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デンカ:収益構造の正常化が進展、「Mission2030」フェーズ2で再成長を目指す

*10:04JST デンカ:収益構造の正常化が進展、「Mission2030」フェーズ2で再成長を目指す
デンカ<4061>は、1915年に創業された総合化学メーカーであり、100年を超える歴史を有する。創業以来続く自家水力発電による安価な電力を活用したカーバイドの生産で培った電気化学の技術を基盤とし、素材・ソリューションの提供を通じて、産業の発展と社会課題の解決に取り組んできた。本社は東京都中央区日本橋室町に置き、東京証券取引所プライム市場に上場している。同社は、「化学の力で世界をよりよくするスペシャリストになる」というパーパスを掲げ、独自技術と高付加価値製品を軸とした事業展開を進めている。事業は、電子・先端プロダクツ、ライフイノベーション、エラストマー・インフラソリューション、ポリマーソリューションの4分野で構成されている。
電子・先端プロダクツ分野では、球状シリカや球状アルミナをはじめとする機能性セラミックス、導電性材料のアセチレンブラック、低誘電有機絶縁材料のスネクトンなどを展開し、生成AIを含む半導体、電力インフラ、車載電池、通信分野といった高成長領域を支えている。ライフイノベーション分野では、インフルエンザワクチン、臨床検査試薬、インフルエンザや新型コロナを中心とした感染症の抗原迅速診断キットなどのヘルスケア関連製品を手掛け、人々の健康と安全に貢献している。エラストマー・インフラソリューション分野では、機能性合成ゴムや特殊混和材、土木・建築向け資材を提供し、社会インフラの高度化と耐久性向上に寄与している。ポリマーソリューション分野では、機能性樹脂や食品包装材料など幅広い製品群を有し、日常生活や産業活動を下支えしている。
同社は、国内外に生産・研究・販売拠点を展開するグローバル企業であり、有機・無機化学、バイオの複合的な技術力と自家水力発電を競争優位の源泉として、持続可能な成長と企業価値向上を目指している。

2026年3月期第2四半期連結業績は、売上高は196,699百万円、前年同期比1.2%減となった。これは、電子・先端プロダクツの販売数量が増加したものの、原燃料価格変動に応じた販売価格調整や為替影響が重荷となったためである。営業利益は9,740百万円で前年同期比3.8%増、経常利益は6,791百万円で前年同期比21.8%増となり、収益面は改善傾向を示した。親会社株主に帰属する中間純利益は3,902百万円となり、前年同期比15.7%増となっている。
一方、2026年3月期通期の業績予想は、売上高400,000百万円(前期比0.1%減)とほぼ横ばいを見込むものの、営業利益25,000百万円(同73.4%増)、経常利益19,000百万円(同149.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益15,000百万円(前期は12,300百万円の赤字)と、大幅な増益を見込んでいる。操業停止中の米国DPE(Denka Performance Elastomer LLC)工場における年間約150億円の赤字要因が2025年下期以降解消されることが主因である。現在は期間を定めない暫定停止の状態にあり、今後の最終決定に向けてステイクホルダーと協議を進めていく方針であるが、資産については既に全額減損処理を完了している。

同社は2023年度から2030年度までの経営計画「Mission2030」を策定し、2030年度に営業利益1,000億円、ROE15%といった高い目標の達成を目指していた。しかし、2025年度第2四半期決算説明会において計画の見直しを発表しており、今後は2026〜2028年度を「フェーズ2」と位置付け、現実的な数値目標として営業利益400億円超、ROE8.0%以上を追求する方針へと転換している。従来計画における高い利益目標は達成時期を後ろ倒ししつつ、利益回復に向けた施策を着実に展開する方針である。また、同計画では、事業価値創造・人財価値創造・経営価値創造の3つの柱の下、成長分野への投資や不採算事業の構造改革、ROE・ROIC改善を重点課題としている点が特徴である。「Mission2030」では、市場の成長性と収益性の観点から、ICT&Energy(電子・先端プロダクツ)を成長ドライバー、Healthcare(ライフイノベーション)を安定成長事業、Sustainable Living(エラストマー・インフラソリューション、ポリマーソリューション)をキャッシュカウ事業として位置付け、事業ごとの方向性を明確化している点が評価できる。
中期計画の見直しにより、事業ポートフォリオの質的転換や不採算事業の整理、成長分野への投資効果の可視化が進むかが、今後の評価ポイントとなろう。同社の取り組みに注目したい。



<NH>



 
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