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オカムラ食品工業:養殖から加工・販売まで垂直統合、需要旺盛で参入障壁高い中で独自のポジションを確立した成長企業

*13:58JST オカムラ食品工業:養殖から加工・販売まで垂直統合、需要旺盛で参入障壁高い中で独自のポジションを確立した成長企業
オカムラ食品工業<2938>は1971年に青森県で設立され、2023年に東証スタンダード市場へ上場を果たした。企業理念として「海の恵みを絶やすことなく世界中の人々に届け続ける。」を掲げ、生食用サーモンの大規模養殖から加工・販売までを一気通貫で手がける垂直統合型ビジネスモデルを展開している。このモデルにより、サプライチェーン全体を自社で統制できる体制を構築しており、安定供給やカスタマイズ対応、柔軟な加工体制といった顧客ニーズに高いレベルで応えることが可能となっている。
養殖事業は、国内では青森県、海外ではデンマークにて展開している。当社売上の80%以上がサーモン関連製品によって構成されており、事業セグメント別の売上高構成比は「養殖」16%、「国内加工」23%、「海外加工」34%、「海外卸売」27%となっている。各部門がそれぞれ独立しながらも密接に連携しており、高いシナジーを発揮している。
生食用サーモン市場では、日本食ブームの世界的広がりを背景に、今後も継続的かつ拡大的な需要超過が見込まれている。これまでノルウェーやチリといった養殖大国が供給を支えてきたが、これらの国では養殖適地の開発余地が限られつつあり、供給拡大に制約が生じている。一方、日本国内においては海面養殖に必要な区画漁業権の取得が難しいうえ、大規模養殖を行うための先進的技術の導入が不可欠なため、参入障壁は極めて高い業界といえる。こうした中で、同社は既に国内で十分な漁業権を確保しているほか、デンマーク子会社からの技術移転により、スケールメリットのある養殖を行っている。同社は、単なる水産加工会社ではなく、極めてユニークかつ高ポテンシャルなポジションを確立している。

2024年6月期の売上高は32,665百万円(前期比12.9%増)、営業利益は2,548百万円(同20.0%減)、当期純利益は1,968百万円(同17.6%減)となった。養殖、海外加工、海外卸売の各事業が順調に推移して増収となった。一方で、魚卵相場が調整局面に入り、販売価格の低下により利益率が低下したほか、海外卸売事業においてヒト・モノへの集中投資により販管費が増加し減益となった。
2025年6月期第3四半期は、売上高が25,329百万円(前年同期比10.9%増)、営業利益が2,233百万円(同22.0%増)、当期純利益が1,588百万円(同15.6%増)と増収増益基調で推移している。
養殖事業は魚卵販売価格の上昇や販売数量の増加により堅調に推移。国内加工は魚卵原料価格上昇によって一時的に利益率が低下したが、価格転嫁を進めたことで改善傾向にある。海外加工では「ハラス」の需給ギャップが拡大したことで販売単価が上昇し、利益率が向上した。海外卸売はアジアを中心に売上が堅調に伸びている。
2025年6月期通期では、売上高で36,119百万円(前期比10.6%増)、営業利益で3,212百万円(同26.1%増)、当期利益で2,093百万円(同6.4%増)を予想している。

同社は2030年を見据えた中期経営目標として、国内養殖量12,000トン、海外卸売事業売上高250億円、2030年6月期の売上高620億円、営業利益で72億円を掲げている。2025年の国内養殖量は3,500トン(前年比30.0%増)に達する見込みであり、計画は順調に進捗している。国内では既に十分な漁業権を確保しており、今後もさらなる増枠余地を残している。このため、目標達成に向けた課題は陸上での中間養殖施設のキャパシティ増強としているが、現在、秋田県泊川中間養殖場の建設を進めており、加えて青森県今別町でも用地を取得して建設計画が進行中である。
一方、北欧においては、デンマーク子会社を起点として、新たな養殖適地への展開も視野に入れている。養殖ライセンス取得の難易度は高いものの、環境との共生を重視した持続可能な拡大戦略を描き、既に一部の地域で展開余地が確認されている状況である。

株主還元については、株主資本配当率(DOE)2%以上を基準に安定配当を維持しつつ、業績に応じた増配を目指す方針である。2025年6月期は年間配当38円を予定しており、2024年の34円から増配となっている。また、株主優待についても、知名度向上というPR効果・ブランディングの一環として有効に活用していく姿勢を示している。




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