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ノイルイミューン Research Memo(4):最優先パイプラインのNIB103をコアとする新たな事業戦略が始動

*15:34JST ノイルイミューン Research Memo(4):最優先パイプラインのNIB103をコアとする新たな事業戦略が始動
■ノイルイミューン・バイオテック<4893>の事業活動の進捗

1. 2024年12月期の主な事業活動
2024年12月期の主な事業活動については以下のとおりである。

1) タカラバイオとの業務提携
2024年9月には、同社のNIB103開発にあたり、タカラバイオは同製品の将来性を高く評価し、製造面で協力することで業務提携することとなった。業務提携の役割と範囲としては、タカラバイオはNIB103の治験用製品及び上市後の商業用製品の製造を独占的に担当すると同時に、治験用製品の製造費用を負担する。一方、同社は、日本国内におけるNIB103の製造を除く開発業務及び上市後の販売を独占的に担当し、それらに関連する費用を負担する。なお、海外におけるNIB103の開発・製造・販売に関するすべての権利は引き続き同社が独占的に所有することとしている。

2) 東京大学との核酸送達用ポリマー化合物に関するオプション契約締結
同社では、次世代のin vivo CAR-T技術の研究に取り組んでいる。東京大学の特定の遺伝子などの核酸送達のためのナノポリマー技術と同社のPRIME CAR-T技術を組み合わせ、生体内でCAR-Tを作り出すin vivo CAR-Tの研究を推進している。2025年2月にはオプション契約の締結により、同社では核酸送達用ポリマー化合物技術に関するオプション権を取得する。その対価として東京大学へ契約一時金を支払う。


開発パイプラインのポートフォフォリオ戦略の策定と推進

2. 開発パイプラインの動向
(1) 開発パイプラインの全容
開発パイプラインには、自社開発パイプラインと他社との共同パイプラインの2タイプのパイプラインがある。

自社開発パイプラインはNIBシリーズの5製品が、共同パイプラインは4製品が登録されている。そのうち、臨床試験段階(PhaseI)には、NIB101、NIB102、NIB103の3品目が進んでいる。

同社では開発パイプラインのポートフォリオ戦略を策定しているが、固形がんに対するPRIME CAR-T細胞治療法のコアとなるNIB103を最優先開発パイプラインに決定し(「新たな事業戦略」2024年6月発表)、開発リソースの重点集中により、可能な限り早期にPRIME CAR-T細胞のPhaseIの臨床データ取得を目指す。一方で、自社開発と並行してライセンスアウト活動も進める。

(2) 開発パイプラインの進捗状況
【自社開発パイプライン NIB101~105】
1) NIB103の進捗状況と今後の見通し
7年前、NIB102及びNIB103は開発早期の段階で武田薬品へライセンスアウトされ、武田薬品主導で第I相臨床試験が開始された。同試験では登録症例数が限定的であり、有効性及び安全性に関する確定的な解釈はできないものの、明らかに治療によると考えられる腫瘍縮小効果が観察された。その後、NIB103の権利は武田薬品から同社に返還されることとなったが、その背景について同社に確認したところ、NIB103自体の有効性や安全性に基づいた判断ではなく、武田薬品の事業戦略上、免疫細胞療法開発ポートフォリオの他家細胞療法への戦略的シフトという経営判断が下されたとのことだった。

2024年6月には、武田薬品からのデータ移管が完了したことを受け、自社パイプラインの評価・検討を行い、NIB103を最優先開発品として選定した。同年9月には、タカラバイオとのNIB103の共同開発に関する業務提携を締結し、開発・製造の準備が整ったと言える。2025年上期には、いよいよ同社自らが主導する第I相臨床試験に向け、治験届の提出を進める予定である。最優先で自社開発を推進し、早期にPhaseIの臨床データ取得に注力するが、自社開発と並行してライセンスアウト先も模索しながら、可能な限り迅速に申請・承認(2028年〜2031年)を目指していく。

2) 第I相臨床試験段階にあるNIB101、NIB102の進捗状況
NIB102の第I相臨床試験結果は良好で、安全性については管理可能な安全性プロファイル(DLTs、ICANSなし)が確認でき、有効性についても抗腫瘍活性の早期サインを示し開発の方向性が確認できた。また、NIB101並びにNIB102は現在、パートナー(製薬企業や創薬バイオベンチャーなど)を模索している。特にNIB102については、固形がんの動物モデルにおいてPRIME CAR-TとPD-1阻害剤との相乗的な抗腫瘍効果を示していることから、NIB102と免疫チェックポイント阻害剤との併用の治療可能性も視野にパートナリング活動中である。

3) 非臨床試験段階にあるNIB104、NIB105の進捗状況
NIB104は現在、非臨床開発を進めており、医師主導第I相臨床試験を検討中である。NIB105は、第I相臨床試験開始に向けて、基礎研究を実施中である。

【他社との共同パイプライン】
1) 非臨床試験段階にあるADAP01、AUTL01の進捗状況
PRIME技術は、それぞれAdaptimmune、Autolusへ技術供与され、相手先の開発パイプライン(ADAP01及びAUTL01)において進められている。開発は主に相手先の開発力に依存する形となるが、契約時のアップフロント収入に加え、開発が進捗すれば開発マイルストン収入が得られる見込みである。

2) 基礎研究段階のパイプラインの進捗状況
PRIME技術は中外製薬<4519>に対しても技術提供されているが、開発パイプラインの進捗状況は非公開となっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司)



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