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ドウシシャ:ニッチ市場でNo.1シェアをターゲット、「100億円30事業部構想」を掲げる

*14:13JST ドウシシャ:ニッチ市場でNo.1シェアをターゲット、「100億円30事業部構想」を掲げる
ドウシシャ<7483>は、自社企画による商品開発と、国内外の有名ブランドを活用した卸売事業の双方を展開する商社である。同社の事業は大きく二つのビジネスモデルに分類される。自社で商品を開発・製造・販売まで手掛けるメーカー機能の「開発型ビジネスモデル(以下、開発型)」と、ブランド商品などを仕入れて卸売する商社機能の「卸売型ビジネスモデル(以下、卸売型)」である。2025年3月期における売上高構成比は、開発型が55.9%(売上高63,701百万円)、卸売型が41.3%(同47,034百万円)。開発型では、近年のヒット商品である「ゴリラのハイパワーシリーズ」の生活家電や「evercook」に代表される調理器具などが収益を牽引している。ユニークなネーミングや若年層向けの機能・デザインがSNS上での話題性を高め、ブランド価値を押し上げている点が特徴だ。一方、卸売型では、有名ブランドのバッグ・時計といった高付加価値商品のほか、ギフト関連では中元・歳暮といった定番品に加え、ブランドスイーツや宅配おせちなど新たな需要領域にも注力し、多様化する消費者ニーズに対応している。

同社の競合他社としては、類似の機能を持つ商社や生活関連用品の専門商社である三栄コーポレーション<8119>などが挙げられるが、同社は「開発×卸売」という二軸を併せ持つ点に独自性がある。特に、開発型ではニッチな隙間市場を見つけてヒット商品に育て上げる力が強く、「ふくらはぎをケアする家電」や「底フタを取り外せる水筒」など、独創性と生活者目線に基づく商品が市場で差別化されている。また、卸売型においても、アソート加工・販促支援・売場構築などにより、単なる卸売業ではなく「価値提案型の商社」としての地位を確立している。

2025年3月期の売上高は113,939百万円(前年比7.7%増)、経常利益は9,348百万円(同11.1%増)と、売上高は過去最高を更新した。原材料価格の上昇や円安といった外部環境の逆風があったものの、両セグメントで伸長。開発型は、「ゴリラのひとつかみ」など話題性のある家電商品の販売が好調に推移し、家庭用品では「evercook」のリニューアルや「CORELLE」フライパンの導入、底フタを取り外せる水筒「SOKOMO」など独自性のある商品の伸長が見られた。食品や均一ショップ向け商品の拡販も順調で、生活者ニーズを的確に捉えた商品展開が奏功した。一方、卸売型では、中元・歳暮に加え宅配おせちやブランドスイーツなどのギフト商品の拡大、アウトドアブランド「STANLEY」やスキンケアブランド「EVERYYOU」などの販売が寄与し、堅調な業績となった。カジュアルブランドを中心にインバウンド需要も取り込んでおり、販促力と商品提案力が強みとして発揮されている。

2026年3月期の売上高は120,000百万円(前期比5.3%増)、経常利益は10,000百万円(同7.0%増)を見込んでいる。マクロ環境の不透明感が続く中、開発型のさらなる拡充に加え、卸売型における有名ブランドの拡販、ギフト市場の再構築や通年需要の取り込みを見込む。特に「ゴリラのハイパワーシリーズ」では、市場にはなかった「若年層向けの隙間」を見出し、驚きと楽しさを提供するライフスタイル提案型商品が好評であり、今後は「ゴリラのひとつまみ」(超軽量フライパン)や「ゴリラのひとくち」(超重量級ジョッキ)といった新商品での拡販が期待されている。多種グローバルファッションブランドの時計&ジュエリーを手掛けるMOVADO Group Inc.と日本正規代理店契約を締結するなど積極的な事業の強化を図り、ギフト市場においては、おせちや母の日・父の日など通年のイベントギフトへも領域を拡大。長年築いてきた広範囲の販路網、大ロットでの仕入力、自前の物流インフラといった基盤資産がベースとなっており、底堅い成長が今期も続きそうだ。

同社はニッチ市場でNo.1シェアをターゲットに、1つのビジネス単位を年商100億円とし、これを30の事業部に展開させる「100億円30事業部構想」という大きな目標を掲げている。これを実現するために、同社のモットーである「お客様に『より良い商品をより安く、より専門的に』ご提供できる体制」をさらに構築していく。同社は参入分野を大手メーカーが積極的に手を出しにくく、大手小売業が独自に自社開発・開拓できないマーケットをニッチ市場と考えている。最先端技術を要する分野よりも、成熟しているが価格・デザイン・機能面でまだまだ改革・改善の余地がある分野を対象のひとつと考えている。

株主還元では、2026年3月期以降の配当政策における基本方針を見直しており、今後は「配当性向50%程度」を目安とする方針を新たに掲げた。これは、同社の持続的成長と共に、安定的な配当の継続と株主還元の強化を明確に打ち出すものとなる。この方針に基づき、2026年3月期の配当予想は中間50円、期末50円の通期で100円を予定、配当性向は単体 56.1%、連結 52.4%となる見通しである。PBRが1倍をやや下回る水準で推移する中、配当利回りは4%を超えている。業績の底堅い成長が続く中、「100億円30事業部構想」という大きな目標を掲げる同社の今後の動向には注目しておきたい。



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