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グリムス Research Memo(1):事業用太陽光発電システム販売と小売電気事業により高成長を持続
2025/07/08 13:01
*13:01JST グリムス Research Memo(1):事業用太陽光発電システム販売と小売電気事業により高成長を持続
■要約
グリムス<3150>は、東京証券取引所(以下、東証)プライム市場に上場し、一般家庭から工場、オフィス等の幅広い顧客を対象に、高圧から低圧まですべての電力種別の領域で、エネルギーに関する幅広い商品・サービスを提供している。設立以来、エネルギーに関する豊富な提案能力を有する営業社員により、顧客のニーズに合った的確なコンサルティングを続けてきたことによる、「豊富な顧客基盤に基づく営業展開力」「他社との差別化による収益力の強さ」「市場環境と成長機会」が同社グループの強みである。エネルギーコストソリューション事業(2026年3月期よりスマートハウスプロジェクト事業と統合してエネルギーソリューション事業に改名)は高成長・高収益モデルを実現し、小売電気事業は安定ストック収益源として規模の拡大を図ることで、高い利益成長を継続し、企業価値の向上を追求している。
1. 2025年3月期の業績概要
2025年3月期の連結業績は、売上高33,340百万円(前期比11.5%増)、営業利益6,500百万円(同24.6%増)、経常利益6,645百万円(同26.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益4,558百万円(同28.7%増)と大幅な増収増益決算となった。期初予想に対しては、売上高は1.9%下回ったものの、営業利益は予想どおりに着地し、いずれも過去最高を更新する好決算だ。セグメント別では、エネルギーコストソリューション事業が電力の自家消費を提案する事業用太陽光発電システムの販売拡大、小売電気事業でも販売量の増加や販売単価の上昇及び調達価格の抑制などが奏功し、好決算をけん引した。自己資本比率は62.3%(前期比2.6ポイント改善)と高水準を維持し、東証プライム市場平均を大きく上回る強固な財務基盤を維持している。同様にROA及びROEもプライム市場平均を大きく上回り、収益性も極めて高い。好決算を背景に従来の配当性向の目安であった30%を2025年3月期より40%に引き上げるとともに、1株当たり年間配当金を期初計画の57円から79円(前期比32円増)に大幅増額し、株主への利益還元にも十分に配慮している。
2. 2026年3月期業績見通し
2026年3月期の連結業績は、売上高35,816百万円(前期比7.4%増)、営業利益7,150百万円(同10.0%増)、経常利益7,195百万円(同8.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益4,865百万円(同6.7%増)と増収増益を予想し、売上高及び営業利益は前期に続き過去最高の更新を目指す。市場環境は高成長が続く見通しだが、例年の3倍の新卒採用を行うなど人材投資の積極化に伴い、従来に比べると低めの増益率予想となっている。例年、期初の業績予想は保守的な傾向が強く、弊社では通期業績は最終的に期初予想を上回る可能性が高いと考えている。当期より事業セグメント区分を従来の3事業から、フロー収益である物販を主軸とする 「エネルギーソリューション事業」と、ストック収益である電力の小売を行う「小売電気事業」の2事業に変更した。エネルギーソリューション事業では、中小企業向けに太陽光発電システムの販売を推進するとともに、蓄電池のクロスセルを強化する。小売電気事業については、安定した収益を見込めるビジネスモデルであるが、契約口数の増加による成長を図る。新たな動きとして、エネルギーソリューション事業では、事業用太陽光発電システムのテレマーケティングにAI画像認識システムを導入し、系統用蓄電池事業への参入を計画するなど、さらなる成長のための布石も打っている。また、1株当たり年間配当金は85円(同6円増)を計画し、引き続き株主還元にも十分に配慮していると評価できる。
■Key Points
・エネルギーに関する幅広い商品・サービスを提供しエネルギーソリューション事業、小売電気事業を展開
・2025年3月期は、大幅な増収増益決算。エネルギーコストソリューション事業と小売電気事業が増益をけん引。財務の健全性が高く、収益性も高い。大幅増配を実施し、株主還元にも積極的
・2026年3月期も、増収増益を予想するが、期初の業績予想は保守的。さらなる成長に向けて、人材投資を積極化。増配を予定し、引き続き株主還元に配慮
