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株式会社ヘリオス×著名投資家はっしゃん氏対談動画文字起こし(7)
2025/05/22 12:07
*12:07JST 株式会社ヘリオス×著名投資家はっしゃん氏対談動画文字起こし(7)
ヘリオス<4593>
■ヘリオス 鍵本様
ありがとうございます。ご指摘の点については、私自身もまったく同じ気持ちを抱いております。
私は創業者であり、かつ大株主でもありますので、資金調達のたびに「やりたくない」と駄々をこねながら経営判断をしているというのが実情です。その中で、どうしても資金調達が必要な局面において、「これ以上は無理だ」というギリギリの条件であれば、やむを得ずワラントを受け入れてきました。
ただ、今回のワラントに関して申し上げますと、いわゆる「ムービング・ストライク(転換価格変動型)」のものではなく、固定価格のものとなっております。
しかも現在の株価水準ではすでに「イン・ザ・マネー(行使価格を上回る状態)」になっておりますので、市場においても、このワラントはすでに株価に織り込まれていると認識しています。そういった意味では、現時点で過度なご心配をいただく必要はないと思っていますし、この約52億円分のワラントについては、「これがラストファイナンスになる」という強い意志で取り組み、しっかり黒字化させていきます。
●はっしゃん
ラストファイナンスということで。やっぱり、そういうお気持ちをお持ちでいらっしゃるところが、まさに「創業経営者」らしいと感じます。投資家としても、目線が近いことをあらためて実感しました。
■ヘリオス 鍵本様
そうなんです。我々としては「必要なファイナンス」以外は一切行っていません。そして、調達先についても、常に慎重に相手を選んできました。
この点はぜひ強調しておきたいのですが、前回我々が資金調達を行った際に、割当先の一つとなったのが「Orbimed(オービーメッド)」というファンドです。ご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、Orbimedは世界最大のバイオテック専門ファンドであり、グローバルでも非常に高い評価を得ている投資家です。
それだけ我々の取り組み、そして会社の可能性が、米国の機関投資家からも評価されたということだと考えています。
特に彼らが評価しているのは、最大の医薬品市場である米国において、グローバル第3相試験がこれから本格的に始まるという点です。対象疾患であるARDS(急性呼吸窮迫症候群)は、現時点で明確な競合が存在しない分野です。その中で、我々がすでに得ている臨床データとしては、「本来であれば100人が亡くなる重症患者群において、当社の薬を投与した結果、39名の命が救われた」という明確な結果が出ています。そんなデータは今までないわけです。
こうしたデータに基づく第3相試験が始まろうとしているにもかかわらず、我々の時価総額は、米国の投資家から見れば「非常に小さな水準」に映っていたようです。米国のバイオ企業と比較しても、「このフェーズの企業がこんなに小さいのか」と。米国のファンドが、国境を越えて日本のバイオベンチャーに出資するというのは、非常に珍しいことです。それでも、リスクを乗り越えて投資していただけたのは、当社の割安感、爆発的な成長性をしっかりと見極めていただけたからだと思っています。
さらにその後、フィデリティをはじめとする著名な長期投資家が、市場で当社株式を取得したという事実も開示されています。こうして、欧米の有力機関投資家が、当社株式に本格的に動き出しているというのが、今の状況です。
●はっしゃん
よくわかりました。ありがとうございます。
■ヘリオス 鍵本様
続いてご説明するのが、本丸であるARDS(急性呼吸窮迫症候群)の売上見通しについてです。
まず、日本においては「条件・期限付き承認」を目指しています。この承認が得られれば、国内での販売が本格的に開始され、着実に売上が立ってくると見込んでいます。さらに、売上という観点では、米国市場における展開が大きなインパクトを持っています。現在、グローバル第3相試験が準備段階にあり、この試験において「中間解析(インタリムアナリシス)」が実施される予定です。
現時点でのスケジュールでは、全体の治験人数が500名程度となる見込みで、その中の中間時点、たとえば300名〜400名に到達した段階で、薬剤の効果がどの程度出ているかを一度解析します。この中間解析の結果が良好であれば、その段階でいわゆる「メガファーマ(大手製薬企業)」とのライセンス契約や提携が成立する可能性も十分にあります。その場合、まとまった一時金なども入ってくると想定しています。
