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アジア投資 Research Memo(3):AUMの積み上げはスローな立ち上がりも、今後の拡大に向けた動きが活発化

*11:03JST アジア投資 Research Memo(3):AUMの積み上げはスローな立ち上がりも、今後の拡大に向けた動きが活発化
■主な投資実績等

1. 日本アジア投資<8518>の投資開発事業
予定していたプロジェクト21件(うち、障がい者グループホームは16棟)の売却を実現した一方で、新たに障がい者グループホーム11棟への投資を行った。特に九州地方において地域金融機関との協業による案件開発が順調に進んだようだ。ソーシャルプロジェクトボンド(貸付債権を裏付けとする信託受益権)※を活用したスキームが、社会性(ソーシャル)の高い投資機会を求める機関投資家の資金と、障がい者支援分野の資金ニーズをつなぐ新規性に富んだ取り組みを実現しており、今後も拡大余地の大きな分野として位置付けている。2025年3月期末のプロジェクト数は、メガソーラー発電9件(合計22.2MW)、屋根置型蓄電池付太陽光発電設備4件、バイオマス発電2件、バイオガス発電(オペレーター含む)3件、風力発電1件、障がい者グループホーム18棟、植物工場1件、物流施設4件、その他6件となった。

※ 格付投資情報センターから信用格付(BBB)及びソーシャルボンド・フレームワーク適合に関するセカンドオピニオンを取得した。

一方、中期経営計画で掲げる最終年度(2027年3月期)までにAUMを150億円(新規獲得分)積み上げる目標に対しては、障がい者グループホーム(11棟)への14億円の新規投資にとどまり、初年度はスローな立ち上がりとなった。もっとも、実績のあるパートナーとともに需要が拡大しているデータセンターへの投資計画などが進行中のようであり、1件当たりの規模も大きいことから、今後のドライバーとなりそうだ。

2. 投資運用事業
同社グループが管理運営等を行っているファンドのAUMは、2ファンドの清算終了や1ファンドで減額があった一方、4ファンド(総額1,569百万円)を新規に設立し、2025年3月期末の残高は10ファンド14,130百万円となった。

新規組成した4つのファンドは、1) 同社と共同で事業シナジー創出に取り組む上場及び未上場企業をはじめ、2) 地方創生の好循環に取り組む上場企業等(土産品や小売、観光業界等)、3) 製造業のサプライチェーン関連の上場企業、4) Web3関連の上場企業などを対象としたいわゆるターゲットファンド(あらかじめ投資先を特定したファンド)であり、規模は小さいがユニークなものがそろっている。

一方、中期経営計画で掲げる最終年度(2027年3月期)までにAUMを300億円(新規獲得分)積み上げる目標に対しては、これら4ファンドの合計約15億円にとどまり、こちらもスローな立ち上がりとなった。もっとも、ファンドの増額・新規組成に向けて複数案件が企画進行中である。また、ターゲットファンドで実績を挙げたうえで、規模の大きなブラインドプール型(投資先を特定せずに資金を集め、AM会社が投資判断するファンド)のファンド組成にも着手する考えだ。



■業績見通し
2026年3月期は未上場株式等の売却により、引き続き増収増益を見込む
1. 2026年3月期の業績予想
同社は株式市場等の変動要因による影響が極めて大きく、合理的な業績予想が困難な事業特性であることから業績予想(ファンド連結基準)の公表を行っていない。ただ、2026年3月期については、ある一定の前提をもとに策定した「従来連結基準による見込値」を参考情報として開示している。

「従来連結基準による見込値」によれば、2026年3月期の営業収益を前期比13.9%増の2,450百万円、営業利益を同82.6%増の500百万円、経常利益を同5.0%増の460百万円、親会社株主に帰属する当期純利益を同12.6%増の450百万円と引き続き増収増益となる見通しだ。

前期からの持ち越しとなった未上場株式を含む、国内での複数の未上場株式の売却を見込んでいる。一方、プロジェクトの売却については、物流施設や障がい者グループホームなどの売却を予定しているものの、前期よりも金額・件数は減少する計画となっている。

損益面では、事業拡大に向けた人員増などにより販管費が若干増加するものの、未上場株式の売却益や運営中のプロジェクトの収益改善等により大幅な営業増益を実現する想定だ。

2. 弊社による注目点
弊社でも、2025年3月期からの持ち越しとなった未上場株式の売却には、引き続き一定の不確実性が残るものと見ている。しかしその点を除けば、複数の未上場株式への分散投資や、障がい者グループホームへの投資家ニーズの高さなどを考慮すると、同社の業績見込値は十分に実現可能な前提に基づいていると判断される。

注目すべきは、初年度がスローな立ち上がりとなったAUM・AUAの積み上げに向けた動きである。中期経営計画の最終年度目標の達成に向けて、投資開発事業における新たなデータセンターへの取り組みや、投資運用事業における一定の規模感のあるファンドの組成などがどのように具現化していくかが、今後を占ううえで重要な判断材料となるだろう。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)




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