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トレジャー・ファクトリー:今期も増収増益見通し、引き続き店舗拡大に注目

*09:30JST トレジャー・ファクトリー:今期も増収増益見通し、引き続き店舗拡大に注目
トレジャー・ファクトリー<3093>は、総合リユースと専門業態を組み合わせた多店舗展開を推進する企業である。多様な業態による多店舗展開を行っており、全国で300店舗超を展開。総合リユースと専門リユースの10を超える業態を展開することで、取り扱う商材の種類や価格帯を常に拡大し、持続的な成長を実現。販路として店頭に加えて、自社ECや自社オークションを強化し、売り切る力を高めている。具体的な主要業態には総合リユース業態の「トレジャーファクトリー」、衣料特化の「トレファクスタイル」、ブランド品を扱う「ブランドコレクト」などがある。個人からの買取チャネルは店頭持込(70%前後)、宅配(5%前後)、出張(5%前後)の三本柱と業者仕入(15-20%)で構成され、販売チャネルは店頭販売(80-85%)とEC販売(10-15%)、業者販売(3-5%)で構成されている。

競合他社と比較した場合の同社の強みは、多業態戦略による顧客接点の広さにあるといえる。グループ内で異なる業態を組み合わせ、地域ニーズに応じた店舗網を展開することで、効率的な在庫運用や多様な顧客層の囲い込みを実現している。また、買取から販売までのプロセスを高速化するオペレーション改革も進んでおり、在庫回転率を改善し、キャッシュフローの健全化にも寄与している。そのほか、物流ネットワークも構築できており、関東と関西に複数の物流センターを構え、トラックのネットワークを持っている。出張買取や法人仕入などの大型品や大量の仕入が可能で、センターに常時在庫をストックすることで既存店の業績に影響を与えることなく新店への在庫供給が可能となっている。システム面でも、自社でシステム開発部門とシステム開発子会社を持ち、システム、アプリ、ECの開発は自社で実施。迅速に改善する体制を構築できている。

2025年2月期の売上高は42,207百万円(前期比22.5%増)、営業利益は4,035百万円(同20.5%増)と通期累計で売上高・営業利益ともに過去最高を更新した。単体既存店売上高が42ヶ月連続で前年同月超えとなり、カテゴリー別では、衣料・服飾雑貨・ホビーが特に好調に推移した。既存店の販売件数・単価のいずれもが伸長した点に加え、積極的な出店とM&Aによる外部成長、そして免税売上の増加も寄与。特に、ブランドバッグなど高額商材を扱うブランドコレクトやカインドオルで、インバウンド需要を取り込むことに成功し、免税売上比率は同3.1pt増の9.9%に達した。また、スタッフのオペレーション改革により、買取品の即時陳列やEC連携を強化して在庫回転の向上と売上拡大を同時に実現した。

2026年2月期の売上高は46,252百万円(同9.6%増)、営業利益は4,420百万円(同9.5%増)を見込んでいる。外部環境の不透明な見通しを前提として、既存店売上成長率をYoY2%に設定した。リユース事業では、アプリ会員の獲得などの継続的な取り組みにより買取・販売件数を増加させ、インフレも背景にした販売単価の上昇も想定。ハイブランド業態(ブランドコレクト・カインドオル)を中心にしたインバウンド売上の拡大や、海外地域への出店も検討している。

リユース市場は、物価高による節約意識の高まりと環境意識の醸成を背景として、着実に拡大している。とりわけファッションや趣味性の高い商材を扱う分野では、従来の価格訴求型から付加価値訴求型へのシフトも進んでおり、幅広い業態で高品質な商品やサービスを提供できる企業にとっては追い風の状況である。また、訪日外国人観光客の回復により、ブランド品や衣料品へのインバウンド需要も再加速している。

今後の見通しとして、同社は中期経営計画を刷新(ローリング方式により毎年4月に更新)しており、最終年度2028年2月期の売上高589億円、経常利益56億円を掲げている。出店余地を十分に残しているなか、リアル・ECともに買取・販売の拠点となっている店舗を連結で年間 30~40店のペースで、関東/関西/東海/九州などを中心に出店し、グループのリユースのネットワークを拡大していく。競合他社の店舗が既に出店済みのエリアでも、独自業態で差別化し、顧客ニーズを的確に捉えることで、後発でも十分に成果を出せている現状がある。さらに、スポーツ・アウトドア・楽器などのホビー系業態を今後の成長ドライバーと位置づけ、専門性の高い商品展開を進める計画もある。海外では、既に利益を確保しているタイや、モデル構築段階にある台湾で、年2店舗ペースの出店を想定。中長長期では国内外合わせて500から1,000店舗体制を目指す構えだ。そのほか、地域や商材面での相乗効果・補完関係のあるM&Aを積極的に実行していく方針もある。

株主還元については、成長投資とのバランスを重視しながら、配当性向30%以上を目標としている。引き続き自社成長による利益拡大を図りつつ、その成果を安定的な配当として還元する方針で、株主との中長期的な利益共有を志向している。また、株主優待制度も継続しており、個人投資家を含めた支持基盤の強化に寄与している。市場環境の追い風が続く中、着実な業績成長を果たしている同社の今後の動向には注目しておきたい。




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