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リソル Research Memo(7):2026年3月期もインバウンド需要を取り込みホテル運営事業がけん引する見通し

*13:07JST リソル Research Memo(7):2026年3月期もインバウンド需要を取り込みホテル運営事業がけん引する見通し
■リソルホールディングス<5261>の業績動向

3. 2026年3月期の業績見通し
2026年3月期について、同社は売上高30,000百万円(前期比5.6%増)、営業利益3,000百万円(同11.9%増)、経常利益2,800百万円(同9.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,050百万円(同5.1%増)を見込んでいる。中長期のインバウンド観光客数は4,000万人超が見込まれ、2030年には日本政府が目標に掲げる6,000万人に達する可能性が高まっており、事業環境は良好といえる。こうした環境下において、同社は独自の強みを生かし、運営事業におけるインバウンド需要の取り込みを加速するとともに、新たな価値創造とブランド力の強化によって新規の事業も拡大を目指す。

さらに、財務の健全性を意識しながら、戦略的なM&Aによるゴルフ場の取得、計画的なホテルの出店、多様化する宿泊への対応、海外進出の検討など、事業拡大を継続的に進める考えである。事業規模の拡大に伴う人材確保と育成も重要な課題と考えており、採用と人材開発体制の強化のほか、女性や若手の登用を進める計画である。一方で、オペレーションの共通化やDXの推進により、業務効率の改善や省人化の実現を図る。また、エネルギーや原材料価格の高騰には、仕入れの統一化や、ソーラーカーポートを活用した自家消費型太陽光発電の活用などにより対応する方針である。

セグメント別の見通しは次のとおりである。

ホテル運営事業では、2ケタを超える増収増益を見込む。“ツーリストホテル”という独自ポジションにこだわり、情報発信を通じてブランド力を強化し、他社との差別化を図る。特に、本格始動した「サービスコーディネーター」の各施設への配置を進め、コンシェルジュサービスを強化するとともに、ターゲットや地域特性に応じた館内装飾や館内イベントなど顧客体験を向上させる企画を実施し、顧客満足度の向上やリピーターの増加、インバウンド需要の獲得に努める。さらに、オウンドメディアや法人向け販売の強化によって直販比率を引き上げて会員再購買比率を向上するほか、データを活用した需要予測などレベニューマネジメントも取り入れ、利益の最大化を図る。

ゴルフ運営事業では、コストを考慮し売上高、セグメント利益ともに横ばいを目指す。夏場の利用者減の対策として全コースでクーラー付きカートの導入とフェアウェイ乗り入れ、暖地型芝への転換などによるコースメンテナンスの強化、接客サービスの向上や施設の改修などを推進し、オフピークの稼働率平準化と収益力を強化し、会員権販売を拡大する。また、将来的な国内プレーヤー人口の減少を見据え、外国語対応などインバウンド集客体制の整備や、シニアとレディース向けティグラウンドの改善などを進める。フェアウェイフロントヴィラ事業では、ワンランク上の高級リゾートとして、ゴルファーはもちろん観光を目的としたツーリスト層への対応を進める。

リソルの森事業では、「Dear Wan Spa Garden」の通期寄与もあり、増収増益を見込んでいる。ゴルフ部門において、コース品質のさらなる改善による顧客満足度の向上のほか、東アジア近隣諸国を中心にゴルフ&ステイのインバウンドゴルファーの獲得強化を目指す。リゾート部門では、企業研修やスポーツ団体の受注強化、体験プログラムやスポーツ関連プログラムによる集客強化、飲食や土産、会議室といった各種プログラムに付帯する売上の伸長を図る。不動産では、ゴルフバケーションクラブ会員権の販売を強化する。

福利厚生事業では、売上高、セグメント利益ともに横ばいを目指す。キャンペーンや専用アプリにより会員企業の利用を促進し、JRとのセットプランやゴルフ場予約ポータルサイトとの連携、大手金融機関との販売連携などにより、新規契約数、受注金額、送客手数料の向上を目指す。

再生エネルギー事業では地産地消型を含め新たな太陽光発電設備の開発、投資再生事業では海外を含め新たな運営施設の取得を進めるが、両事業とも売上、利益への貢献は大きくならない見込みである。


中期的な取り組みとして、各セグメントで事業拡大を目指す

4. 中期的な取り組み
中期的な取り組みとして、ホテル運営事業では、“物語のあるホテル”をコンセプトに、女性やインバウンド観光客を含むツーリスト層に選ばれる施設づくりを進めている。具体的には、美味で健康志向の食事、手厚いサービスの提供、体験価値の創出に注力するほか、中長期滞在者に向けた新たな仕様やサービスの導入を進めることで、「リソルホテルズ」の“ツーリストホテル”としてのブランド価値をより一層強化する方針である。また、オーナーチェンジによる中古ホテルや海外ホテルなど新規運営施設の開拓を積極化する計画である。海外ホテルを含め案件は既にいくつか検討しているもようだ。

ゴルフ運営事業では、質の高いゴルフ場のM&Aを引き続き推進し、「大熱海国際ゴルフクラブ」ほかフェアウェイフロントヴィラの拡大やインバウンドゴルファーの受入体制整備により、プレーヤーの獲得や会員権販売の強化を図る。その実現に向け、規模の拡大に合わせた人員体制の整備・充実や、生産性の向上を図る。

リソルの森事業では、「グランヴォー スパ ヴィレッジ」の拡大に向けて、ケヤキガーデン内での新棟建設を計画しており、また「真名カントリークラブ」周辺ではフェアウェイフロントヴィラの開発を進めている。運営部門の売上拡大に加え、新規事業の積み重ねにより収益基盤の安定化を目指す。

福利厚生事業では、競合他社との差別化要素である独自プランや大手金融機関との連携を生かし、新規顧客の獲得を強化する。働く人のワークライフバランスも支援し、将来的に業界モデルの変革を見据えた事業展開を推進する。

再生エネルギー事業では、「地球にやさしい」サステナビリティの実践を掲げ、グループが運営するゴルフ場でのソーラーカーポート事業の拡大を目指す。投資再生事業では、運営事業の拡大に向けてホテルやゴルフ場など新施設の取得に注力する一方で、ヴィラ建設によるリゾート型再生や一部既存ゴルフ場を含むゴルフ場の再生可能エネルギー用地への転用、海外におけるホテルやゴルフ場など運営施設の取得なども進める方針である。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)



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