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アクセル Research Memo(3):AI等を社会実装する先進テクノロジー企業へ(2)

*13:03JST アクセル Research Memo(3):AI等を社会実装する先進テクノロジー企業へ(2)
■事業概要

(2) 新規事業関連
「新規事業関連」セグメントとして、機械学習/AI及びブロックチェーン技術(Web3.0)領域をターゲットにした各種ソリューションの提供や開発支援コンサルティング、IPの販売、ミドルウェアソフト「AXIP」シリーズの販売等を行っている。アクセル<6730>がLSI開発販売関連で培ってきたアルゴリズムやハードウェア・ソフトウェア開発といった様々なレイヤーの技術・ノウハウを差別化要素として、顧客の多様なニーズに対応することで新規事業の拡大を進める戦略である。まだ、いずれの領域も売上規模は小さく、先行投資段階の位置付けとなっている。そのほか、医療機器や産業機器などの組込み機器用G-LSIも「新規事業関連」に含まれる。

a) 機械学習/AI領域
機械学習/AI領域では、独自開発したエッジ(端末)推論向けAIフレームワーク「ailia SDK」を中核に展開している。「ailia SDK」の特長は、最新モデルを含めて370種類以上の学習モデルをすぐに活用可能な点、GPUの積極活用により世界最高水準の推論処理スピードを端末で実現可能な点、顧客が望む実行環境に柔軟に対応可能なクロスプラットフォームに対応している点の3点が挙げられる。特に、クロスプラットフォームに対応していることは、開発者にとって使い勝手の良いフレームワークとして評価の高いポイントとなっている。

AIシステムの構築には、「学習(ディープラーニング)」と「推論」の両プロセスが必要となるが、国内では推論領域のコア技術を持つAI事業者が少なく、GoogleやMicrosoftなど海外大手プラットフォーマーのエンジンを利用して、自社のディープラーニング・フレームワークと組み合わせて開発しているケースが多い。同社の「ailia SDK」は、海外大手と同水準の高速処理性能を持っており、ほかのAI開発事業者との差別化要因となる。また、自社で推論フレームワークを持つことで、顧客の要望に応じて柔軟かつ迅速に設計変更を行える点も強みとなる。

事業ドメインとしては、「ailia SDK」の提供や「ailia SDK」をベースとしたAI実装支援サービスなどのAIコンピューティング事業と、2024年2月にリリースしたAIによるDXアプリ「ailia DX Insight」の拡販、並びにAIアプリ開発支援サービスなどのAIアプリケーション事業の2つのビジネスモデルを展開することで収益拡大を目指している。

「ailia DX Insight」とは、AIをパッケージ化し、セキュアな環境で誰でも手軽に企業やチーム内のデータをChatGPTやGeminiに取り込むことを可能としたDXアプリで、WindowsやmacOSのネイティブアプリとして実装している。高精度な音声認識や議事録作成、テキストからの画像検索、OCRなど様々なAI機能を搭載しており、今後もさらに機能の拡充を図る予定である。「ailia DX」の強みは高セキュアな環境構築が可能な点と、「ailia SDK」の開発で培ったノウハウを生かした高速処理性能が挙げられる。特に、後者は生産性向上に直結する部分であり、高セキュアという類似のソリューションを提供する他社アプリに対する優位点になると弊社では考えている。高セキュアな環境構築については、従来企業内の文章をChatGPT等で扱うには、文章をすべてサーバにアップロードする必要があったが、「ailia DX」では企業内の文章をオフラインで情報処理し、検索で見つかった一部の文章だけをサーバにアップロードする仕組みとすることで実現している。またローカルLLM(大規模言語モデル)を使用することも可能で、ユーザーが自社内にローカルLLMのサーバを用意すれば完全セキュアな環境が構築できる。このため、高いレベルでの情報セキュリティ対策が求められる企業や部門での需要が見込まれる。

利用シーンとしては、営業部門やカスタマーサポートセンター、研究開発部門などでの活用が想定される。営業部門などでは、ユーザーからの問い合わせに対して同アプリを活用することで自動応答が可能となり、会議の議事録もAI音声認識機能によって自動的に作成できる。また、研究開発部門では調査や翻訳作業に利用することで生産性の向上が期待できる。

b) ブロックチェーン技術(Web3.0)
同社はブロックチェーン構築に関するコア技術や取引基盤を支えるハードウェア技術、セキュリティ技術(アルゴリズムによる暗号化技術)を持つ。同領域の事業開発を進める企業やノウハウを持つ企業等と協業し、ブロックチェーン技術を基盤とした各種ソリューション及びNFT関連サービスの開発を推進する方針である。

c) ミドルウェア製品(AXIP)
ミドルウェア製品では、主にゲームやアニメ制作市場向けに画像及び音声圧縮技術を中心としたミドルウェア「AXIP」シリーズの開発販売を行っている。業界最高水準のミドルウェアを多機能パッケージとして販売することで付加価値を高めている。企業・アプリごとに固定または売上連動型のロイヤリティ収入を得るビジネスモデルである。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)




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