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アコム:ローン・保証・海外金融を軸に成長、利息返還負担は減少し株主還元強化

*12:45JST アコム:ローン・保証・海外金融を軸に成長、利息返還負担は減少し株主還元強化
アコム<8572>は、1978年に設立され、現在は東証スタンダード市場に上場している。企業理念は「人間尊重の精神とお客さま第一義に基づき、創造と革新の経営を通じて、楽しく豊かなパーソナルライフの実現と生活文化の向上に貢献する」である。事業は主にローン・クレジットカード事業(L・C事業)、信用保証事業、海外金融事業を展開し、営業収益構成比は、L・C事業が5割、信用保証事業2.5割、海外金融事業が2割であった。三菱UFJフィナンシャルグループ<8306>の連結子会社であり、信用補完を得るとともに、与信審査ノウハウの活用や保証事業におけるシナジーを特徴としている。

消費者金融市場は過払い金返還問題で縮小し、さらにコロナ禍を経て現在は回復基調にある。同社は「初めてのアコム」のキャッチコピーの浸透によって、新規の消費者金融利用客を着実に取り込み、2025年3月時点で個人向けカードローンのシェアを22.2%確保している。信用保証事業においても、無担保ローン保証を中心に成長を続けている。海外ではタイ、フィリピン、マレーシアで事業を展開し、特にタイは約30年の実績を持ちトップシェアを維持している。足元では、規制再導入に伴い不良債権が増加し調整局面にある。一方、フィリピンとマレーシアは成長余地が大きく、業容拡大に注力している。
過払い利息返還請求については、申請件数及び利息返還損失の減少が続いており、2026年3月期は25%以上の減少が見込まれている。同社は従来、中期経営計画策定時に将来4年分の利息返還損失引金を一括で繰り入れてきたが、2025年3月期末には400億円の追加繰入れを実施した。今後は毎期末に将来4年分を見積もり、不足分を積み立てる方式へと移行する。これにより、利益水準の改善と安定化が期待される。

2025年3月期の連結業績は、営業収益317,742百万円(前期比7.8%増)、営業利益58,561百万円(同32.2%減)、当期純利益32,124百万円(同39.5%減)であった。営業収益は、各事業部門とも営業債権残高増加に伴い増収となった。海外金融事業では、現地通貨建て債権残高と営業収入は微減となったが、円安効果によって増収となった。一方で、利息返還損失引当金の追加繰入れにより減益となった。不良債権比率は前期比0.47ポイント低下の7.16%、貸倒損失率は3.71%で横ばいだった。
2026年3月期第1四半期は、営業収益82,372百万円(前年同期比6.6%増)、営業利益28,147百万円(同28.2%増)、四半期純利益34,119百万円(同150.3%増)であった。国内ではローンや保証事業の残高増加、海外金融事業は円安効果が寄与し増収増益となった。
2026年3月期の通期予想は、営業収益331,800百万円(前期比4.4%増)、営業利益88,600百万円(同51.3%増)、当期純利益72,200百万円(同124.8%増)を見込んでいる。海外金融事業は減収を予想するものの、L・C事業と信用保証事業においては営業債権残高の増加により増収を見通す。利息返還引当金の繰入額は8,300百万円を見込むが、前期比で大幅に減少するため、増益を確保する見込みである。

2026年3月期より新たに開始した3年間の中期経営計画では、「ビジョン達成に向け、成長サイクルのスピードを上げる」を基本方針に掲げ、2028年3月期に営業収入366,500百万円、営業利益100,400百万円、ROE10%程度を目標としている。主要施策は、新規事業として開始したエンベデッド・ファイナンス「GeNiE(ジーニー)」の展開、新規保証提携先の拡大、海外金融事業の拡大である。GeNiEは小売事業者などと提携し、同社が金融サービスを提供するモデルである。30社以上との提携を目指し、既に10社以上と契約した。海外ではフィリピン、マレーシアにおいて最終年度の収益化を目指し、さらに、成長余地の大きい新興国へのM&Aによる拡大も検討している。これらの施策を通じて、営業債権残高は年平均成長率5.9%を目標としている。

株主還元については、安定的かつ継続的な配当を基本方針としている。2025年3月期の年間配当金は14円(配当性向68.3%)を実施した。2026年3月期は年間20円(同43.4%)を予定しており、前期比6円の増配となる。過払い利息返還が落ち着きを見せていることを背景に、自己資本比率の目標を25%から23%程度に引き下げ、株主還元を強化する方針である。



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