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売れるネット広告 Research Memo(6):予想を上回るピッチ、EBITDAは黒字化

*11:06JST 売れるネット広告 Research Memo(6):予想を上回るピッチ、EBITDAは黒字化
■売れるネット広告社グループ<9235>の業績動向

2. 2026年7月期第1四半期の業績動向
2026年7月期第1四半期の業績は、売上高392百万円(前年同期比13.0%減)、営業損失8百万円(前年同期は54百万円の損失)、経常損失8百万円(前年同期は49百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失15百万円(前年同期は28百万円の損失)となった。なお、第1四半期にM&Aに伴う仲介手数料など一時費用19百万円とのれん償却額10百万円が発生しているため、EBITDA(償却前営業利益)で1百万円、M&A費用調整後EBITDAで21百万円の黒字となっており、営業損失とはいえ収益力や資金面で健全性は保たれている。また、同社は第1半期業績を売上高390百万円、営業損失28百万円と予想していたが、実績は予想を上回る着地となった。

同社が属するインターネット広告市場は引き続き成長を続けている一方、Webマーケティング広告における「不当景品類及び不当表示防止法(景表法)」「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)」の規制が厳しさを増しており、より慎重な広告表現が求められる状況となっている。このような環境のなか、保守的な広告表現への見直しによって広告効率が悪化する可能性もあるが、同社では法規制を遵守しつつA/Bテストを繰り返すことで広告効率の向上に努めた。また、2025年8月に(株)売れるD2C業界M&A社を売れるAIマーケティング社(株)へと社名変更し、事業内容をM&A事業からAI事業へと転換してAI事業領域に参入した(M&A事業は売れるネット広告社で継続)。さらに、SOBAプロジェクトを子会社化してビジュアルコミュニケーションDX・WEB3事業に参入するなど、積極的に事業領域を拡張した。

この結果、売上高は、季節性要因でグローバル情報通信事業は減少したものの、マーケティング支援など全般的に順調に推移した。利益面では、好採算の売れるネット広告社が回復中で売上構成比が上昇したため売上総利益率が大きく改善、SOBAプロジェクトに関わるM&A費用やのれん償却費用などは発生したもののその他費用の抑制が進んだため、営業損失は前年同期比で大幅に減少した。期初予想との比較で業績が上回った要因は、D2C(ネット通販)事業におけるアルゴリズム変更の影響は残っているが、売れるネット広告社の回復が想定以上に早まったことである。なお、第2四半期になるが12月に、越境ECのワンストップサービスを強化するためADWAYS CHINAなどを子会社化、またビットコインなどの暗号資産(仮想通貨)・NFTを含むデジタル資産の復旧・保全を支援する「デジタルアセット・リカバリー事業」へ参入するためビットコイン・セイヴァー(株)を設立した。このように、引き続き事業領域の拡大に注力する一方、既存事業も順調に推移している模様である。

セグメント別では、M&A戦略を背景に年々売上構成比が変化し、ポートフォリオバランスが良化している。D2C(ネット通販)向けデジタルマーケティング支援事業では、マーケティング支援サービスが、前期の不正注文対策や一部大手クライアントの広告の費用対効果悪化などにより軟調に推移した状況から回復が進んでいるうえ、成果報酬型広告に加えて主要プラットフォームに対応した運用型広告の提供を開始したことにより、収益が順調に拡大した。越境ECについては、前期に受注したものの先送りとなっていたTikTokライブコマースが段階的にスタートし、TikTok Shopの受注も複数発生するなど、収益拡大に向けた基盤整備が進行した。AIマーケティング支援も順調にスタートした。この結果、D2C(ネット通販)向けデジタルマーケティング支援事業は増収増益、黒字転換となった。

グローバル情報通信事業は、修学旅行などが堅調に推移したが、前年同期に国際的なイベントや選挙など一時的な需要の反動により減収減益となった。D2C(ネット通販)事業は、売上面で主力の「KogaO+」がTikTokのアルゴリズム変更などの影響で苦戦したが、台湾向けの販売強化やXの活用、「VITA JAM」という新たなヒットにより回復の兆しが見え、セグメント損失は前年同期比で縮小した。ビジュアルコミュニケーションDX・WEB3事業は、子会社化以前の案件で売上高を確保したが、M&Aに伴う仲介手数料など一時費用の発生などにより損失を計上した。



■株主還元策

株主優待や株式分割を実施

同社は、株主への利益還元を第一とし、内部留保を考慮したうえで、継続的かつ安定的な配当を行うことを基本方針としている。しかしながら、同社は事業の成長過程にあり、より一層の事業拡大を目指し、配当の原資となる利益の最大化を図ることが、株主に対する利益還元につながると考えている。そのため、内部留保の充実を進め企業体質の強化及び事業の成長投資に比重を置くことが重要であると判断し、2026年7月期の配当を見送る予定となった。内部留保金については、財務体質の強化、開発費及び事業規模拡大に伴う優秀な人材の採用強化・育成を図るための資金として、有効に活用する方針である。今後においては、業績や配当性向、将来的な成長戦略等を総合的に勘案し配当を実施する予定だが、現時点において配当実施時期は未定である。将来的に剰余金の配当を行う場合は、年1回の期末配当を基本としており、その他年1回中間配当を行うことができる旨、及び上記のほかに基準日を設けて剰余金の配当を行うことができる旨を定款で定めている。配当の決定機関は、中間配当は取締役会、期末配当は株主総会としている。

なお、株主に対して感謝の気持ちを込め、株主優待を実施している。内容は、毎年7月31日を基準日とし、200株(2単元)以上の株式を継続して1年以上保有(毎年7月31日及び1月31日現在の同社株主名簿に同一株主番号で連続して3回以上記録)する株主を対象に、選べるデジタルギフト1,000円分を贈呈する。また、2025年3月1日付で、普通株式1株につき2株の割合で株式分割を実施した。株式分割により投資単位当たりの金額を引き下げることで、投資家がより投資しやすい環境を整え、同社株式の流動性の向上と投資家層のさらなる拡大を目的としている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田 仁光)



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