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昭栄薬品 Research Memo(3):2025年3月期は、天然油脂市況の上昇を受け価格転嫁に努め、増収増益

*11:03JST 昭栄薬品 Research Memo(3):2025年3月期は、天然油脂市況の上昇を受け価格転嫁に努め、増収増益
■昭栄薬品<3537>の業績動向

1. 2025年3月期の業績概要
(1) 損益状況
2025年3月期は、売上高25,012百万円(前期比10.7%増)、営業利益559百万円(同27.1%増)、経常利益757百万円(同16.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益527百万円(同7.2%増)となり、売上高・営業利益・経常利益は過去最高となった。

主力の化学品事業において、主原料である天然油脂価格が下期から上昇基調となり、価格転嫁に努めた結果、販売価格が堅調に推移した。数量ベースでも自動車関連を中心に需要が底堅く、同事業の売上高は前期比11.5%増となり全体の増収に寄与した。

利益面では輸入商材の拡販に努め、円安などの効果もあり、売上総利益率は8.4%(前期は8.4%)と前期並みを確保した。この結果、売上総利益は前期比11.0%増の2,099百万円となり過去最高を更新した。一方で、販管費は人件費の増加を中心に前期比6.1%増となったが、売上総利益の増加率を下回ったことから営業利益も過去最高となった。

(2) 財務状況とキャッシュ・フローの状況
2025年3月期末の財務状況では、流動資産が10,826百万円(前期末比241百万円減)となった。主に現金及び預金が279百万円、受取手形及び売掛金(電子記録債権含む)が20百万円それぞれ減少し、棚卸資産が34百万円増加したことによる。固定資産は6,271百万円(同524百万円増)となった。主に減価償却による有形固定資産の減少4百万円、投資その他の資産の増加529百万円(主に投資有価証券の増加525百万円)による。この結果、資産合計は前期末比282百万円増の17,098百万円となった。

負債合計は8,162百万円(前期末比515百万円減)となった。主に支払手形及び買掛金の減少685百万円、繰延税金負債の増加217百万円による。純資産合計は前期末比798百万円増の8,935百万円となった。主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金が398百万円、その他有価証券評価差額金が309百万円それぞれ増加したことによる。この結果、2025年3月期末の自己資本比率は52.3%(前期末は48.4%)となった。

2025年3月期のキャッシュ・フローの状況は、営業活動によるキャッシュ・フローは171百万円の支出となった。主な収入は税金等調整前当期純利益757百万円、減価償却費12百万円、売上債権の減少51百万円で、主な支出は棚卸資産の増加21百万円、仕入債務の減少699百万円であった。投資活動によるキャッシュ・フローは21百万円の支出となったが、主に投資有価証券の取得による支出20百万円であった。財務活動によるキャッシュ・フローは、129百万円の支出となったが、主な支出は配当金の支払額129百万円であった。この結果、2025年3月期中に現金及び現金同等物は前期末比314百万円減少し、期末残高は1,587百万円となった。

2. 事業セグメント別動向
(1) 化学品事業
化学品事業の売上高は22,872百万円(前期比11.5%増)、セグメント利益は642百万円(同21.1%増)と増収増益となった。売上高は、下期からパーム油の国際相場の上昇傾向を受け、販売価格も上向いた。さらに堅調な国内景気を背景に、自動車関連や繊維油剤関連の主要顧客からの受注が底堅く推移したことから、増収となった。利益面では、国際相場が上昇すると利益率も上がる傾向にあることから、売上総利益率が改善し、セグメント利益も増益となった。

(2) 日用品事業
日用品事業の売上高は799百万円(前期比6.5%増)、セグメント利益は75百万円(同1.6%減)とほぼ前期並みで着地した。一部定番商品(洗浄剤や用途別脱臭剤等)は堅調な売上を見せたものの、全体では物価上昇に伴う買い控えが影響し、売上高は微増に留まった。利益面では、円安や原材料高、包材・物流費などのコスト増により、厳しい事業環境が続いた。販路別では、主力の生協ルートの割合は横ばいであったが、ネット・販売ルートやメーカールートが増加した一方で、量販店ルートやドラッグストアルートの比率が低下した。

(3) 土木建設資材事業
土木建設資材事業の売上高は1,341百万円(前期比1.2%増)、セグメント利益は6百万円(前期は0百万円)となった。土木建設資材(地盤改良工事及びコンクリート補修補強工事)は、東京外かく環状道路のトンネル工事や大阪万博関連の道路工事物件等で回復傾向となり、工事に使用される材料・添加剤等の販売は堅調に推移した。環境関連薬剤の販売は、新規に受注した鉄道の大型トンネル工事物件により好調であった。この結果、セグメント利益は増益となった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)



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