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特殊電極:研究開発から製造・工事まで一貫対応する溶接メーカー

*10:25JST 特殊電極:研究開発から製造・工事まで一貫対応する溶接メーカー
特殊電極<3437>は、溶接関連メーカーであり、溶接材料の製造・販売に加え、自社材料を用いた設備補修・再生工事まで一貫して手掛ける点に特徴がある。国内では珍しい「材料×工事」の一体型ビジネスモデルを有し、鉄鋼・電力・重工業など設備集約型産業を主要顧客としてきた。大手メーカーが参入しにくいニッチな特殊溶接分野に特化しており、肉盛溶接(母材表面に溶接を施し耐久性を高める技術)による表面改質技術を強みとし、設備寿命の延伸に貢献している。時価総額は40億円前後と小型ながら、老舗としての技術蓄積と直販体制を背景に一定の競争優位性を確立している。

2026年3月期第2四半期(中間期)の連結業績は、売上高53.0億円(前年同期比6.8%増)と増収となった一方、営業利益は3.0億円(同24.2%減)と減益で着地した。工事施工を中心に受注が堅調で売上は伸びたものの、原材料価格の上昇や人件費増、競争環境の変化による価格圧力が利益面に影響した。利益率低下は構造的というよりも、コスト上昇局面と需要環境の変動が重なった結果と位置付けられる。

セグメント別では、売上構成比約7割を占める工事施工が売上高40.4億円(同7.5%増)と全体を牽引した。トッププレート工事(同社独自の溶接済み鋼板)の受注は減少したものの、連続鋳造ロール肉盛工事や電力関連の現地機械加工、鉄鋼向け保全工事が増加し、需要の裾野の広さを示した。一方、セグメント利益は5.9億円(同3.8%減)と微減となり、コスト増の影響が表れている。

溶接材料セグメントでは、フラックス入りワイヤなど高付加価値品が前年同期比13.3%増と伸長した一方、TIG・MIGなど汎用溶接材料が減少し、全体では小幅減収となった。直販体制により顧客ニーズを迅速に製品開発へ反映できる点は強みであり、今後は従来得意としてきた上工程(製造初期段階)に加え、下工程への営業拡大を進め、収益確保を図る方針だ。

環境関連装置は、自動車産業向けの試験・検査装置の受注減を背景に、利益が大きく落ち込んだ。主要顧客である自動車メーカーの設備投資抑制が影響しており、短期的には回復に時間を要する可能性がある。一方、その他に含まれる自動車関連アルミダイカストマシン用部品は増収増益となり、EV一辺倒からハイブリッド再評価への潮流も追い風となっている。

通期では、2026年3月期の売上高100.1億円(前期比5.0%減)、営業利益5.2億円(同17.9%減)を見込む。上期は計画線上で推移しているものの、下期は鉄鋼メーカーの投資抑制などが懸念材料となる。ただし、電力関連や保全工事といった必需性の高い分野は底堅く、業績の急激な悪化リスクは限定的とみられる。

中長期的には、鉄鋼・自動車を基盤としつつ、水素還元製鉄など新たな技術分野への対応や、発電プラント関連での協業実績を活かした展開が視野に入る。海外では中国・タイを拠点に溶接を用いた再生事業の拡大を進めており、中国市場は景気減速の影響を受ける一方、タイでは安定した売上・利益を確保している。今後は東南アジア全体への展開が中期的な成長余地となる。

株主還元については、DOE(連結株主資本配当率)2%を目安とする方針を掲げ、2026年3月期の年間配当は100円(前期比3円増)を予定している。配当利回りは約3%水準と小型株としては相対的に高い。株主還元姿勢を強めており、将来的な増配も視野に入れているという。

総じて同社は、短期的にはコスト上昇や一部顧客業界の投資抑制といった逆風を受けているものの、設備補修・再生という構造的需要を背景に、事業基盤の安定性は維持されている。ニッチ分野での技術力、材料と工事を一体で提供する独自モデル、安定配当を組み合わせた中長期視点での評価余地に注目したい。



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