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スパークス G Research Memo(9):独自の運用哲学を貫き、運用資産残高の過去最高に挑む

*12:09JST スパークス G Research Memo(9):独自の運用哲学を貫き、運用資産残高の過去最高に挑む
■スパークス・グループ<8739>の中長期成長戦略

中長期の成長戦略として同社は、成長実現のための4本柱として掲げる「日本株式」「OneAsia」「実物資産」「プライベート・エクイティ」の運用資産残高を、過去最高の2兆241億円を早期に達成する目標を掲げている。同時に、新事業領域の育成にも注力する。高い成長性が期待できる「エネルギー(水素を含む)」を成長領域として定め、経営資源を効率的に配分することで、新たな事業領域を育成しながら資本収益性も高める方針だ。4本柱の運用資産残高拡大とROEの向上を追求しながら、中長期的には運用資産残高3兆円の達成をを目指す。

(1) 4本柱の運用資産残高拡大に向けた戦略
(a) 日本株式
同社が高い収益性と専門性を有するオルタナティブ投資戦略の分野において、日本株式ロング・ショート投資戦略や日本株式価値創造投資戦略などを中心とした運用体制の強化及び商品ラインナップの拡充などを進める。これらの戦略は、伝統的なロングオンリー運用と比較して市場環境に左右されにくいことから、海外機関投資家などのニーズを的確に捉え、既存のリレーションシップを生かした営業活動や新たな顧客層へのアプローチを強化することにより、資金流入を促進する。差別化された運用戦略の提供と海外投資家との関係強化を両輪とする戦略により、「日本株式」における運用資産残高の着実な拡大を目指す。

(b) OneAsia
アジア地域の構造的な社会変化と経済成長を的確に捉え、長期的なリターンを追求する戦略を掲げており、引き続きファンド運用の中核となる運用体制を強化する。同社の投資哲学をグローバルレベルで浸透させることにより高品質なリサーチ能力を維持・向上し、継続的に優良な投資機会を発掘して良好なトラックレコードの形成を目指している。投資対象は人口動態の変化、テクノロジーの進展、消費構造の転換などの社会的変化を追い風とする成長企業に重点を置いている。特に、インドやインドネシアなど有望市場に属する企業への投資を積極展開し、基幹ファンドとして育成する。また、顧客基盤の多様化にも取り組んでおり、米国を中心とする海外機関投資家などへのマーケティングを強化し、安定的な資金流入の実現を図る。

(c) 実物資産
再生可能エネルギーへの投資実績が積み上がるなかで、エネルギー領域に対する知見が蓄積されてきている状況である。こうした知見を生かして、太陽光から段階的にバイオマスや蓄電所など開発の重点を移していく方針だ。同時に、グリーン水素や蓄電所など新たな事業のファンド化を推進し、ビジネス化に向けた動きを本格化する方針である。

(d) プライベート・エクイティ
「知能化技術」「ロボティクス」「水素社会実現に資する技術」「電動化」「新素材」「カーボンニュートラル」などの切り口から国内外のベンチャー企業への投資に引き続き注力する。厳選した対象への投資により成功報酬を積み上げ、「プライベート・エクイティ」の収益性をさらに高めていく。また、上場企業2社のTOBを成立させた実績やノウハウを生かし、ファンドを通じたTOBによる運用資産残高の拡大や、再上場時の株式売却による利益の積み上げも積極的に模索していく方針だ。さらに、「未来創生ファンド」及び「日本モノづくり未来ファンド」については、海外投資家からの資金流入を視野に入れており、今後は海外マーケティングの強化にも取り組んでいく。グローバルな資金を呼び込む体制を整備することにより、資金調達力の強化とファンド運用の安定性を高め、プライベート・エクイティ全体の持続的な成長を目指していく。

(e) 新たな領域
「エネルギー(水素を含む)」などを新たな成長領域とし、一定の自己資金やグループ内リソースの範囲で投資をさらに進める方針だ。「エネルギー」では、水素エネルギーを作る、溜める、運ぶ、使うといったサプライチェーン構築の実証実験を積み上げ、具体的なビジネスへと結実させる。また、「スパークス・グリーン蓄電所ファンド」を新たに設立したように、投資対象として蓄電所にも注力する。水素、蓄電所を中心に新しいエネルギー領域を拡げる方針である。

(f) 総括
同社が2026年3月期末までに運用資産残高3兆円を達成するのは、現時点では難しい状況にあると見られる。2025年3月末時点の運用資産残高は約1兆8,720億円であり、目標との差は依然として大きい。過去4年間にわたり、同社は毎期約3,000億円の資金流入を維持してきたものの、好調なファンドパフォーマンスに伴う利益確定売却や投資家のポートフォリオリバランスに起因する解約などにより、流出額も流入額と同程度となった模様である。今後は引き続き運用資産残高の拡大に向けて、運用パフォーマンスが振るわなかった戦略をほかの投資戦略で補完するとともに、継続的な新規顧客の獲得を進め、過去最高の2兆241億円の早期達成を目指す方針である。

また、弊社では「プライベート・エクイティ」及び「実物資産」の運用資産残高が拡大すると予想している。これは既述のとおり、「プライベート・エクイティ」は徹底した企業調査と優れた仮説構築能力により投資家の気付いていない魅力的な投資対象を見つけ出せるためだ。「プライベート・エクイティ」は想定的に収益性が高いことに加えて、魅力的な投資対象を発掘できることから、投資家の資金を順調に集められると弊社は考える。新たに「未来創生4号ファンド」、「日本モノづくり未来2号ファンド」など新規ファンドの設定が予定されており、運用資産残高のさらなる拡大が期待される。「実物資産」に関しては、SDGsや脱炭素の潮流が強まるなか制度面での後押しもあり、太陽光発電、風力発電、蓄電所、水素エネルギーなどへの社会的ニーズがますます高まっていくことが予想され、運用資産残高の拡大が期待される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 吉林拓馬)



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