業利益以下は減益となった。
2025年12月期第3四半期は、売上収益382,589百万円(前年同期比0.8%減)、事業利益20,062百万円(43.8%増)、営業利益19,578百万円(同10.8%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益10,892百万円(同5.3%減)であった。売上は、国内酒類と不動産事業が堅調に推移したものの、食品飲料事業の構造改革による数量減や海外酒類の海外ブランド数量減及び為替の影響により減収となった。営業利益は資産売却による反動減があったものの、国内酒類と不動産事業の増益、コストマネジメント効果により増益となった。一方、四半期利益は為替差損が影響して減益となった。
2025年12月期通期では、売上収益501,800百万円(前期比5.5%減)事業利益22,500百万円(同2.1%増)、営業利益21,100百万円(同102.6%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益16,500百万円(同113.9%増)を予想する。売上はビール・RTD(※)を中心に国内酒類が堅調な一方、海外酒類と食品飲料事業で数量減となったことに加え、不動産事業の非継続事業への分類により、減収を見込む。利益面では、国内酒類と不動産事業の増益が寄与し増益となる見込み。但し、事業利益、営業利益についても、不動産事業の分類変更により、直近の計画値から下方修正された。
※Ready To Drinkの略で、缶やボトルの状態でそのまま飲めるアルコール飲料。チューハイ、ハイボール、カクテル飲料などが代表例である。
2023年から2026年を対象とした中期経営計画(2023~2026)では、「Beyond150 ~事業構造を転換し新たな成長へ~」をテーマに、2026年12月期にROE8%、EBITDA CAGR10%程度、海外売上高 CAGR10%程度、の財務目標を掲げる。事業ポートフォリオの見直しと、各事業のポジショニングに沿ったグループマネジメントを実現し、資本効率を高め企業価値向上をさせていくこととしている。実際、現中計期間における資本効率・収益性改善施策は着実に進捗しており、財務目標であるROE8%は2025年に1年前倒し達成見込みである。
また、現中計の先の目指すべき姿として、2025年2月にはグループ中長期成長戦略を発表した。不動産外部資本導入で得た資金を国内外でM&Aも含めた成長投資に活用する。「黒ラベル」「ヱビス」へのマーケティング投資を倍増し、2030年に国内酒類の事業利益率10%、中長期的にビールシェア25%を目指すほか、レモンを活用した健康価値の強化、RTD・ノンアルコール領域の開発体制強化を進める。海外では北米・APACを中心にSPBのさらなる成長に向けた事業基盤強化やノンアルコール領域の拡大を進める。さらに、2026年7月には事業持株会社制への移行により、国内外で異なる経営課題への対応を加速する。
株主還元については、DOE(株主資本配当率)3%以上を目安に、2030年までに同4%以上を目指す配当方針に変更した。2024年12月期の1株当たり年間配当金は52.0円(配当性向52.5%)であり、2025年12月期は90.0円(同43.0%、株式分割前)を予定する。配当利回りの改善及びDOE目標を意識して、期初予想の60.0円から上方修正を行った。配当及び株主優待は分割前の株式数を基準に実施予定である。2026年1月1日には1株を5株に分割し、流動性向上と投資家層のさらなる拡大を図る。また、不動産外部資本導入により得た資金の一部を株主還元にも充当する方針を示し、還元強化を進めている。
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