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トリプルアイズ Research Memo(5):連結効果で増収もエンジニアリングとGPUサーバーの低迷で営業損失を計上
2025/11/26 12:05
*12:05JST トリプルアイズ Research Memo(5):連結効果で増収もエンジニアリングとGPUサーバーの低迷で営業損失を計上
■トリプルアイズ<5026>の業績動向
1. 2025年8月期の業績概要
2025年8月期の連結業績は、売上高5,714百万円(前期比29.6%増)、営業損失61百万円(前期は38百万円の利益)、EBITDA298百万円(同32.3%増、経常利益+減価償却費+のれん償却額+支払利息により算出)、経常利益59百万円(同25.9%増)、親会社株主に帰属する当期純損失343百万円(同76百万円の利益)となった。
売上高は、BEXの新規連結効果及びAIインテグレーション領域の拡大により増加した。BEXは2024年7月1日付で連結対象となり、前期は2ヶ月分のみの寄与にとどまったが、2025年8月期は通期での業績反映となったことで増収に寄与した。利益面は、AIソリューション事業のエンジニアリングにおける稼働人員の減少による売上減及び人材確保を目的とした臨時賞与による人件費増、GPUサーバー事業における税制改正影響に伴う暗号資産のマイニングマシン需要の減退などが重なり、営業損失となった。また、マイニングマシンの一部商品の販売終了決定に伴い、棚卸資産評価損286百万円を特別損失に計上した。ただし、同社はこれまでM&Aを通じて企業規模を拡大してきたことから、減価償却費やのれん償却費が利益を圧迫している。これらの影響を除いたEBITDAは前期比32.3%増と大幅に伸長した。
期初計画(売上高5,992百万円、営業利益111百万円)に対しては、主にエンジニアリングにおける人員数減少や人件費上昇、GPUサーバー事業における需要低迷や新製品開発に向けた研究開発費の増加などが響き、2025年7月に業績予想を減額修正(売上高5,650百万円、営業損失83百万円)したが、最終的には修正後の計画をやや上回って着地した。
事業セグメント別の業績を見ると、AIソリューション事業の売上高が4,626百万円(前期比51.1%増)、営業利益が41百万円(同17.2%増)、GPUサーバー事業の売上高が1,101百万円(同20.3%減)、営業損失が105百万円(前期は2百万円の利益)であった。
AIソリューション事業では、AIインテグレーションにおける契約単価の上昇、生成AI関連の開発需要拡大、2024年9月に資本業務提携したゲームカード・ジョイコホールディングスからの案件受注などが増収増益に寄与した。一方で、エンジニアリングはBEXの通期連結効果により売上水準が押し上げられたものの、稼働人員の減少や人件費上昇が収益を圧迫した。
GPUサーバー事業では、暗号資産マイニングマシンが2025年度の税制改正に伴う需要減により、販売が低迷した。改正によりマイニングマシンが一括償却の対象外となり、耐用年数に基づく減価償却が求められることとなったため、事業者の初期投資負担が増加し、設備投資が抑制された。一方で、足元ではAI開発用途向けGPUサーバーの販売が徐々に拡大しており、今後の事業転換が注目される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 吉林 拓馬)
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■トリプルアイズ<5026>の業績動向
1. 2025年8月期の業績概要
2025年8月期の連結業績は、売上高5,714百万円(前期比29.6%増)、営業損失61百万円(前期は38百万円の利益)、EBITDA298百万円(同32.3%増、経常利益+減価償却費+のれん償却額+支払利息により算出)、経常利益59百万円(同25.9%増)、親会社株主に帰属する当期純損失343百万円(同76百万円の利益)となった。
売上高は、BEXの新規連結効果及びAIインテグレーション領域の拡大により増加した。BEXは2024年7月1日付で連結対象となり、前期は2ヶ月分のみの寄与にとどまったが、2025年8月期は通期での業績反映となったことで増収に寄与した。利益面は、AIソリューション事業のエンジニアリングにおける稼働人員の減少による売上減及び人材確保を目的とした臨時賞与による人件費増、GPUサーバー事業における税制改正影響に伴う暗号資産のマイニングマシン需要の減退などが重なり、営業損失となった。また、マイニングマシンの一部商品の販売終了決定に伴い、棚卸資産評価損286百万円を特別損失に計上した。ただし、同社はこれまでM&Aを通じて企業規模を拡大してきたことから、減価償却費やのれん償却費が利益を圧迫している。これらの影響を除いたEBITDAは前期比32.3%増と大幅に伸長した。
期初計画(売上高5,992百万円、営業利益111百万円)に対しては、主にエンジニアリングにおける人員数減少や人件費上昇、GPUサーバー事業における需要低迷や新製品開発に向けた研究開発費の増加などが響き、2025年7月に業績予想を減額修正(売上高5,650百万円、営業損失83百万円)したが、最終的には修正後の計画をやや上回って着地した。
事業セグメント別の業績を見ると、AIソリューション事業の売上高が4,626百万円(前期比51.1%増)、営業利益が41百万円(同17.2%増)、GPUサーバー事業の売上高が1,101百万円(同20.3%減)、営業損失が105百万円(前期は2百万円の利益)であった。
AIソリューション事業では、AIインテグレーションにおける契約単価の上昇、生成AI関連の開発需要拡大、2024年9月に資本業務提携したゲームカード・ジョイコホールディングスからの案件受注などが増収増益に寄与した。一方で、エンジニアリングはBEXの通期連結効果により売上水準が押し上げられたものの、稼働人員の減少や人件費上昇が収益を圧迫した。
GPUサーバー事業では、暗号資産マイニングマシンが2025年度の税制改正に伴う需要減により、販売が低迷した。改正によりマイニングマシンが一括償却の対象外となり、耐用年数に基づく減価償却が求められることとなったため、事業者の初期投資負担が増加し、設備投資が抑制された。一方で、足元ではAI開発用途向けGPUサーバーの販売が徐々に拡大しており、今後の事業転換が注目される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 吉林 拓馬)
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