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ムゲンE Research Memo(1):2025年12月期中間期は買取再販事業が好調。中間期として過去最高業績を更新

*12:01JST ムゲンE Research Memo(1):2025年12月期中間期は買取再販事業が好調。中間期として過去最高業績を更新
■要約

ムゲンエステート<3299>は、投資用・居住用不動産を中心に中古不動産の買取再販事業を行う業界のパイオニアであり、高収益企業である。中古不動産を幅広く扱い、数千万円の区分マンションから数十億円の一棟マンション・事務所まで幅広く扱う。首都圏から全国の大都市圏を営業エリアとしており、首都圏を中心に北海道から沖縄まで15拠点を展開し、従業員は507名(連結、2025年6月末)を数える。2014年に東京証券取引所(以下、東証)マザーズ市場に上場し、2016年には東証第1部に市場変更、2022年のプライム市場への移行を経て、2023年にはスタンダード市場に移行した。

1. 事業概要
同社の事業は不動産売買事業と賃貸その他事業の2つのセグメントに分かれる。主となる不動産売買事業は全社売上高の95.9%(2025年12月期中間期)、セグメント利益の94.4%(同)を占め、1) 不動産買取再販事業(投資用、居住用)、2) 不動産開発事業、3) 不動産特定共同事業の3つの事業モデルからなる。不動産買取再販事業は、中古不動産を買い取り、バリューアップ(内外装工事等による不動産価値・収益性の向上)を図り、「再生不動産」として販売する事業で、全社売上高の95.1%を占める。また、不動産開発事業は開発用地の仕入業務から企画立案、設計、工事、リーシング、販売まで行う事業で、不動産特定共同事業は不動産特定共同事業法に基づき不動産の小口化商品を販売する事業である。賃貸その他事業は、不動産賃貸、不動産管理、その他事業を行っており、全社売上高の4.1%(同)、セグメント利益の5.6%(同)を占めている。

2. 2025年12月期中間期の業績概要
2025年12月期中間期の連結業績は、売上高が前年同期比4.6%増の32,943百万円、営業利益が同9.0%増の5,479百万円、経常利益が同6.2%増の4,932百万円、親会社株主に帰属する中間純利益が同8.4%増の3,320百万円と、売上高・各利益ともに過去最高を更新した。主力の買取再販事業では、居住用不動産の大型物件の販売が好調に推移し、売上高で同56.0%増の19,005百万円となり、大幅増収をけん引した。投資用不動産の販売は、前年同期比で減収ではあるものの、収益性を維持しつつ販売を積み上げている。買取再販事業が好調な要因として、外国人向けの販売が好調であることも挙げられる。不動産特定共同事業では「札幌ホステルプロジェクト」の第2期募集が完売した。なお、不動産の仕入れに関しては、物件の収益性や在庫状況を精査し、同7.9%減の23,302百万円となっている。

3. 2025年12月期の業績見通し
2025年12月期の連結業績は、売上高が前期比29.8%増の80,694百万円、営業利益が同13.9%増の10,961百万円、経常利益が同12.4%増の9,955百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同6.9%増の6,504百万円と、売上高・各利益ともほぼ期初計画どおりの着地を見込んでいる。主力事業の買取再販事業では、営業チャネルの拡充と取り扱いアセットの多様化、地方エリアでの販売強化により事業領域を拡げる。上半期は投資用不動産の需要は堅調だったものの成約まで届かなかったケースが見られたため、下半期は営業プロセスのKPI管理を強化し、投資用不動産のてこ入れを図っている。中間期末の販売用不動産は63,775百万円(前期末比3,249百万円増)と十分である。中間期における通期業績予想に対する進捗率は、営業利益で50.0%と計画どおりである。前期及び2025年12月期に行った拠点増設及び人員増強、営業プロセス管理の効果が見込まれるため、計画達成に向けて体制が整っていると言える。

4. 成長戦略
同社では、成長戦略の基盤となるのが人材戦略であるという認識で、人材の採用と育成に取り組んでいる。2025年12月期に強化されたのは、買取再販事業の営業社員の行動・業務プロセスを可視化し、定量化し、KPI(Key Performance Indicator)を設定し管理を徹底する取り組みである。たとえば、営業活動においては成約という結果のみでなく、架電数や訪問数、プレゼン数などのプロセスごとにDXを活用して行動を可視化し、PDCAを定量的に回していく手法だ。2025年12月期は、投資用の買取再販事業で進捗が遅れていた面があったが、リアルタイムでの行動の可視化により、より早く改善施策を特定でき、業績計画達成への武器になるものと期待できる。同社では、中期経営計画の目玉の1つとして、IT化・DX化に取り組んでおり、その成果も含めて、1人当たりの生産性の向上に注目したい。

同社は、中期的に不動産開発事業及び不動産特定共同事業の育成に力を注いでいる。下期に動きが予定されている案件としては、不動産特定共同事業では、第7弾商品「新小岩プロジェクト」と第8弾商品「荻窪プロジェクト」の販売である。「新小岩プロジェクト」は募集金額6億円であり、2025年3月販売開始(完売)、「荻窪プロジェクト」募集金額8.78億円であり、2025年6月販売開始された。また、不動産開発事業では、「SIDEPLACE ASAGAYA(7階建、飲食・物販店舗7戸)」が2025年7月に竣工し、今後の業績貢献が期待できる。両事業における2025年12月期通期の売上高予想は5,971百万円であり、販売用不動産の在庫は、3,343百万円(2025年12月期中間期末)である。

5. 株主還元策
同社は、株主への利益還元を経営の重要課題の1つと位置付けており、長期的な事業拡大のため財務体質の強化と内部留保の充実を図りつつ、安定した配当を継続することを基本方針としている。利益配分は、業績の水準やバランスシートをベースとする資本コストや資本収益性等を総合的に勘案し、中長期的な連結配当性向の目標水準を40%以上としている。2025年12月期の年間配当は、前期比8.0円増配の112.0円(中間期45.0円、期末67.0円)、配当性向40.1%を予定している。株主への利益還元の機会を充実させるため、2025年12月期から中間配当を実施し、期末配当と併せて年2回としている。第3次中期経営計画では、2026年12月期に配当金130.0円、2027年12月期に配当金161.0円を計画している。

■Key Points
・大都市圏の中古不動産を、大小問わず一棟物から区分マンションまでスピーディに買い取る目利き力と資金力が強み
・2025年12月期中間期は中古買取再販事業が好調に推移し、中間期として売上高・各利益ともに過去最高を更新
・買取再販事業では、営業KPI管理による生産性向上を本格化。不動産開発事業及び不動産特定共同事業でのパイプラインが進捗
・初の中間配当を実施。2025年12月期は増益予想を背景に、前期比8.0円増配の年間配当112.0円(中間期45.0円、期末67.0円)、配当性向40.1%を予定

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)



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