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rakumo Research Memo(4):2025年12月期中間期はSaaSサービスが高成長、収益性も大幅に向上

*13:04JST rakumo Research Memo(4):2025年12月期中間期はSaaSサービスが高成長、収益性も大幅に向上
■rakumo<4060>の業績動向

1. 2025年12月期中間期の業績概要
2025年12月期中間期の連結業績は、売上高が前年同期比15.1%増の802百万円、調整後EBITAが同41.4%増の279百万円、営業利益が同31.2%増の224百万円、経常利益が同35.0%増の224百万円、親会社株主に帰属する中間純利益が同34.6%増の146百万円となった。

サービス別売上高は、SaaSサービスが前年同期比18.0%増の785百万円、ソリューションサービスが同40.9%減の10百万円、ITオフショア開発サービスが同49.8%減の7百万円であった。SaaSサービスに注力するため、ソリューションサービス及びITオフショア開発サービスを縮小した一方で、SaaSサービスは2024年4月に実施した価格改定などにより伸長した。

原価面について、売上原価は生成AI機能などのサービス開発に関わるコストを資産計上したこと、円高の影響によりサーバー費用が抑制されたこと、減価償却費が減少したことで、前期比2.3%減となり、売上原価率は30.1%と同5.3ポイント改善した。販管費は同20.5%増の336百万円であり、販管費率は42.0%と同1.9ポイント上昇した。支払手数料が一過性のM&A関連費用などにより同26百万円増、人件費(採用費を含む)がベースアップ及び人員数の増加などにより同18百万円増となった。

この結果、調整後EBITA、営業利益は大幅増益となり、EBITAマージンは同6.5ポイント改善の34.8%、営業利益率は同3.4ポイント改善の28.0%となった。通期営業利益計画は400百万円であり、中間期の進捗率は56.1%と高水準となった。


解約の影響を吸収しながら収益は順調に拡大

2. 主要KPIの推移
(1) クライアント数及びユニークユーザー数
同社のクライアント数は、2023年12月期末が2,442社、2024年12月期末が2,473社、2025年12月期中間期末が2,499社と着実に積み上がっている。また、1クライアント当たりの月額販売額は、追加ID受注、サービス拡張、価格改定効果などが寄与し、2023年12月期末が48,202円、2024年12月期末が55,286円、2025年12月期中間期末が58,118円と拡大基調であり、既存顧客の単価は順調に向上している。

一方で、ユニークユーザー数は一部大口顧客の解約などにより、2025年12月期中間期末は571千人と前年同期比横ばい、前四半期末比では15千人減少した。ただし、特にプロダクトリリース時の大口顧客は契約時にディスカウントが発生したケースもあり、今回の解約による業績影響は軽微にとどまった。クライアント数の増加や既存顧客を中心としたアップセルやクロスセルの進展により、解約の影響を吸収しながら収益は順調に拡大している。

また、業界特化型マーケティング施策の進捗も注目される。特に自治体向けでは、2025年12月期中間期に県庁を含む複数案件を獲得し、3Q以降も複数の自治体や教育機関での受注が期待される。自治体市場は業務プロセス効率化や働き方改革などを背景として、グループウェア、電子決済、勤怠管理などの導入余地が大きく、同社にとって中長期的な成長機会が広がっていると考えられる。

(2) 解約率
解約率は既存クライアントの離脱状況を示すKPI指標である。同社は2025年12月期より、解約率をグロスとネットの双方で公表している。グロス解約率は、解約によって失われた売上高の割合を示し、サービスの安定性や顧客の継続率を測るうえで重視される。一方、ネット解約率は、解約による売上減少に加え、既存顧客からのアップセルやクロスセルによる売上増加も加味して算出されるため、既存顧客基盤の売上拡大余地を映し出す指標と言える。

2025年12月期中間期の実績は、グロス解約率が前年同期比0.27ポイント低下の1.08%、ネット解約率が同0.08ポイント低下の0.73%と、ともに改善した。一部大口顧客の解約はあったものの、解約理由の調査やサポート体制の強化などを継続的に行っていることに加え、業務基盤ツールとしての製品特性も寄与し、解約率は安定的に推移している。


バランスシートは安定的、ネットキャッシュが順調に積み上がる

3. 財政状態、キャッシュ・フローの状況
2025年12月期中間期末の資産合計は前期末比271百万円増の3,306百万円となった。主に流動資産が258百万円増加したことによるもので、これは現金及び預金が256百万円増加したことが要因だ。

負債合計は前期末比162百万円増の1,563百万円であった。これは、主に契約負債が148百万円増加したことによるものだ。

純資産合計は前期末比108百万円増の1,742百万円となった。これは、親会社株主に帰属する中間純利益146百万円の計上により、利益剰余金が増加したためである。

2025年12月期中間期の営業活動によるキャッシュ・フローは361百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローは55百万円の支出であり、フリー・キャッシュ・フローは305百万円の収入であった。現金及び現金同等物は前期末比369百万円増加しており、順調に積み上がっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 吉林 拓馬)



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