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共立メンテナンス:顧客満足度重視、ドーミーイン・寮が好調で連続増収増益、株主還元も充実
2025/06/11 10:44
*10:44JST 共立メンテナンス:顧客満足度重視、ドーミーイン・寮が好調で連続増収増益、株主還元も充実
共立メンテナンス<9616>は1979年に設立され、東証プライム市場に上場している。「顧客第一を会社の心とする」という経営理念のもと、「食と住のサービスを通じ、広く社会の発展に寄与する」ことを掲げて事業を展開している。主力事業は、学生寮・社員寮などを運営する「寮事業」、ビジネスホテルの「ドーミーイン事業」、リゾート型宿泊施設の「リゾート事業」の3つである。これに加えて、寮やホテルの管理・修繕を行う「総合ビルマネジメント事業」や、高齢者向け住宅を提供する「シニアライフ事業」がある。売上構成比は、ドーミーイン事業が約3割で最も大きく、寮事業とリゾート事業がそれぞれ約2割を占める。営業利益では、ドーミーイン事業が全体の約6割、寮事業が2割を占める収益構造である。
寮事業では、全国29都道府県で526棟・約45千室を展開しており、毎期1000~1500室のペースで拡大している。全体室数の65%が首都圏に集中するが、地方の国公立大学周辺にも展開している。約1300校の学校や企業との提携を通じて、「オフィシャル寮」として紹介され、稼働率は97%を超える。住み込みの寮長・寮母がいる安心・安全な生活環境と、手造りで質の高い食事が提供されるサービスのよさが特徴である。
ドーミーイン事業は、社員寮のような解放感のある大浴場や美味しい食事を出張時のホテルでも利用できないかという、寮利用者の要望を聞き入れてスタートし、現在では全国に95棟・約17千室を展開している。寮事業と同様、顧客満足度を重視しており、一般的なビジネスホテルではなく、シティホテルをベンチマークしている。温泉・サウナや質の高い食事、「夜鳴きそば」などのユニークなサービスが名物である。今後は、和風旅館タイプの「野乃」シリーズやロードサイド立地の「エクスプレス」シリーズを重点的に出店する方針である。
2024年2月には大和ハウス工業<1925>からコスモスイニシア<8844>の株式を25.05%取得し、3社間で業務提携を結んだ。これにより、用地情報の共有、不動産開発力の相互活用、協働開発などのシナジーが期待されている。
2025年3月期は、売上高228,933百万円(前期比12.2%増)、営業利益20,491百万円(同22.6%増)、当期純利益14,562百万円(同17.3%増)となり、売上・利益とも2期連続で過去最高売を更新した。一部の施設で大規模リニューアルに伴う減収減益の影響はあったが、寮事業・ホテル事業とも新規開業による室数の増加と価格の適正化により、全体として増収増益となった。さらに、コスモスイニシアの持分法による投資利益1,331百万円を計上(前期は5,025百万円計上)した。
2026年3月期は、売上高274,000百万円(前期比19.7%増)、営業利益25,000百万円(同22.0%増)、当期純利益18,000百万円(同23.6%増)の増収増益を予想している。国内外の宿泊需要が底堅く推移するなかで、寮事業では既に12棟・1,364室を開業し、ドーミーイン事業では4棟637室、リゾート事業では2棟・306室の新規開業を予定している。
2024年3月期にスタートした5ヶ年の中期経営計画「Rise Up Plan 2028」では、売上高2,800億円、営業利益280億円を目標に掲げ、新規開発による室数の増加と販売価格の適正化により、売上高平均成長率10%・営業利益平均成長30%を目指している。5年間で総額2,400億円の成長投資を計画している。寮は50,000室(2025年3月比11.1%増)、ドーミーインは20,000室(同22.0%増)リゾートは5,500室(同31.0%増)への拡大を見込み、DX(デジタルトランスフォーメーション)の活用により、自社サイトでの予約比率を40%(同17.5ポイント上昇)、自動精算機普及率を100%(同60ポイント上昇)とする計画である。
なお、中期経営計画の中では、創立50周年の節目となる2030年に目指す姿として、「For The Next Future 3&3&3(トリプルスリー)」を掲げ、目標として売上高3,000億円、営業利益300億円を示した。
成長戦略としては、日本国内の新規出店に加え、海外展開と大和ハウス工業・コスモスイニシアとのシナジー創出が挙げられる。
海外事業は、現状、韓国にドーミーインホテルを出店しているが、北米を中心にリサーチを進めている。
株主還元については、安定的かつ継続的な増配を目指すことを基本方針としつつ、配当性向20%以上を目標に掲げている。2025年3月期の年間配当額は38円に増配し(2024年3月期比13.5円、55.1%増)、配当性向は20.4%であった。また2026年3月期は年間46円への増配(前期比8円、21.1%増、配当性向は20.0%)を予定している。成長投資と株主還元のバランスを取りつつ、中長期的には、更なる株主還元を視野に入れている。株主優待については、2025年3月期に金額・利便性ともに拡充した。個人投資家の要望に応えたものであるが、とりわけ個人株主との対話を重視する同社の姿勢がうかがえる。