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
<HN>
■要約
グリムス<3150>は、東京証券取引所(以下、東証)プライム市場に上場し、一般家庭から工場、オフィス等の幅広い顧客を対象に、高圧から低圧まですべての電力種別の領域で、エネルギーに関する幅広い商品・サービスを提供している。設立以来、エネルギーに関する豊富な提案能力を有する営業社員により、顧客のニーズに合った的確なコンサルティングを続けてきたことによる、「豊富な顧客基盤に基づく営業展開力」「他社との差別化による収益力の強さ」「市場環境と成長機会」が同社グループの強みである。エネルギーコストソリューション事業(2026年3月期よりスマートハウスプロジェクト事業と統合してエネルギーソリューション事業に改名)は高成長・高収益モデルを実現し、小売電気事業は安定ストック収益源として規模の拡大を図ることで、高い利益成長を継続し、企業価値の向上を追求している。
1. 2025年3月期の業績概要
2025年3月期の連結業績は、売上高33,340百万円(前期比11.5%増)、営業利益6,500百万円(同24.6%増)、経常利益6,645百万円(同26.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益4,558百万円(同28.7%増)と大幅な増収増益決算となった。期初予想に対しては、売上高は1.9%下回ったものの、営業利益は予想どおりに着地し、いずれも過去最高を更新する好決算だ。セグメント別では、エネルギーコストソリューション事業が電力の自家消費を提案する事業用太陽光発電システムの販売拡大、小売電気事業でも販売量の増加や販売単価の上昇及び調達価格の抑制などが奏功し、好決算をけん引した。自己資本比率は62.3%(前期比2.6ポイント改善)と高水準を維持し、東証プライム市場平均を大きく上回る強固な財務基盤を維持している。同様にROA及びROEもプライム市場平均を大きく上回り、収益性も極めて高い。好決算を背景に従来の配当性向の目安であった30%を2025年3月期より40%に引き上げるとともに、1株当たり年間配当金を期初計画の57円から79円(前期比32円増)に大幅増額し、株主への利益還元にも十分に配慮している。
2. 2026年3月期業績見通し
2026年3月期の連結業績は、売上高35,816百万円(前期比7.4%増)、営業利益7,150百万円(同10.0%増)、経常利益7,195百万円(同8.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益4,865百万円(同6.7%増)と増収増益を予想し、売上高及び営業利益は前期に続き過去最高の更新を目指す。市場環境は高成長が続く見通しだが、例年の3倍の新卒採用を行うなど人材投資の積極化に伴い、従来に比べると低めの増益率予想となっている。例年、期初の業績予想は保守的な傾向が強く、弊社では通期業績は最終的に期初予想を上回る可能性が高いと考えている。当期より事業セグメント区分を従来の3事業から、フロー収益である物販を主軸とする 「エネルギーソリューション事業」と、ストック収益である電力の小売を行う「小売電気事業」の2事業に変更した。エネルギーソリューション事業では、中小企業向けに太陽光発電システムの販売を推進するとともに、蓄電池のクロスセルを強化する。小売電気事業については、安定した収益を見込めるビジネスモデルであるが、契約口数の増加による成長を図る。新たな動きとして、エネルギーソリューション事業では、事業用太陽光発電システムのテレマーケティングにAI画像認識システムを導入し、系統用蓄電池事業への参入を計画するなど、さらなる成長のための布石も打っている。また、1株当たり年間配当金は85円(同6円増)を計画し、引き続き株主還元にも十分に配慮していると評価できる。
■Key Points
・エネルギーに関する幅広い商品・サービスを提供しエネルギーソリューション事業、小売電気事業を展開
・2025年3月期は、大幅な増収増益決算。エネルギーコストソリューション事業と小売電気事業が増益をけん引。財務の健全性が高く、収益性も高い。大幅増配を実施し、株主還元にも積極的
・2026年3月期も、増収増益を予想するが、期初の業績予想は保守的。さらなる成長に向けて、人材投資を積極化。増配を予定し、引き続き株主還元に配慮
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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