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アクセル Research Memo(2):AI等を社会実装する先進テクノロジー企業へ(1)

*13:02JST アクセル Research Memo(2):AI等を社会実装する先進テクノロジー企業へ(1)
■事業概要

1. 会社概要
アクセル<6730>は遊技機器に搭載される液晶ディスプレイに画像を映し出すG-LSIで市場シェアの約55%を占めるトップメーカーで、製造は外部に委託し研究開発・販売戦略に特化するファブレスメーカーである。遊技機器では、約80%の業界シェアを占めるコンテンツを格納するメモリモジュール※のほか、LEDドライバ等を手掛けている。また、医療機器や産業機器などの組込み機器向けG-LSIの開発・販売も行っている。

※ 2020年11月に、遊技機器向け次世代メモリの開発販売を目的に富士通デバイス(株)(現 NVデバイス(株))と合弁で設立した子会社のaimRage(株)で手掛けている。

また、遊技機器向けG-LSIの開発で蓄積してきた開発力を生かし、AIソリューション等の新たな事業領域への展開を図るため、2019年5月にax(株)を子会社として設立した(出資比率87.7%)。axでは同年7月にソフトウェア開発を行うbitcraft(株)、同年8月に画像認識・処理技術の開発を行うモーションポートレート(株)を完全子会社化し、のちに吸収合併を行った。(bitcraftは同年10月、モーションポートレートは2020年12月)。

2. 事業セグメント
(1) LSI開発販売関連
「LSI開発販売関連」セグメントでは、遊技機器向けG-LSIのほかメモリモジュールやLEDドライバ等周辺デバイスの開発販売を行っており、2025年3月期の売上高構成比は97.1%を占める。同社の遊技機器向けG-LSIの特長は、比較的廉価なCPUとの組み合わせでも高精細な描画表示ができる点にある。また、画像ロムに格納された圧縮画像データを瞬時に伸長して高速表示するほか、多彩な演出を可能とする各種エフェクト機能も搭載している。遊技機器向けG-LSIについては、このような特定用途に特化した技術が必要となるだけでなく、設計プロセスの微細化、回路規模の大型化により研究開発費が増大する傾向にあるため、参入障壁が高い。競合企業としてはヤマハ<7951>、ディジタルメディアプロフェッショナル<3652>等が挙げられる。

なお、遊技機器向けのG-LSI、メモリモジュールは、リユース(再使用)品が一定規模で使われているため、機器の出荷台数とこれら半導体の需要が必ずしも連動しない点に留意する必要がある。これは遊技機器に搭載される部材が複数回の繰り返し利用にも耐えられる品質となっていることに加えて、遊技機器メーカーがコスト低減や環境問題対応のためにリユース品を使う動きが広まったことが背景にある。遊技機器メーカーは、リサイクル業者を介してパチンコホールから部材を回収し再利用している。リユース率は遊技機器メーカーのコスト低減施策の動向や半導体の世代交代の影響を受けるが、G-LSI及びメモリモジュールともに年間需要の1〜4割がリユース品になっていると推定される。

同社はファブレスメーカーのため、半導体の製造に関してはすべて外部に委託している。G-LSIについては「AG5」まで国内半導体メーカーをメインに製造委託してきたが、現在主力の「AG6」は海外大手ファンドリーメーカーに製造委託している。このため、「AG6」の仕入れについては為替変動の影響を受けることになるが、一部為替の予約を実施しているほか価格改定も適宜実施している。専門のエレクトロニクス商社を通じて遊技機器メーカーに販売しており、2024年3月期の主要顧客別売上構成比では、緑屋電気(株)が51.2%、加賀FEI(株)が27.6%、加賀電子<8154>が12.4%となっており、3社で90%を超えている。

なお、同社は研究開発型のファブレスメーカーであるため、売上高に占める研究開発費率が高いという特徴が2019年3月期まであったが、2020年3月期以降は研究開発費も年間15億円前後の水準で落ち着き、売上比率も10%前後の水準となっている。主因は「AG6」の開発費がピークとなった2019年3月期以降、「AG5」から「AG6」への移行スピードが従来よりも緩やかなペースとなっており、次世代G-LSIの開発が始まっていないためだ。「AG5」に対して「AG6」の消費電力が高いことや高価格であることがネックとなっているようだ。このため、同社は「AG6」の回路設計を見直し低消費電力化とシステムコストの低価格化を実現した「AG6」改良品の販売を2026年3月期から開始する予定となっている。同製品の投入によって移行スピードが加速するものと予想される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)




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