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クオールHD Research Memo(7):2026年3月期業績は期初予想を据え置き、3事業すべてで増収増益を目指す

*11:07JST クオールHD Research Memo(7):2026年3月期業績は期初予想を据え置き、3事業すべてで増収増益を目指す
■クオールホールディングス<3034>の今後の見通し

1. 2026年3月期の業績見通し
2026年3月期の連結業績は売上高で前期比6.1%増の280,000百万円、営業利益で同15.1%増の15,500百万円、経常利益で同12.8%増の15,600百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同35.5%増の7,000百万円と期初予想を据え置いた。グループシナジーを高めながらゼロベースでの経費見直しを行い、3事業すべてで増収増益、利益率の向上を目指す。中間期までの進捗率は売上高で50.8%、営業利益で46.3%と順調に進捗している。通期計画達成に向けては、薬局事業では処方箋枚数やM&Aの動向、製薬事業では第一三共エスファが下期に投入予定の新製品の販売状況がカギを握ると見られる。また、四半期ベースのイレギュラーな動きとして、製薬事業において前期まで期末に一括計上していた医薬品卸会社に対する在庫補償費を、2026年3月期より第3四半期にも引当金として按分計上する予定にしている。これにより、第3四半期の利益が抑えられる可能性がある点には留意が必要である。

(1) 薬局事業
薬局事業の売上高は前期比3%増の1,772億円、営業利益は同14%増の114億円(経営管理料控除前ベース)を見込む。出店計画は、自社出店で20店舗程度、M&Aで15~30店舗を見込んでいる。10月~11月は自力出店で3店舗、M&Aで1店舗取得しており、中間期と合わせると自力出店で7店舗、M&Aで1店舗とややペースはスローとなっている。自力出店については計画どおりに進んでいるもようで、第4四半期に出店が加速するものと見られる。一方、M&Aについては取得コストの高止まりが続いているようで、計画を達成できるかは流動的だ。なお、退店については10月~11月に4店舗を実施しており、2026年3月期中に採算が厳しい店舗については整理し、収益体質の強化を図る。10月の月次データによると処方箋応需枚数は前年同月比2.6%減、調剤売上高は同3.3%増と中間期までの傾向とほぼ同様となっている。11月以降はインフルエンザが流行していることもあり、処方箋応需枚数の回復が期待される。

利益面では、増収効果に加えて店舗の生産性向上と経費の抑制に取り組むことで増益を見込む。店舗の生産性向上に関しては、2年前から段階的に導入を進めている新型電子薬歴システムの導入効果が出てくると見ている。新型システムは、薬歴等の自動入力や患者のフォローアップ機能があり、生産性向上や顧客サービスの向上によるリピート率アップといった効果が期待されている。導入店舗数は約500店舗でトライアルを実施した店舗では残業時間が従前よりも15%減少したとの報告があり、今後人件費の抑制につながる取り組みとして期待される。

(2) BPO事業
BPO事業の売上高は前期比17%増の174億円(内部取引高含む)、営業利益は同35%増の23億円と2ケタ成長を見込む。CSO事業については需要が旺盛なオンコロジー分野を中心にCMRの採用・育成を引き続き強化し増収増益を目指す。CMR数については前期末の約650名に対して2年内に約750名まで増員することを目標としている。また、新たな取り組みとして、パートナー企業と共同で異職種の人材をMR人材として育成するビジネスも開始する。

CRO事業では先進的IT技術を持つ企業とのアライアンスやM&Aを行うことで差別化を図り、食品分野における新規顧客・領域の開拓を進める方針だ。具体的な取り組みとして、10月29日付でアポプラスステーションが、治験・臨床研究に利用されるEDC※を提供するクリンクラウド(株)の全株式を取得する契約を締結したことを発表した。CRO業界では臨床試験のICT推進に欠かせないEDCの提供・構築を含むデータマネジメント業務の需要が拡大することが予想されており、EDC販売の国内大手である米国Fountayn社製品の唯一の国内代理店であり、データマネジメント業務分野に特化したCRO事業を行っているクリンクラウドをグループ化することでCRO事業の一段の拡大を目指す。

※ EDC(Electronic Data Capture):治験・臨床試験で得られたデータを電子的に収集・管理するシステムのことで、DX化が遅れていた治験・臨床試験分野においてここ数年、急速に普及し始めている。

医療系人材紹介派遣事業では、育成カリキュラムを仕組み化し、人材のスキルアップに注力することで競合他社との差別化を図るほか、短期間のスポット派遣の需要も掘り起こしながら2ケタの増収増益を目指す。

(3) 製薬事業
製薬事業の売上高は前期比11%増の873億円、営業利益は23%増の65億円を見込んでいる。このうち第一三共エスファについては、前期に発売した新製品が通年でフル寄与することに加えて、2025年12月に発売した前立腺がん治療剤のAG製品「アビラテロン酢酸エステル錠250mg「DSEP」(先発品:ザイティガ錠(R)250mg)」や第4四半期に発売予定の1製品が売上寄与し、増収増益要因となる。前立腺がん治療剤についてもGE医薬品を数社で販売開始するが、AG製品として販売するのは同社のみであることから、市場シェア7割を目標としている。市場規模は「リバーロキサバン」の8割程度と見られており、下期の売上高で数十億円規模になる可能性がある。

一方、藤永製薬は売上高で20億円程度、営業利益は収支均衡水準を見込んでおり、今後、第一三共エスファとのシナジー創出に向けた取り組みを推進する。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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