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日本スキー場開発:通年型リゾート化とDX活用の価格戦略で成長基盤を強化

*15:00JST 日本スキー場開発:通年型リゾート化とDX活用の価格戦略で成長基盤を強化
日本スキー場開発<6040>は、長野県白馬エリアを中心に、群馬県、岐阜県などでスキー場を運営している。日本駐車場開発<2353>を親会社に持ち、スキー場運営を中核としながら、グリーンシーズン事業や不動産開発、コンサルティング事業まで事業領域を拡大してきた。スキー場という季節性の高いビジネスに対し、通年型リゾート運営へと転換を進めている。

事業の中心はスキー場運営であり、ウィンターシーズンはリフト券、レンタル、飲食などから収益を得る。一方、近年はグリーンシーズンの強化に注力しており、展望テラス、大型遊具、キャンプフィールド、イベント開催など、スキーをしない来場者層の獲得を進めている。従来、年間売上高の約3割にとどまっていたグリーンシーズン売上を、中長期的には5割程度まで引き上げる方針を掲げており、業績の季節変動リスクを構造的に低減する戦略だ。

2026年7月期第1四半期の連結業績は、売上高13.6億円(前年同期比6.4%減)、営業損失3.1億円(前年同期は0.6億円の赤字)となった。減収および赤字幅拡大の主因は、前年同期に計上されていた白馬エリアの不動産売却益が今期は第4四半期にずれ込んだことに加え、白馬岩岳マウンテンリゾートのゴンドラ刷新に伴う減価償却費の増加、人件費のベースアップだ。グリーンシーズンに該当する第1四半期は、8月後半は好調だったものの、9~10月にかけて週末の雨天が続いた影響で、来場者数が計画を下回った。

もっとも、会社側は通期業績への影響は限定的とみている。2026年7月期通期では、売上高114.8億円(前期比9.7%増)、営業利益23.0億円(同2.4%増)を計画しており、第4四半期に不動産開発事業の売上計上を見込むほか、ウィンターシーズンの収益で挽回する見通し。インバウンド需要は引き続き堅調で、宿泊予約はハイシーズンである2月まで高い水準で推移している。暖冬リスクに対しても、400台超の人工降雪機をグループ全体で導入しており、営業開始時期や滑走可能コースの安定確保を図っている。

同社の競争力の源泉は、通年型リゾート化を前提とした設備投資と運営ノウハウにある。白馬岩岳の新ゴンドラは、冬季のみならずグリーンシーズンの輸送力を高め、繁忙期の機会損失を抑制する効果が確認されている。また、インバウンド来場者は全体の1割弱ながら増加基調にあり、雪の降らない地域からの来訪が新たな需要層として定着しつつある。加えて、キッズ向け無料施策や「NSDキッズプログラム」による将来的なスキー人口の拡大、他スキー場への経営支援を行う「NSDアライアンス」など、業界横断的な取り組みも進めている。

中期経営計画では、2028年7月期に売上高135億円、営業利益27億円を目標に掲げる。来場者数目標はウィンター205万人、グリーン75万人とし、来場者数を維持・拡大しながら単価を引き上げる方針だ。国内外の価格差を踏まえた料金設計に加え、DXを活用した価格戦略の高度化も検討しており、マイナンバーカードを活用することで、日本人と外国人で異なる価格設定を行うほか、居住地に応じた割引など、きめ細かな料金体系の構築を目指す。これにより国内顧客の利用しやすさを維持しつつ、インバウンドからの収益最大化を図る考えだ。加えて、付帯売上(飲食・レンタル)の強化により収益性の改善を進める。また、ゴンドラや索道設備への継続投資を通じてリゾートの魅力度を高め、競争力向上につなげる。

株主還元については、2026年7月期の年間配当を5円(前期比1.5円増)とする予定である。大型設備投資が続く局面ではあるものの、成長投資と財務健全性を優先しつつ、安定的な配当を維持する姿勢を示している。また、当期より中間配当および中間優待を新設し、個人株主増加を図っている。

同社は、インバウンド需要の回復と通年型リゾート戦略を背景に、中長期的な成長基盤を構築しつつある。短期的には天候や減価償却負担による業績変動が生じやすいものの、月次来場者数の開示による透明性の高さや、設備投資を通じた差別化戦略は評価できる。スキー場運営という枠を超え、地域一体型の観光ビジネスへ進化できるかが、今後の持続的成長の鍵となろう。



<NH>



 
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