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ジーデップ:AI関連市場の成長を取り込む、株価に2~3倍の余地は変化なし

*09:41JST ジーデップ:AI関連市場の成長を取り込む、株価に2~3倍の余地は変化なし
米半導体最大手エヌビディア(NVIDIA)の国内最上位パートナーであるジーデップ・アドバンス<5885>の業績は、引き続き順調な推移が確認された。AIマーケット拡大の恩恵をストレートに受けるのは同社のような存在であり、もっともAI関連らしい評価を得る可能性がある一方、現状の予想PERは28倍となっており、類似企業比較で上値余地を残すと想定される点にも変化がない。

7月14日に発表された2025年5月通期の決算は、売上高が前期比50.0%増の6,630百万円、営業利益が同26.7%増の839百万円と上方修正後の事前予想を上回り、かつ過去最高額を達成、営業利益は9期連続の増益となった。生成AIに代表される大規模AI開発向けの設備投資需要が業績を牽引、案件規模の大型化や為替の影響、計画的な中途採用による人件費増(従業員数21名→31名)や設備投資などをカバー、大幅増益を達成できている。フロー売上の80%以上(75.7%→82.8%)がリピートオーダーとなってきており、直近の4期連続(毎期)で継続取引をしている顧客は前期比3.0pt増の54.7%と売上高のストック化も進んでいる。

2026年5月期は、2025年5月期の着地を踏まえて見直しを検討中としてきた中期経営計画より上方修正された数値となり、売上高で前期比10.2%増の7,308百万円、営業利益で同11.2%増の934百万円が予想されている。見直し前の中期経営計画は、売上高で6,960百万円、営業利益で775百万円である。中期経営計画の最終年度となる2027年5月期は、売上高8,415百万円、営業利益1,055百万円で据え置かれているが、トップラインの大幅成長により中長期的100億円の突破とAIとビジュアライズソリューションのNo.1カンパニーを目指すことが追記された。現在の市場環境は、生成AI需要の爆発的増加を背景とするGPU計算リソースの強い需要、AI環境の大型化に伴うクラウドの拡大といった追い風が続いており、早期の目標達成も期待される。

同社は、独自性のある製品を展開しており競合は少ない。国内上場企業には、厳密な意味での類似企業は存在しないものの、AI開発の先進ユーザー向けハード、ソフト、ソリューションを提供する類似企業としては、VRAIN Solution<135A>、HPCシステムズ<6597>などがある。特にVRAIN Solutionが増収率、極めて高いROEなどで参考にされる可能性があり、VRAIN SolutionのPER(株価収益率)は、35倍程度で評価されている。その他、同社の主要顧客がAI関連企業ということも鑑みれば、AI企業と同様に規模拡大が進むであろうことが想定でき、同関連と比較されることも十分に考え得る。実際、増収率は遜色ない。ブレインパッド<3655>、PKSHA Technology<3993>、Appier Group<4180>、HEROZ<4382>、エクサウィザーズ<4259>、Ridge-i<5572>、ABEJA<5574>などをピックアップしてみたが、特に利益面で規模感の近いHEROZ、エクサウィザーズ、Ridge-i、ABEJAの平均PERは優に60~100倍。また、同社と協業を発表したRidge-iのそれは65倍に迫る。同社のPERは30倍弱である。投資フェーズで利益成長率が抑制されているものの、営業利益CAGR+20~30%のポテンシャルは十分にあり、現状のPERは許容されよう。最もAI関連らしい成長を見せる企業との認識がさらに広まれば、類似企業と並ぶ形で2~3倍程度の上昇余地があるということになる。

なお、ジーデップ・アドバンスは主にAIを対象としたシステムインキュベーション事業を行う企業である。システムインキュベーション事業とは、主にAIやビジュアライゼーション、ビッグデータを取り扱う研究者や開発者のシステム環境上の課題に対して、最先端テクノロジーを用いたサーバー機や同社オリジナルソリューションなどを提供することにより、今までとは違ったアプローチで研究や開発のスピードアップを支援するサービスである。代表取締役CEOの飯野匡道(いいのただみち)氏が、2007年に米国ネバダ州で開催されたSupercomputing ConferenceでNVIDIA Corporationの製品を知り、小さなカードがパラレルコンピューティングの概念を大きく変える可能性を体感したことがNVIDIAとの取引の契機となり、その後の快進撃のドライバーとなった。

ジーデップ・アドバンスの事業は「システムインキュベーション事業」の単一セグメントだが、「DXサービス」及び「Service & Support」の2つのサービスを提供している。主力の「DXサービス」では、AIソリューションサービスで、AIサービスを開発・運用する顧客を対象として、Deep learningを用いたAIの開発や運用に適した仕様のハードウェア、ソフトウェア、ツールを組み合わせたターンキーシステム(電源を入れたらすぐに使えるシステム)を開発・組立・販売する。またビジュアライズソリューションサービスでは、映像や画像を用いるコンピュータ処理を行う顧客を対象として、CADやCAE、コンピュータグラフィックスの制作やデジタルサイネージで利用するグラフィックワークステーションの組立・販売などを行う。このサービスは売上構成比の96.4%(2025年5月期)を占める。「Service & Support」は、同社が提供するソリューション(ハードウェア、ソフトウェア、構築ノウハウ)に対して、ハードウェアの保守だけではなく継続的な環境のアップデートを通して、常に最新で安定したシステムとして利用するためのオプショナル運用支援サービスを提供する。

ジーデップ・アドバンスは、NVIDIAをはじめとするグローバルプロセッサメーカー4社から認定された高い技術力と、グローバルITベンダーとの連携から生まれる企画力・製品調達力が源泉となり、高い競争優位性を築いている。強み・特徴としては、1)最新テクノロジーと独自のギミックを組み合わせた最適解の提案、2)ソリューション提供形態の多様性、3) Service & Supportによる顧客継続性、4)スモールマス展開を見据えた案件対応、5)他社との差別化を実現する独自のポジショニング、がある。

株主還元としては、配当は重要な株主還元施策として捉えており、毎期配当性向を上げていく方針。







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