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アイホンResearch Memo :インターホン専業メーカーからグローバル展開を進めるセキュリティ機器企業

*13:00JST アイホンResearch Memo :インターホン専業メーカーからグローバル展開を進めるセキュリティ機器企業
アイホン<6718>は「インターホン専業メーカー」としての地位を確立し、国内市場でトップシェアを誇る企業である。同社は戸建住宅や集合住宅向けのテレビドアホンを主力とし、医療・福祉施設向けのナースコールシステムやオフィス・学校など公共施設向けのセキュリティ機器まで幅広く展開する。事業は日本を中心に北米、欧州、アジア(タイ・ベトナム)に生産・販売拠点を持ち、約70か国に製品を供給するグローバルネットワークを構築している。過去数年間は、集合住宅のリニューアル需要の増加や海外市場での販売拡大を背景に売上高を伸ばしている。


1. 競合優位性

同社の強みは、第一に国内市場での圧倒的シェアである。インターホン工業会データによれば、2024年度の国内シェアは約61%と業界トップを占めており、安定した需要を背景に長期的な収益基盤を築いている。インターホンは常に屋外の環境に晒されるため高レベルの耐久性やアフターサービスが求められる。そうした要素が参入障壁となり、同社のシェアを確固たるものとしている。第二に、商品力である。集合住宅向けの「PATMOα」や荷物認証宅配システム「Pabbit」など、新しい生活ニーズに対応した製品を積極的に投入しており、セキュリティ性と利便性を両立させる製品群は国内外で高く評価されている。特に品質面の高さは米国市場で高く評価されており、公的施設を中心に導入が進んでいる。第三に、堅固な財務基盤である。自己資本比率は80%台後半と極めて高く、景気変動や為替リスクに対しても強靭な耐性を備えている。

2. 直近の業績

2026年3月期第1四半期(2025年4-6月期)の業績は、売上高14,332百万円(前年同期比9.8%減)、営業利益192百万円(同87.9%減)と減収減益になった。しかし下期偏重の業績予想をしており、第1四半期の売上は概ね順調に推移している。減益の要因としては、海外売上の約8割を占める北米市場において、関税影響によって販売代理店が一時的に在庫過多となっていることが大きい。ただし、戸建住宅市場では主力製品の価格改定前需要やリニューアル向けワイヤレステレビドアホンの販売が好調で大幅増収となるなど明るい材料も見られる。通期計画は売上高65,400百万円(前期比3.3%増)、営業利益4,500百万円(同18.0%増)を据え置いており、北米市場の回復と国内集合住宅のリニューアル需要の拡大を背景に、下期以降の回復を見込んでいる。

3. 今後の成長戦略

今後の成長見通しとしては、第8次中期経営計画で掲げる長期経営戦略「2032年ROE10%以上」の実現を目指し、海外市場を成長の軸とする方針が示されている。特に市場として最もポテンシャルの高い北米で現地開発体制の強化を目指す。北米では治安への危機感などからインターホンに求められるセキュリティのレベルが高く、同社製品の品質が高く評価されており、ホワイトハウスなどにも導入されている。関税影響は依然として不透明感が残るが、市場としての拡大余地は大きく、同社の拡大戦略の主軸となる。一方、国内では既製品の経年劣化による買い替え需要や治安悪化への警戒感による録画・カメラ機能への需要の高まりに対応する形で拡販を進める。また、宅配便増加に対応した「Pabbit」機能の拡張や、医療・介護分野での「CareRings Contact」導入により、新規需要の開拓も進めている。これらの施策により、高付加価値商品の拡販とサービス領域の拡大を通じて持続的な成長が期待される。

4. 株主還元
株主還元については、安定配当を基本方針とし、2024年3月期には年間130円(前期比50円増配)と大幅増配を実施した。2025年3月期・今期も130円を維持する計画であり、安定的な還元姿勢を示しており、配当利回りも4%超と高い。自己資本比率の高さを背景に、成長投資と株主還元の両立を志向している点も安心材料といえ、PBRが0.7倍であることも考慮すると投資妙味も高い。


Key Points

・国内インターホン市場で約61%のシェアを占め、自己資本比率は80%台後半と極めて高く、安定した収益基盤を維持
・2026年3月期は売上高65,400百万円(前期比3.3%増)、営業利益4,500百万円(同18.0%増)を計画し、北米市場の回復とリニューアル需要拡大が成長を支える
・年間配当130円を維持し配当



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2025/11/27 15:30 現在

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