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ティア Research Memo(3):明瞭な価格体系と独自の質の高いサービスの源泉となる人財育成システムを構築

*14:33JST ティア Research Memo(3):明瞭な価格体系と独自の質の高いサービスの源泉となる人財育成システムを構築
■ティア<2485>の事業概要

4. 同社の特徴と強み
(1) 同社の特徴
同社の最大の特徴は、「葬儀価格の完全開示化」と「適正な葬儀費用の提示」を行い、旧来の葬儀社の慣習を打ち破り、明瞭な価格体系を構築し、葬儀費用を明確化した点にある。このため、葬儀単価については全国平均と比較すると約3割低い水準で推移している。ここ数年の傾向として、核家族化の進行や高齢者の独居率上昇など生活スタイルの変化、低価格戦略を展開する葬儀社の台頭などを背景に、「一般葬儀」から「家族葬」へのシフトが進み、葬儀単価も全体的に低下傾向が続いてきた。特に、2020年3月以降はコロナ禍を契機に、葬儀規模を縮小する動きが一段と強まり、同社のみならず業界全体の平均単価が大きく下落した。しかし、2023年夏以降はコロナ禍の収束とともに参列者数が回復傾向に転じ、物価の上昇も相まって葬儀単価も緩やかながら回復基調となっている。同社の2025年9月期中間期におけるグループ直営店の平均単価は、前年同期比5.8%増の90.3万円に上昇した。平均単価の高い八光殿(103.8万円)や東海典礼(115.2万円)をグループ化した効果で3.6%押し上げたが、「ティア」直営店も同2.2%増の85.8万円と上昇傾向を維持している。単価の伸びが小幅に留まったのは、低価格プラン「ティアシンプル」の構成比が件数ベースで上昇したことが一因と見られる。

出店戦略では、ドミナント出店を基本方針とし、会館同士の相互補完性を高めながら効率的な認知度向上と営業エリアの拡大を図っている。1会館当たりの商圏は直径3km、稼働率は約9割を目安としている。会館の基本フォーマットは、建坪150~200坪(平屋1階建て~2階建て)、収容人員100~150人の式場1室に会食ルーム、親族控室を併設したタイプで、最近は規模に応じて間仕切り可能な構造への改修を進めている。設備投資額は150~200百万円、投資回収期間は9~10年が目安となっている。

ただ、最近は家族葬専用ホールの出店が主流である。基本フォーマットは建坪60坪(平屋1階建て)、収容人員30人規模の式場1室と会食ルーム、親族控室を併設したタイプで、既存ホールの商圏の隙間を埋める形で出店を進めている。設備投資額は70百万円、投資回収期間は9年を目安としている。

そのほか、2016年9月期以降、東京23区内において式場設備を持たない葬儀相談サロンを9店舗展開してきたが、2024年9月末時点でそのうち7店舗を閉鎖した。東京23区内では葬儀単価が全国平均を下回る水準で、火葬場に併設された貸式場が多く、地価や賃料も高いことから、同社は貸式場を活用してサロン形式で出店してきた。しかし、ここ数年で民営火葬場の利用料が高騰するなどの市場がやや混乱しており、費用対効果の面からも戦略の見直しが必要となった。当面は2023年に家族葬ホールで出店した青梅市を中心に、郊外でのドミナント出店を進めていく。

(2) 同社の強み
同社の強みは、独自の人財教育システム「ティアアカデミー」にある。「ティアアカデミー」では、新卒入社の新人社員に対して入社後6ヶ月間にわたり社会人としての基礎研修、セレモニーディレクターとしての実務教育※、さらに徳育的観点から「命」や「心」に関する教育を行っている。現場配属後もOJTに加えて、3ヶ月に1度の社長セミナーを実施し、「究極のサービス業」という認識を深め、「ご遺族に対して最高のおもてなし」により「感動」を与えられる人財を育成している。

※ 葬儀の依頼を受ける際の「打ち合わせ」、通夜・葬儀の際の会場設営、ロールプレイング、OJTによる施行立会い。

また、葬儀の専門人財「マスターセレモニーディレクター」の育成プログラムや、社員のスキルに応じた最適な人財配置を行うため等級別に7段階で評価する社内検定試験「ティア検定」を導入している。さらに、会館運営や経営を担う次世代リーダーを育成するための研修も整備している。こうした人財教育システムは、同社の競争力を支える質の高いサービスの源泉となっている。なお、人財育成体制を支える施設として、教育専用施設「ティア・ヒューマンリソース・センター」を本社隣接地に設置し、短期間で多数の人財を育成する体制を整えた。これにより、新規出店への対応力を高めるとともに、葬儀業に対する理解を深めることで、社員の定着率の向上にもつながっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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