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No.1 Research Memo(4):顧客基盤の拡大やラインナップの拡充とともに、業績は順調に拡大

*15:04JST No.1 Research Memo(4):顧客基盤の拡大やラインナップの拡充とともに、業績は順調に拡大
■業績推移

No.1<3562>のこれまでの業績を振り返ると、売上高は顧客基盤の拡大やラインナップの拡充とともに右肩上がりに増加してきた※。特に情報セキュリティ機器を手掛けるアレクソンを子会社化し、シナジー創出に取り組んだ2021年2月期から増収率が高くなっている。利益面でも、付加価値の高い自社企画商材の伸びやストック型収益が拡大し、2024年2月期の営業(及び経常)利益は過去最高水準(6期連続)を更新した。営業利益率も上昇傾向にある。ただ、2025年2月期は成長加速に向けた先行費用の積極投入(人的投資やM&A関連費用等)により減益となった。

※ 2023年2月期も収益認識基準の適用による影響を除くと実績的な増収。

財務面でも、自己資本比率は40~50%の水準で推移する一方、資本効率を示すROEも常に10%以上を確保しており、同社の財務基盤は安全性及び効率性の両面において良好と言える。

また、キャッシュ・フローも潤沢である。大型のM&Aを実施した2021年2月期を除くと、投資活動によるキャッシュ・フローの支出額は営業活動によるキャッシュ・フローの収入額の範囲内に収まっており、現金及び現金同等物の期末残高は20億円~30億円の水準を確保している。潤沢な手元流動性は、M&Aを含む今後の成長投資の原動力になるとの見方ができる。



■決算概要

2025年2月期は増収減益ながら計画を上回る着地。成長加速に向けた先行費用を積極投入

1. 2025年2月期決算の概要
2025年2月期の連結業績は、売上高が前期比5.6%増の14,209百万円、営業利益が同15.4%減の1,039百万円、経常利益が同14.8%減の1,036百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同35.2%減の574百万円と増収ながら減益となった。ただ、売上高、各段階利益ともに期初予想を上回る着地となっている。

売上高は、DXの進展を背景に情報セキュリティ機器の販売が順調に拡大した。また、注力する「No.1ビジネスサポート」の積み上げや2024年6月にグループインしたOZ MODEの連結効果も上乗せ要因となった。なお、「No.1ビジネスサポート」については、保有契約数が5,070件(前期末比347件増)、平均顧客単価も12,400円(前期比1,500円増)と順調に伸びている。それに伴って、ストック売上も前期比15.3%増の2,241百万円に拡大し、売上高全体に占める構成比も15.8%(前期は14.5%)に上昇した。

利益面では、期初計画どおり、人的資本経営に基づく人件費の増加やM&Aに係るDD費用等など先行費用を積極投入したことにより営業減益となった。営業利益率も7.3%(前期は9.1%)に低下した。

財務面では、OZ MODEの連結化等に伴って総資産が前期末比7.5%増の8,706百万円に増加した。一方、自己資本は利益準備金の積み増しや自己株式の減少※等により同18.9%増の4,459百万円に拡大し、自己資本比率は51.2%(前期末は46.3%)に改善した。

※ OZ MODEのM&A(株式交換方式)に伴うもの。

2. 2025年2月期の総括
2025年2月期を総括すると、ここ数年の業績をけん引してきた情報セキュリティ機器の販売や「No.1ビジネスサポート」が引き続き好調であることや、ストック売上が順調に積み上がっていることは評価すべきポイントである。一方、利益面では、人的投資やM&A関連費用など先行費用が増加したものの想定内であり、むしろ計画どおりに費用が投入できているか、そして期待どおりの投資効果を発現できるかどうかが重要なポイントと言えるだろう。その点では、相次ぐM&Aの実現や業務提携の締結などを含め、今後に向けた成長基盤の強化を着実に進めており、中期経営計画「Evolution2027」で掲げた重点戦略(人的資本強化や事業領域拡大、収益構造の安定化等)の遂行に向けて、順調なスタートを切ることができたと評価できる。



■主なトピックス

M&Aや業務提携の実現により事業領域の拡大及び事業基盤の強化に取り組む

同社は、2025年2月期の上期にSES事業※・ソフトウェア開発受託を手掛けるOZ MODEとアイ・ティ・エンジニアリングを子会社化し、中期経営計画「Evolution2027」の重点戦略に沿った「新たな事業領域」への投資を行った。さらには、電話、複合機、PC販売及びリース、通信コンサルティング事業を行うS.I.Tを子会社化(2024年10月)し、東北エリアへの進出の足掛かりを築くなど、相次ぐM&Aや業務提携を実現した。下期においても、以下のような成果をあげることができた。

※ System Engineering Serviceの略称。ITエンジニアが主にクライアント先に常駐し、クライアントが手掛けるソフトウェアやシステムの開発・保守・運用プロジェクト等に労働力を提供するサービスのこと。

1. ソフトウェア受託開発を手掛けるコードの子会社化
2025年3月にソフトウェア開発を手掛けるコードを子会社化した(取得価額は550百万円)。同社グループの新事業領域であるシステム開発・ソフトウェア開発事業(SES含む)の拡大・強化に狙いがある。コードは官公庁と強い関係性を築いており、安定した受注基盤を有する。特に地方自治体の実際の業務内容への理解・知識・経験に加え、言語(COBOL中心)に対する知識など、同業他社にはないノウハウを持っている。既にグループインしているOZ MODE、アイ・ティ・エンジニアリングと連携し、外注していたシステム開発の内製化によるコスト削減に加え、デジタル人財の育成及び相互補完などグループの力を積極的に活用し、新事業領域の拡大を目指す。

2. 特許技術を有するclosipとの業務提携契約及び資本提携契約の締結
2025年1月に特許技術「LTE over IP(R)」※1を持つ(株)closipと業務提携契約及び資本提携契約を締結した。情報セキュリティ及びIT分野におけるシナジー創出に狙いがあり、同社及び子会社アレクソンが共同でclosipが発行する転換社債型新株予約権付社債を引き受けた※2。早速、第一弾として、アレクソン製のNASサーバーに特許技術「LTE over IP(R)」を搭載した製品を開発し、2025年2月より販売を開始した。

※1 「LTE over IP(R)」は、携帯電話の認証技術を応用した特許技術を持つ認証セキュリティシステムである。デバイスを選ぶことなく、ほぼすべての通信機器に搭載可能であり、セキュアにインターネットへのアクセスができる。上場企業などの大手企業をはじめ、官公庁を中心に導入されており、2024年12月末で90社以上、46,000ユーザー以上の利用実績を誇る。
※2 額面金額は0.25億円で、そのうちアレクソンが0.12億円を引き受ける。満期は2年後、潜在株式数は47,000株、行使期間は2年間となっている。潜在株式を考慮した同社グループの持分比率は約50.2%となる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)



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