つまり、この図にあるように、開発にかかるコストと、資金の流入タイミングを照らし合わせながら、会社の資金計画を設計しているということです。株価が物語っていますが、一旦“底打ち”し、徐々に改善の兆しが出てきています。さらに、ARDSの承認方針が固まったことで、市場としては「次に脳梗塞がどうなるか」を見極めようとしているフェーズに入りつつあります。このように、当社は今、ひとつの底を打ち、回復基調に入ったタイミングにあると捉えています。
今年、当社が取り組むべき主要なタスクです。
まず、ARDS治療薬について、日本国内での「条件・期限付き承認申請」を確実に行うことです。
また、米国を中心とした巨大市場に向けた「グローバル第3相試験の開始」です。
この薬は日本での承認に向かっているものですから、米国における臨床試験でも十分な成功の可能性があると考えています。この試験は、まだ効果があるかどうかを探っている段階ではなく、すでに効果があることを認識したうえで、「同様の結果がアメリカでも出るかどうか」を確認しに行くフェーズに入っています。ですから、これは“右か左か分からない”ような不確実な挑戦ではなく、きちんと見通しの立ったプロジェクトです。
そして、次に大きな注目点となるのが「脳梗塞」の治療薬です。こちらも、すでにさまざまなガイダンスが出ており、「条件・期限付き承認」に至る可能性が高まってきています。
現在、規制当局との合意形成を進めている段階ですが、この合意が得られるかどうかが、今年の最大の山場の1つになると見ています。
足元のキャッシュという観点では、先ほどご説明したワラントの行使による資金調達も当然重要な柱ですが、あくまで本業からの収益創出が中核にあります。当社の主力である薬品事業に加え、培養上清液の本格出荷・売上計上がいよいよ始まります。これによって、月次ベースでの黒字化、あるいはそれに非常に近い水準の収支改善が期待できる見通しです。
●はっしゃん
もし黒字化できれば、かなりインパクトになりそうですね。
■ヘリオス 鍵本様
そうですね。やはり日本の投資家の皆様、そしてこの国の投資環境の特性として、「たとえバイオ企業であっても黒字化が見えていないと、なかなか評価されにくい」という現実があると思っています。そうした特性を十分に理解したうえで、それにしっかりと対応していくという意味でも、培養上清液の事業は今後、当社として注力すべき重要な柱だと考えています。
それでは、肺炎の治療薬についてご説明します。これまでにもいろいろとお話ししてまいりましたので、ポイントを簡潔にお伝えします。
株式会社ヘリオス×著名投資家はっしゃん氏対談動画文字起こし(8)に続く
<MY>
ヘリオス<4593>
■ヘリオス 鍵本様
ありがとうございます。ご指摘の点については、私自身もまったく同じ気持ちを抱いております。
私は創業者であり、かつ大株主でもありますので、資金調達のたびに「やりたくない」と駄々をこねながら経営判断をしているというのが実情です。その中で、どうしても資金調達が必要な局面において、「これ以上は無理だ」というギリギリの条件であれば、やむを得ずワラントを受け入れてきました。
ただ、今回のワラントに関して申し上げますと、いわゆる「ムービング・ストライク(転換価格変動型)」のものではなく、固定価格のものとなっております。
しかも現在の株価水準ではすでに「イン・ザ・マネー(行使価格を上回る状態)」になっておりますので、市場においても、このワラントはすでに株価に織り込まれていると認識しています。そういった意味では、現時点で過度なご心配をいただく必要はないと思っていますし、この約52億円分のワラントについては、「これがラストファイナンスになる」という強い意志で取り組み、しっかり黒字化させていきます。
●はっしゃん
ラストファイナンスということで。やっぱり、そういうお気持ちをお持ちでいらっしゃるところが、まさに「創業経営者」らしいと感じます。投資家としても、目線が近いことをあらためて実感しました。
■ヘリオス 鍵本様
そうなんです。我々としては「必要なファイナンス」以外は一切行っていません。そして、調達先についても、常に慎重に相手を選んできました。
この点はぜひ強調しておきたいのですが、前回我々が資金調達を行った際に、割当先の一つとなったのが「Orbimed(オービーメッド)」というファンドです。ご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、Orbimedは世界最大のバイオテック専門ファンドであり、グローバルでも非常に高い評価を得ている投資家です。
それだけ我々の取り組み、そして会社の可能性が、米国の機関投資家からも評価されたということだと考えています。
