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室町ケミカル Research Memo(5):2025年5月期は売上高、経常利益で過去最高を更新(2)

*13:05JST 室町ケミカル Research Memo(5):2025年5月期は売上高、経常利益で過去最高を更新(2)
■室町ケミカル<4885>の業績動向

(3) 健康食品事業
健康食品事業の売上高は前期比25.0%増の1,043百万円、営業損失は98百万円(前期は37百万円の損失)と3期連続で損失を計上した。

売上高は、前第3四半期に販売を開始した通販会社向けの大型OEM案件が通年でフル寄与したこと、並びに美容系製品など既存製品の売上も堅調に推移したことが増収要因となった。

売上総利益は、工場稼働率が向上したものの外注加工費等の製造費用が増加したことや、事業撤退の決定に伴い期末に在庫評価減約80百万円を計上したことが響き、同41百万円の減益となった。また、開発費の増加を主因として販管費が同19百万円増加した。

なお、同社は同事業からの撤退を決定した理由として、以下の6点を挙げている。

a) 他事業(医薬品・化学品)において、多数の新たな引き合い(増産・新規)があり、本社工場のキャパシティ(人員・工場/倉庫スペース・給排水設備等)をさらに拡張することが急務となっていること
b) 健康食品事業はOEM品が主力という製品構成上、製造量とタイミングが自社でコントロールできず、製造コストの抜本的な改善が困難であること
c) 新製品の開発の引き合いは増えたものの、多様な開発品目に着手することで、開発・営業コストの増加が見込まれること
d) 価格競争により十分な利益を確保することが困難な市場環境にあること
e) 上記b~dを理由として、健康食品事業の収益改善余地が限られると判断したこと
f) a、eを鑑みて、限られたリソース(人員・製造/物流スペース)を、より資本効率の高い事業(医薬品・化学品)へ振り向けることが、企業価値の向上につながると判断したこと

弊社でも今回の決定は理に適っており、一時的に撤退コストが発生するものの、中長期的に見た企業価値の向上においては、プラスになるものと評価している。既に顧客(OEM委託元)及び仕入先への状況説明を行っており、すべての開発品の開発と新規獲得の営業をストップしている。今後は、契約が残っているOEM品の製造を2026年3月に、販売を同年4月に終了し、同年5月末をもって事業撤退を完了する予定となっている。

同事業の撤退により空いたスペース(工場・倉庫・事務所)を活用して、医薬品・化学品事業における新規案件の立ち上げや既存品の増産を進めるほか、人材についても同事業の従業員25名(2025年5月末)を、医薬品・化学品事業に順次シフトする予定だ。このため、一時的に両事業における人件費負担が増加することになる。


自己資本比率は40%台を維持

3. 財務状況
2025年5月期末の資産合計は前期末比205百万円増加の5,264百万円となった。主な変動要因を見ると、流動資産では売上債権が178百万円減少した一方で、棚卸資産が183百万円増加した。固定資産では有形固定資産が48百万円増加したほか、投資その他資産が40百万円増加した。

負債合計は前期末比24百万円増加の2,812百万円となった。仕入債務が168百万円減少した一方で、運転資金などを目的に有利子負債が211百万円増加した。純資産合計は同180百万円増加の2,451百万円となった。当期純利益241百万円の計上と配当金87百万円の支出により、利益剰余金が153百万円増加したほか、譲渡制限付株式報酬としての自己株式処分により、資本剰余金が7百万円増加し自己株式が8百万円減少した。

経営指標を見ると、経営の安全性を示す自己資本比率は前期末の44.9%から46.6%と1.7ポイント上昇した。同社が中期経営計画(2023年5月期~2025年5月期)において掲げた35%以上という目標を達成したことになる。有利子負債比率は借入金の増加により前期末の63.1%から67.0%に上昇したものの、問題のない水準と弊社では見ている。

収益性については、ROAで8.3%、ROEで10.2%、売上高営業利益率で6.5%とそれぞれ前期から低下した。健康食品事業撤退に伴う一時費用(在庫評価減や減損損失合わせて約1.6億円)を計上したことが主因で、これを除けばROAや売上高営業利益率は前期比で上昇していた。ROEについても中期経営計画で掲げた15%以上という目標値とほぼ同水準だったものと推察される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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