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富士電機:エネルギー・産業ソリューション強化で持続成長へ

*09:43JST 富士電機:エネルギー・産業ソリューション強化で持続成長へ
富士電機<6504>は、1923年に創業し、100年にわたり、エネルギー・環境技術の革新を追求し、産業・社会インフラの分野で、広く世の中に貢献している電機メーカである。
パワー半導体、パワーエレクトロニクスを中心としたコア技術を強みとして、クリーンなエネルギーの提供や、エネルギーの安定供給・最適化に貢献する「エネルギー」、工場の自動化・省エネを実現し、鉄道や船舶など社会インフラの安全・安心に貢献する「インダストリー」、高い電力変換効率を実現し、電動化が進む自動車分野及び、FA・再生可能エネルギーなどの産業分野の省エネ・小型化に貢献する「半導体」、自動販売機・コンビニエンスストア向け機器などを通じて,食の安全・安心とともに自動化・省エネに貢献する「食品流通」の4つの事業で、グローバルな事業拡大により成長戦略を推し進め、サステナブルな社会の実現に貢献している。


同社の強みは、第一に長年培ってきたパワーエレクトロニクス技術である。高効率の電力変換や精緻な制御技術は、脱炭素化の社会的要請に応える競争力の源泉であり、電力機器から産業機械、電動車(xEV)関連まで幅広く適用できる点が優位性となっている。パワー半導体のみならず、パワーエレクトロニクスで電力供給に関するニーズにトータルソリューションで応えることができる数少ない主体であるといえる。第二に、多様な事業ポートフォリオにより景気変動の影響を緩和できる点である。社会インフラ向けの安定収益事業に加え、パワー半導体分野を組み合わせることで、収益の安定と拡大を両立させている。第三に、グローバル展開力である。アジア・インドを中心に現地生産・販売体制を整備し、需要が拡大する海外市場の取り込みにより、収益基盤を強化・拡大している。これらの強みが相互に作用し、持続的な成長を支える構造が確立されている。

2026年3月期第1四半期の業績は、売上高247,916百万円(前年同期比4.9%増)、営業利益18,091百万円(同4.9%増)と増収増益を確保した。パワーエレクトロニクスシステム事業で産業・社会インフラ関連の需要が堅調に推移し、さらに半導体分野では電動車向け需要や海外の再生可能エネルギー向け需要が引き続き底堅く推移したことが寄与した。原材料価格や為替の変動といった外部要因もあるものの、コスト削減や効率改善により安定した収益を確保している。通期予想については、売上高1,155,000百万円(前期比2.8%増)、営業利益124,500百万円(同5.8%増)を見込んでおり、複数事業での需要拡大が引き続き収益を押し上げる見通しである。

中期経営計画「熱く、高く、そして優しく2026」においては、「利益重視経営による更なる企業価値向上」を基本方針とし、利益を伴った事業拡大を推進する。同計画では、売上高を1,250,000 百万円、営業利益率を11.2%に引き上げ、ROEを12%以上、ROICを10%以上を堅持、全セグメントにおける営業利益率10%以上を目指している。エネルギー、インダストリー、半導体のセグメントが成長領域として注力されており、各部門での収益性改善とシナジー創出が計画に組み込まれている。特に成長を牽引すると見込まれるのはエネルギー分野であり、世界的なAIデータセンター・蓄電システム・脱炭素関連の需要に加え、電力需要の拡大に伴い、国内における変圧器などの大規模な設備更新需要も今後中期的に高まっていくと見込んでおり、同社にとっての大きな追い風になる。

株主還元については、今期配当額は現時点で未定であるものの、配当性向30%を目安に安定的・継続的な配当を方針に掲げており、2010年度より減配することなく増配基調を継続している。特に設備投資や研究開発を強化する一方で、利益の一定割合を還元に充てる方針を継続していることは、長期投資家にとって安心材料といえる。

総じて、同社はパワーエレクトロニクスを核とする技術力と多角的な事業基盤を強みに、エネルギー転換や社会インフラ需要といった追い風を的確に取り込み、持続的な成長を実現する体制を整えている。環境・社会課題を成長機会に変換しながら、収益性と企業価値の一層の向上を図る姿勢は明確であり、今後の中期計画達成を通じてさらなる成長を期待して注目していきたい。



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2025/10/07 15:30 現在

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