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イオン九州:グループ規模を活かし安定収益・安定配当を実現

*09:59JST イオン九州:グループ規模を活かし安定収益・安定配当を実現
イオン九州<2653>は九州全域で総合スーパー(GMS)から食品スーパー(SM)まで幅広く展開するイオングループの小売大手。食品分野の強みと多業態戦略により、物価高局面でも堅調な業績を維持している。

1972年に会社設立し、現在では九州各県に店舗網を有する。2020年にはグループ内のマックスバリュ九州やイオンストア九州との合併に踏み切り、GMSと食品スーパー事業を一体化。これにより九州地域における総合小売事業者としての存在感を一段と高めている。

同社の事業はGMS事業とSM・DS事業の二本柱である。総合スーパー「イオン」などのGMS事業では衣料・住居関連から食品までワンストップで提供し、地域のモールの核として集客力を発揮する。食品スーパー・ディスカウント(SM・DS)事業は「マックスバリュ」「ザ・ビッグ」を中心に日常食品を低価格で提供し、生活密着型の店舗展開が特徴となっている。

強みとしては、グループ規模を活かした値頃感のある価格戦略やプライベートブランド強化で集客に注力するほか、九州他社との物流協業などで効率化を図り競争力維持に努めている点が挙げられる。九州地域において約300店舗を展開しており、高い知名度とブランド力を誇っている。

外部環境においては、九州経済は人口減少や高齢化が進む一方、福岡市を中心に都市部では人口流入も見られる。足元では食品や生活必需品の物価上昇が消費者マインドに影響を及ぼすが、一定の需要は下支えされている。その中で、福岡市内などで都市型小型店やドラッグ併設型店舗を積極出店するなど、市場動向に応じた出店戦略を進めている。同時に、DX推進による生産性・経営効率の向上が進展し始めており、今後各事業において生産性の向上、収益力強化が期待されるだろう。

2026年2月期の連結業績について、営業収益は前期比3.6%増の5,510億円、営業利益は0.6%増の106億円と増収増益見込みながら利益成長は鈍化する見通し。金利上昇に伴う支払利息の増加や前期に特別利益として計上した保険金収入の剥落などもあり、親会社株主に帰属する当期純利益は12.2%減の53億円と減益を計画している。インフレ起因の消費減退が懸念されるものの、食料品は堅調であることに加え、DX推進による人時生産性の改善が継続している点はポジティブである。

同社は中期経営計画(2024~2026年度)において、成長領域へのシフトを掲げ、都市部小型店とドラッグ&フード業態を成長エンジンに据える戦略を進めている。特に人口増が見込まれる福岡市内などで小型食品SM「マックスバリュエクスプレス」やドラッグ併設型の「ウエルシアプラス」を積極出店し、ドミナント戦略で商圏シェア拡大を狙う。また、DXやネットスーパー展開による省力化とサービス向上も推進する。さらにM&Aも活用し九州におけるプレゼンス強化と持続的成長を図る方針である。定量目標については、最終年度2026年度に、連結営業収益6,230億円、営業利益119億円(ROE10%)を掲げている。

株主還元策として配当性向30%を目安に安定配当を掲げる。前期(2025年2月期)は年間45円(中間20円・期末25円)を配当し、今期は50円(中間20円・期末30円)への増配を予定する(配当性向32.1%、予想配当利回り1.74%)。また2023年から中間配当を開始し、株主優待も年2回に拡充するなど、安定的かつ総合的な株主還元に努めている点は株価のサポート要因になるだろう。

投資の視点としては、九州での知名度・店舗網や多業態戦略を活かし、成長フォーマット展開やコスト効率化、M&A戦略によるドミナント強化などで中長期的な収益拡大が期待される。足元の株価バリエーションは、PER18.5倍、PBR1.69倍と大きな過熱感はなく、中長期投資の観点から検討したい。



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