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ワコム Research Memo(2):デジタルペンとインクの事業領域で顧客価値の創造を目指すグローバルリーダー
2025/06/11 13:32
*13:32JST ワコム Research Memo(2):デジタルペンとインクの事業領域で顧客価値の創造を目指すグローバルリーダー
■事業概要
ワコム<6727>は、デジタルペンとインクの事業領域で、技術に基づいた顧客価値の創造を目指すグローバルリーダーである。世界150以上の国と地域で製品を販売し、プロ向け製品は映画制作や工業デザインのスタジオで働くデザイナー、アニメーターなどのクリエイターから広く支持されている。これにより、高いブランド認知度とグローバルな市場シェアを持つ。また「テクノロジー・リーダーシップ・カンパニー」として、最新のデジタルペン技術をスマートフォンやタブレット・ノートPC、デジタル文具などを通じてパートナー企業に提供している。これと並行して、教育産業のパートナーとの共創をはじめとした新たな事業領域の構築にも取り組んでいる。
足元では、自社ブランドにおいて、エントリーゾーンの他カテゴリー(iPad等)への需要のシフトや中低価格帯モデルでの中国メーカーとの競争といった課題に直面している。一方で、新たなデジタル技術(VR/XR、AI等)や通信環境(モバイル、クラウド、5G等)の進展に伴うユーザーニーズやワークフローの進化、オンライン教育やテレワークの普及など、市場環境が大きく変化している。こうしたなかで、ポータブル製品を中心としたラインナップの再構築や事業モデルのさらなる進化により、新たな成長機会の創出に取り組んでいる。
事業セグメントは、従来、スマートフォンやタブレット・ノートPCなど完成品メーカー向けに独自のデジタルペン技術をコンポーネントとして供給する「テクノロジーソリューション事業」と、自社ブランドで「ディスプレイ製品」や「ペンタブレット製品」等を販売する「ブランド製品事業」の2つに区分されていたが、新中期経営計画「Wacom Chapter 4」期間中に、新設予定の「Partner & Co-creation Unit(パートナー&共創ユニット)」も加えて、「Inking Experience Support Group(インキングエクスペリエンスサポートグループ)」に集約される方向が示されている。
為替相場の変動が業績に及ぼす影響(円高の場合、マイナス影響※1)については、「テクノロジーソリューション事業」(販売地域は日本として区分)では主に米ドル建てによる売上の取引価格が決められ、「ブランド製品事業」の海外販売比率(海外現地法人売上の比率)では約82%※2を占めていることに注意が必要である。
※1 「テクノロジーソリューション事業」は米ドル円の変動がセグメント損益へ影響し、「ブランド製品事業」は主にユーロ円の変動がセグメント損益へ影響する。
※2 2025年3月期は「ブランド製品事業」の売上高の30.5%が米国、27.0%が欧州(ドイツ)、24.5%がアジア・オセアニア、18.0%が日本となった。
開発拠点については、デジタルインクやセキュリティ関連のソフトウェア開発(欧州中心)を除くとほぼ国内に集約する一方、生産については複数の海外パートナー(多くが中国本土に生産拠点を有する日系、台湾系資本の受託生産大手企業)に委託している。ただ、サプライチェーンの地域集中リスク緩和の観点から、ベトナム拠点をはじめ周辺の東南アジア地域等へ生産拠点の分散を進めている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
<HN>
■事業概要
ワコム<6727>は、デジタルペンとインクの事業領域で、技術に基づいた顧客価値の創造を目指すグローバルリーダーである。世界150以上の国と地域で製品を販売し、プロ向け製品は映画制作や工業デザインのスタジオで働くデザイナー、アニメーターなどのクリエイターから広く支持されている。これにより、高いブランド認知度とグローバルな市場シェアを持つ。また「テクノロジー・リーダーシップ・カンパニー」として、最新のデジタルペン技術をスマートフォンやタブレット・ノートPC、デジタル文具などを通じてパートナー企業に提供している。これと並行して、教育産業のパートナーとの共創をはじめとした新たな事業領域の構築にも取り組んでいる。
足元では、自社ブランドにおいて、エントリーゾーンの他カテゴリー(iPad等)への需要のシフトや中低価格帯モデルでの中国メーカーとの競争といった課題に直面している。一方で、新たなデジタル技術(VR/XR、AI等)や通信環境(モバイル、クラウド、5G等)の進展に伴うユーザーニーズやワークフローの進化、オンライン教育やテレワークの普及など、市場環境が大きく変化している。こうしたなかで、ポータブル製品を中心としたラインナップの再構築や事業モデルのさらなる進化により、新たな成長機会の創出に取り組んでいる。
事業セグメントは、従来、スマートフォンやタブレット・ノートPCなど完成品メーカー向けに独自のデジタルペン技術をコンポーネントとして供給する「テクノロジーソリューション事業」と、自社ブランドで「ディスプレイ製品」や「ペンタブレット製品」等を販売する「ブランド製品事業」の2つに区分されていたが、新中期経営計画「Wacom Chapter 4」期間中に、新設予定の「Partner & Co-creation Unit(パートナー&共創ユニット)」も加えて、「Inking Experience Support Group(インキングエクスペリエンスサポートグループ)」に集約される方向が示されている。
為替相場の変動が業績に及ぼす影響(円高の場合、マイナス影響※1)については、「テクノロジーソリューション事業」(販売地域は日本として区分)では主に米ドル建てによる売上の取引価格が決められ、「ブランド製品事業」の海外販売比率(海外現地法人売上の比率)では約82%※2を占めていることに注意が必要である。
※1 「テクノロジーソリューション事業」は米ドル円の変動がセグメント損益へ影響し、「ブランド製品事業」は主にユーロ円の変動がセグメント損益へ影響する。
※2 2025年3月期は「ブランド製品事業」の売上高の30.5%が米国、27.0%が欧州(ドイツ)、24.5%がアジア・オセアニア、18.0%が日本となった。
開発拠点については、デジタルインクやセキュリティ関連のソフトウェア開発(欧州中心)を除くとほぼ国内に集約する一方、生産については複数の海外パートナー(多くが中国本土に生産拠点を有する日系、台湾系資本の受託生産大手企業)に委託している。ただ、サプライチェーンの地域集中リスク緩和の観点から、ベトナム拠点をはじめ周辺の東南アジア地域等へ生産拠点の分散を進めている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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