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PBシステムズ Research Memo(7):主力事業は大型案件獲得、エモーショナルシステム事業は認知度拡大が進展

*14:07JST PBシステムズ Research Memo(7):主力事業は大型案件獲得、エモーショナルシステム事業は認知度拡大が進展
■ピー・ビーシステムズ<4447>の業績動向

3. 2025年9月期上期のセグメント別業績動向
2025年9月期上期のセグメント別業績は、セキュアクラウドシステム事業の売上高が前年同期比1.6%増の1,131百万円、セグメント利益が同51.9%減の61百万円、エモーショナルシステム事業の売上高が同1.9%減の38百万円、セグメント損益が11百万円の損失(前年同期7百万円の損失)となった。

セキュアクラウドシステム事業では、大型案件として、パートナー企業からの紹介で2011年に受注したプライベートクラウド環境での会計サーバー仮想化のリプレース案件(3回目)と、食品製造業向け基幹システム刷新案件を獲得した。前者は仮想基盤でのインフラに加えバックアップ機能の追加で収益性を向上させた。後者については、仮想基盤を同社が過去に構築した既存取引先で、インフラ構築の技術力が評価されて受注につながった。内容的には、レガシーアプリケーションの更改という「2025年の崖」関連の案件で、システムロジック解析にAIを活用し開発効率化を図っている。ほかにも、既存顧客である半導体、AI企業向けにネットワーク、CPU、サーバーストレージといった各種性能の拡張案件も獲得した。性能向上だけでなく、バックアップソリューションを付加してアップセルするなど、レジリエンスニーズを着実に取り込んでいる。同社の見立てでは、半導体やAI、ゲーム業界を含め市場全体で見ても、本当の意味でシステムのバックアップに実務的な観点から準備ができている企業は依然少ないという(有事を想定したリストアテストをしていない、バックアップの手法自体が旧式等)。足元で新たにリリースした「サイバー忍法帖」では、工程にリストア(復元・復旧)テストも組み込まれており、顧客の関心を引いているようだ。

なお、受注が遅れたことで業績の押し下げ要因となった大型案件は仮想化基盤のリプレース案件で、2025年9月期第3四半期以降に業績反映予定となる。遅延背景は、海外メーカー製品のライセンスの価格改定、販売ルールの改定等の要因が重なったことで、見積もり提出から顧客側の検討から決定までに時間を要したことである。海外メーカーの値上げの動きは足元で一巡感が出ているため、その点に関してはひとまず過度な懸念は不要と言えそうだが、今後はこうした遅延を防止するべく、仮想化基盤で現状ほぼ独占状態のVMware製品からの脱却を進める、ないし複数メーカー製品での提案等の対策を同社としても考えているようだ。

エモーショナルシステム事業については、2024年12月に受注した「あかがねミュージアムの360°シアター上映システム」では観光需要のほか、歴史や文化を継承する教育的側面でも活用が期待されている。提供した新映像システムは、MetaWalkersを要しない顧客施設に既設の360°シアターをリニューアルした案件で、MetaAnywhereのアイディアにつながったきっかけとなっている。同施設ではクラスター(株)によるメタバース施設を展開しており、同社の新映像システム導入によりメタバース環境をさらに高度化して施設活用を促す。今案件により、同社は旧式映像からメタバースコンテンツを新たに組み立てるというリニューアルスキームを獲得した。今後は同スキームを生かし、メタバース環境導入経験のある自治体等公共団体施設のリニューアルタイミングを捉え、営業範囲を拡大する展望もある。

また、2025年9月期上期はMetaWalkers機能強化に力を入れた。GPUに従来のCPU処理を分散したことで、360°映写に従来およそ5台のハードウェアが必要だったが1台まで減らすことに成功した。これにより、必要設備投資額の低減と省スペース化、消費エネルギーの縮小を実現した。当然ながら、従来よりさらに高精細な画像を提供可能としており、その結果、顧客評価は高まった。実際、2025年1月末から2月頭に沖縄県名護市が主催したスマートシティイベント「TSUNAGU CITY 2025 in NAGO」のほか、同2月に沖縄セルラー電話<9436>が開催した「2025沖縄セルラー感謝祭」などに採用され、認知度の拡大とともに引き合いにも大手企業の増加という変化が見られてきているもよう。ただし、売上高としては伸び悩んでいる状態が継続しているため、引き続きそうした豊富なリードの案件化が求められる。

受注残については、セキュアクラウドシステム事業において前年同期比6.0%減の662百万円となった。SaaS事業者向けシトリックス製品による設備更改案件のほか、金融機関向けIaaS基盤環境構築案件、そして先に述べた開発期間4年にわたる「2025年の崖」関連の食品製造業向け基幹システム刷新案件が主な要素である。なお、2025年9月期上期決算発表直前に2案件受注した結果、決算説明会時点の受注残は880百万円となることが明かされている点は安心感につながろう。双方とも大型案件で、1つは小売業向け高性能ハードウェア販売、もう1つは首都圏新規顧客への大型PC販売案件である。前者は前述の開発期間4年の「2025年の崖」関連の食品製造業基幹システム案件に絡んだもので、後者は同社と関係が深化しつつあるデル・テクノロジーズ(株)からの紹介である。デル・テクノロジーズとは長期的に良好な関係を築いており、同案件のように紹介を受けることも増えてきているようだ。

(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)



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