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RIZAP-G Research Memo(6):店舗品質・顧客満足度向上に注力し、出店ペースを抑制中

*16:06JST RIZAP-G Research Memo(6):店舗品質・顧客満足度向上に注力し、出店ペースを抑制中
■chocoZAPの基本戦略とKPI

1. chocoZAP基本戦略と現在のフェーズ
RIZAPグループ<2928>では、chocoZAP事業のスタートから3年間を、1年目の2023年3月期がブランド開始期、2024年3月期を新規出店加速期、2025年3月期を品質改善向上期と位置付けてきた。その結果として、2025年3月期には、通期での事業黒字化を達成した。2026年3月期は収益構造の再構築期と位置付けており、品質向上の取り組みを継続するとともにFCモデル展開やグローバル展開などの新たな出店モデルを検討する(詳細は後述)。

2. 店舗数と会員数
同社では、chocoZAP事業の進捗を随時開示している。店舗数においては、2022年3月期末に16店舗(テスト店舗)、chocoZAPブランドを本格展開し始めた2022年7月に77店舗、2023年3月期末に479店舗と順調に店舗数を伸ばしてきた。2024年3月期末に1,383店舗となり、月間約75店舗のペースで出店したことになる。2025年3月期は出店ペースを落としているが、2025年5月15日には1,799店舗に達して増え続けている。出店を続けられる背景としては、基本的に無人オペレーションであり、人材投資が伴わないビジネスモデルである点が大きく寄与している。会員数の伸びも伸び率は低下しているものの堅調である。2022年11月には10万人を突破し、2023年3月末に35万人、2023年5月に55万人、2023年11月14日には101万人となり、エニタイムフィットネス(93.5万人、2024年9月末)、カーブス(86万人、2024年11月末)を抜いてフィットネスクラブの会員数で日本一を達成した。この時点で、chocoZAPは国内フィットネス市場会員数上位5社のシェアで30%を超えている。さらに、2024年5月15日時点では120万人、2025年5月15日に135万人と過去1年間で約15万人積み上げた。会員数の順調な成長には、入会数の伸びとともに退会数の抑制が順調に推移していることが寄与している。chocoZAPの退会率は、ブランドを開始した2022年7月を1.00とした時の指数で2025年3月に1.01と抑制できており、顧客満足度が高く、顧客がサービス利用を継続していることが窺い知れる。

今後は、事業モデルを模倣するプレーヤーが現れると予想されるが、無人運営エコシステムを確立していること、導入サービスが多岐にわたっていること、全国1,799店舗というスケールメリットによるコスト競争力などの様々な観点から、集客力や収益性の点でchocoZAPに追い付くのは至難の業だと弊社では考えている。RIZAPのブランドを生かして事業を軌道に乗せ、早期に「ちょいトレ市場」においてデファクトスタンダードを確立したことで、参入障壁を築いたと言えよう。

3. 単月黒字化6ヶ月目の優れた収益モデル
同社では、1店舗を出店してからの平均的な収支を開示している。2022年9月に開示した平均モデルでは、出店から約3ヶ月で単月黒字化し、約18ヶ月で累積投資を回収するというものであった。一般的な店舗ビジネスでは累積投資の回収期間は3~5年を目安にする場合が多く、それと比較すれば、早期回収ができる事業モデルと言える。その後ビジネスモデルの改善を積み重ねており、出店直後の投資(広告、スターターキットなど)や各種サービスを強化することで、単月黒字化が6ヶ月目、累積投資の回収期間が14ヶ月目という平均モデル(2024年3月期第4四半期実績)が最新である。サブスクリプション方式であるため、退会率を一定以内に抑制できれば店舗当たりの会員数を積み上げることで2年目以降の収益性はさらに上がることになる。

既述モデルから、新規店舗(単月黒字化前店舗、出店から5ヶ月目まで)の比率が多いフェーズは損失が先行し、既存店舗(単月黒字化済店舗、出店から6ヶ月目以降)の比率が上がると黒字となる。実際にchocoZAP事業全体の収支は、既存店比率が過半となった後の2023年12月に損益分岐点を超え、月次黒字化を達成した。今後、出店ペースを大幅に加速することは考えにくいため、1店舗当たりの会員数が上限に達するまで利益が積み上がることになろう。なお、同社では2025年3月期上半期に既存店の品質向上への積極投資を実施し、一時的に利益水準を下げたが、巡航軌道に回帰すれば高い収益性を維持できるビジネスモデルと言える。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)



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