<HM>
共立メンテナンス<9616>は1979年に設立され、東証プライム市場に上場している。「顧客第一を会社の心とする」という経営理念のもと、「食と住のサービスを通じ、広く社会の発展に寄与する」ことを掲げて事業を展開している。主力事業は、学生寮・社員寮などを運営する「寮事業」、ビジネスホテルの「ドーミーイン事業」、リゾート型宿泊施設の「リゾート事業」の3つである。これに加えて、寮やホテルの管理・修繕を行う「総合ビルマネジメント事業」や、高齢者向け住宅を提供する「シニアライフ事業」がある。売上構成比は、ドーミーイン事業が約3割で最も大きく、寮事業とリゾート事業がそれぞれ約2割を占める。営業利益では、ドーミーイン事業が全体の約6割、寮事業が2割を占める収益構造である。
寮事業では、全国29都道府県で526棟・約45千室を展開しており、毎期1000~1500室のペースで拡大している。全体室数の65%が首都圏に集中するが、地方の国公立大学周辺にも展開している。約1300校の学校や企業との提携を通じて、「オフィシャル寮」として紹介され、稼働率は97%を超える。住み込みの寮長・寮母がいる安心・安全な生活環境と、手造りで質の高い食事が提供されるサービスのよさが特徴である。
ドーミーイン事業は、社員寮のような解放感のある大浴場や美味しい食事を出張時のホテルでも利用できないかという、寮利用者の要望を聞き入れてスタートし、現在では全国に95棟・約17千室を展開している。寮事業と同様、顧客満足度を重視しており、一般的なビジネスホテルではなく、シティホテルをベンチマークしている。温泉・サウナや質の高い食事、「夜鳴きそば」などのユニークなサービスが名物である。今後は、和風旅館タイプの「野乃」シリーズやロードサイド立地の「エクスプレス」シリーズを重点的に出店する方針である。
2024年2月には大和ハウス工業<1925>からコスモスイニシア<8844>の株式を25.05%取得し、3社間で業務提携を結んだ。これにより、用地情報の共有、不動産開発力の相互活用、協働開発などのシナジーが期待されている。
2025年3月期は、売上高228,933百万円(前期比12.2%増)、営業利益20,491百万円(同22.6%増)、当期純利益14,562百万円(同17.3%増)となり、売上・利益とも2期連続で過去最高売を更新した。一部の施設で大規模リニューアルに伴う減収減益の影響はあったが、寮事業・ホテル事業とも新規開業による室数の増加と価格の適正化により、全体として増収増益となった。さらに、コスモスイニシアの持分法による投資利益1,331百万円を計上(前期は5,025百万円計上)した。
2026年3月期は、売上高274,000百万円(前期比19.7%増)、営業利益25,000百万円(同22.0%増)、当期純利益18,000百万円(同23.6%増)の増収増益を予想している。国内外の宿泊需要が底堅く推移するなかで、寮事業では既に12棟・1,364室を開業し、ドーミーイン事業では4棟637室、リゾート事業では2棟・306室の新規開業を予定している。
2024年3月期にスタートした5ヶ年の中期経営計画「Rise Up Plan 2028」では、売上高2,800億円、営業利益280億円を目標に掲げ、新規開発による室数の増加と販売価格の適正化により、売上高平均成長率10%・営業利益平均成長30%を目指している。5年間で総額2,400億円の成長投資を計画している。寮は50,000室(2025年3月比11.1%増)、ドーミーインは20,000室(同22.0%増)リゾートは5,500室(同31.0%増)への拡大を見込み、DX(デジタルトランスフォーメーション)の活用により、自社サイトでの予約比率を40%(同17.5ポイント上昇)、自動精算機普及率を100%(同60ポイント上昇)とする計画である。
なお、中期経営計画の中では、創立50周年の節目となる2030年に目指す姿として、「For The Next Future 3&3&3(トリプルスリー)」を掲げ、目標として売上高3,000億円、営業利益300億円を示した。
成長戦略としては、日本国内の新規出店に加え、海外展開と大和ハウス工業・コスモスイニシアとのシナジー創出が挙げられる。
海外事業は、現状、韓国にドーミーインホテルを出店しているが、北米を中心にリサーチを進めている。
株主還元については、安定的かつ継続的な増配を目指すことを基本方針としつつ、配当性向20%以上を目標に掲げている。2025年3月期の年間配当額は38円に増配し(2024年3月期比13.5円、55.1%増)、配当性向は20.4%であった。また2026年3月期は年間46円への増配(前期比8円、21.1%増、配当性向は20.0%)を予定している。成長投資と株主還元のバランスを取りつつ、中長期的には、更なる株主還元を視野に入れている。株主優待については、2025年3月期に金額・利便性ともに拡充した。個人投資家の要望に応えたものであるが、とりわけ個人株主との対話を重視する同社の姿勢がうかがえる。
<HM>