特に彼らが評価しているのは、最大の医薬品市場である米国において、グローバル第3相試験がこれから本格的に始まるという点です。対象疾患であるARDS(急性呼吸窮迫症候群)は、現時点で明確な競合が存在しない分野です。その中で、我々がすでに得ている臨床データとしては、「本来であれば100人が亡くなる重症患者群において、当社の薬を投与した結果、39名の命が救われた」という明確な結果が出ています。そんなデータは今までないわけです。
こうしたデータに基づく第3相試験が始まろうとしているにもかかわらず、我々の時価総額は、米国の投資家から見れば「非常に小さな水準」に映っていたようです。米国のバイオ企業と比較しても、「このフェーズの企業がこんなに小さいのか」と。米国のファンドが、国境を越えて日本のバイオベンチャーに出資するというのは、非常に珍しいことです。それでも、リスクを乗り越えて投資していただけたのは、当社の割安感、爆発的な成長性をしっかりと見極めていただけたからだと思っています。
さらにその後、フィデリティをはじめとする著名な長期投資家が、市場で当社株式を取得したという事実も開示されています。こうして、欧米の有力機関投資家が、当社株式に本格的に動き出しているというのが、今の状況です。
●はっしゃん
よくわかりました。ありがとうございます。
■ヘリオス 鍵本様
続いてご説明するのが、本丸であるARDS(急性呼吸窮迫症候群)の売上見通しについてです。
まず、日本においては「条件・期限付き承認」を目指しています。この承認が得られれば、国内での販売が本格的に開始され、着実に売上が立ってくると見込んでいます。さらに、売上という観点では、米国市場における展開が大きなインパクトを持っています。現在、グローバル第3相試験が準備段階にあり、この試験において「中間解析(インタリムアナリシス)」が実施される予定です。
現時点でのスケジュールでは、全体の治験人数が500名程度となる見込みで、その中の中間時点、たとえば300名〜400名に到達した段階で、薬剤の効果がどの程度出ているかを一度解析します。この中間解析の結果が良好であれば、その段階でいわゆる「メガファーマ(大手製薬企業)」とのライセンス契約や提携が成立する可能性も十分にあります。その場合、まとまった一時金なども入ってくると想定しています。
つまり、この図にあるように、開発にかかるコストと、資金の流入タイミングを照らし合わせながら、会社の資金計画を設計しているということです。株価が物語っていますが、一旦“底打ち”し、徐々に改善の兆しが出てきています。さらに、ARDSの承認方針が固まったことで、市場としては「次に脳梗塞がどうなるか」を見極めようとしているフェーズに入りつつあります。このように、当社は今、ひとつの底を打ち、回復基調に入ったタイミングにあると捉えています。
今年、当社が取り組むべき主要なタスクです。
まず、ARDS治療薬について、日本国内での「条件・期限付き承認申請」を確実に行うことです。
また、米国を中心とした巨大市場に向けた「グローバル第3相試験の開始」です。
この薬は日本での承認に向かっているものですから、米国における臨床試験でも十分な成功の可能性があると考えています。この試験は、まだ効果があるかどうかを探っている段階ではなく、すでに効果があることを認識したうえで、「同様の結果がアメリカでも出るかどうか」を確認しに行くフェーズに入っています。ですから、これは“右か左か分からない”ような不確実な挑戦ではなく、きちんと見通しの立ったプロジェクトです。
そして、次に大きな注目点となるのが「脳梗塞」の治療薬です。こちらも、すでにさまざまなガイダンスが出ており、「条件・期限付き承認」に至る可能性が高まってきています。
現在、規制当局との合意形成を進めている段階ですが、この合意が得られるかどうかが、今年の最大の山場の1つになると見ています。
足元のキャッシュという観点では、先ほどご説明したワラントの行使による資金調達も当然重要な柱ですが、あくまで本業からの収益創出が中核にあります。当社の主力である薬品事業に加え、培養上清液の本格出荷・売上計上がいよいよ始まります。これによって、月次ベースでの黒字化、あるいはそれに非常に近い水準の収支改善が期待できる見通しです。
●はっしゃん
もし黒字化できれば、かなりインパクトになりそうですね。
■ヘリオス 鍵本様
そうですね。やはり日本の投資家の皆様、そしてこの国の投資環境の特性として、「たとえバイオ企業であっても黒字化が見えていないと、なかなか評価されにくい」という現実があると思っています。そうした特性を十分に理解したうえで、それにしっかりと対応していくという意味でも、培養上清液の事業は今後、当社として注力すべき重要な柱だと考えています。
それでは、肺炎の治療薬についてご説明します。これまでにもいろいろとお話ししてまいりましたので、ポイントを簡潔にお伝えします。
株式会社ヘリオス×著名投資家はっしゃん氏対談動画文字起こし(8)に続く
<MY>




