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ディーエムソリュ Research Memo(4):ビジネス基盤を生かし、シナジーを発揮する

*11:04JST ディーエムソリュ Research Memo(4):ビジネス基盤を生かし、シナジーを発揮する
■ディーエムソリューションズ<6549>の事業概要

4. アパレル事業
アパレル事業では、子会社のビアトランスポーツが輸入雑貨卸業を展開、無地のTシャツや雑貨、安定した需要のある有名アパレルやスポーツブランドのベーシックなアメリカンカジュアルなどをECで卸売している。実店舗は持たず、国内卸からの注文に従って小ロット多品種の商品を、短納期を強みに航空便でいち早く輸入し、専門のECサイト「anytees.com」を通じて国内事業者に販売している。しかし、こうした商売は効率があまりよくないため、販売体制や経営体制を変革して事業全体の効率化を進めている。なお、アパレル事業とは銘打っているものの、同社は広くEC関連事業として捉えており、同社のダイレクトメール事業とインターネット事業というビジネス基盤を生かして業況拡大を進める。一方、ビアトランスポーツのEC運営や海外商品の取り扱いノウハウ、海外業者とのコネクションなどを自社ECやEC支援などに活用することができ、相互のシナジーは大きいと言える。

同社は、ビアトランスポーツ以前から長く、マヌカハニーの直営の専門ECサイト「BeeMe」を運営している。当初はメディア運営のノウハウを蓄積する目的が大きかったようだが、ノウハウが蓄積された現在、ECサイトとしての存在感の方が大きくなってきたようだ。抗菌力があるマヌカハニーは、ニュージーランドに自生するマヌカの木から採れる希少な蜜で、国内で人気がある一方、まがい物も多く、同社は全商品にマヌカハニーの抗菌成分濃度を表記した分析書を付けて品質を保証している。また、「BeeMe」のほか、入浴剤タブレットなどを販売する「pureLi」やDtoC※カーケアブランドの「RHET.」といった直営ECサイトも運営している。

※ DtoC:企業が企画・製造した商品を直接消費者に販売するビジネス。


リアル×ネットのビジネス基盤を背景に強みのある新規事業を創出

5. 強みと新領域
(1) ダイレクトメール事業の強み
ダイレクトメールの市場規模は3,000億円程度あるが、微減傾向にあると言われている。また、依然として小規模な印刷業者が印刷のついでに郵便の発送を代行していることが多く、大手の同社でさえシェアが数パーセント程度しかないため、近年になってようやく集約化が進み始めたニッチな業界と言える。年賀状や請求書がインターネットの普及などにより減少傾向にあるため、ダイレクトメールも微減傾向にあるが、同社が扱っている商用のダイレクトメールは巷間言われるほどに縮小していないようだ。また、開封率の高さから高単価商材や好景気業種に利用されることが多い。ダイレクトメール市場は魅力的に見えないが、その市場で確保している同社のポジションは強みと言え、同社のダイレクトメール事業が市場のトレンドに反して毎年増収で推移している要因でもある。

そのような業界において、100人の営業スタッフを抱え全国規模で展開している営業力は強みで、発送代行の同業大手でさえ同社ほどに営業スタッフを抱えている企業はない模様である。このため同社は、5,200社近い様々な業種の企業と取引し、数多くの多彩な案件を取り扱っており、結果的に景気に左右されにくい体質を構築した。また、ダイレクトメールの発送で全国屈指のスケールがあるため、ゆうメールなどの発送費において特に強い価格競争力を発揮している。カスタマイズの必要性が多い中小規模の案件をメインターゲットとしているが、こうしたニーズに対して自社デザイナーや商品企画部門による企画やデザインから発送まで、どのプロセスでもワンストップでサービスを提供できることも強みとなっている。フルフィルメントサービスは、成長が続くEC市場のなかで、こうしたDM発送のノウハウを生かしたソリューションや保管~受注~発送まで一貫した管理、受託能力の高いフルフィルメントセンターの運営といった強みを有している。さらに、上場企業の余裕ある資金力を背景に積極的に投資を行えることも強みである。同社のように物流インフラとフルフィルメントサービスを併せ持ち、EC事業者を支援している企業はほかに見当たらない。

(2) インターネット事業の強み
インターネット事業の強みはSEOのノウハウにある。また、SEOノウハウをベースにメディアとデジタルマーケティングの2つを運営している点や、自社内で完結するバーティカルメディア運営、的確なメディア選定によるマーケティング戦略、運用型広告やWebサイト制作の実績も強みとなる。ところで、インターネット事業の課題は、インターネット広告市場の成長は続いているものの進化のスピードが速いうえレッドオーシャン化していること、グーグルにより定期的に行われるアルゴリズム変更への対応が難化していることにある。レッドオーシャン化に対しては、日進月歩で開発される新しい技術を不断に導入することで、同社は優位性を保ち続けることができる。アルゴリズムの変更に対しては、社内スタッフによる対応を継続しアルゴリズムを一層熟知することで、的確な対策や柔軟な対応といったノウハウの形成・蓄積につなげている。

(3) EC関連サービスの強み
このようにダイレクトメール事業とインターネット事業それぞれに強みがあり、そうした多様な強みを重ね合わせたビジネス基盤を背景に展開している自社ECやEC支援などEC関連サービスという新領域も、バックグラウンドの点から強みということができる。このうち、ビジネス基盤を直接生かせる自社ECに関しては、「BeeMe」で直営ECをすでに実験的にスタートしていたが、ビアトランスポーツの子会社化によって拡大に踏み出した。一方、EC支援でも、ビジネス基盤を総合的に活用できる点で、ECソリューションとして唯一無二の強みとなっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)



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