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CACHD Research Memo(5):2024年12月期、国内外IT好調で調整後EBITDA拡大

*12:05JST CACHD Research Memo(5):2024年12月期、国内外IT好調で調整後EBITDA拡大
■CAC Holdings<4725>の業績動向

1. 2024年12月期の業績概要
2024年12月期の連結業績は、売上高が前期比3.0%増の520.6億円、調整後EBITDA(営業利益に減価償却費、のれん償却費及び株式報酬費用を加算して算出)は同10.3%増の45.7億円、営業利益が同2.0%増の33.9億円、経常利益が同7.8%増の33.6億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同25.2%増の30.9億円と増収増益となった。通期業績予想は売上高が同1.9%増の515億円、調整後EBITDAが同8.6%増の45億円であったが、売上高・利益ともに予想を上回って着地した。同社は2024年12月期より、事業から創出するキャッシュの実力を示す調整後EBITDAを採択し、開示している。

売上高の増減要因を見ると、国内ITは前期比29.6億円増であり、そのうち既存事業が金融及び製造向けの伸長で24.1億円増、M&Aによる新規連結効果で12.1億円増、連結除外影響で約6.6億円減となった。海外ITは主にインド子会社における金融機関向け大型案件の反動により同14.3億円減(うち為替影響により8.4億円増)、全体として同15.2億円の増収となった。

利益面について調整後EBITDAの増減要因を見ると、増収効果により3.7億円増(うち海外ITの為替影響により1.1億円増)、売上原価率がインド子会社の大型案件の剥落に伴い同1.8ポイント改善したことにより5.8億円増、固定費の見直しなど経営効率化により6.1億円増となった。他方で、中期経営計画に基づいた成長基盤醸成のための投資により7.5億円減(うち、人的資本投資が6.2億円、新規事業開発投資が1.3億円)、M&A費用及び連結除外影響により1.9億円減となった。その結果調整後EBITDAは前期比4.2億円の増益となり、調整後EBITDAマージンは同0.6ポイント改善した。なお、営業利益率は同0.1ポイント悪化したが、中期経営計画に基づく人的資本投資、新規事業開発投資、M&Aの実施に伴うのれん償却費の増加、株式報酬関連費用の計上などによるコスト拡大が主な要因であり、既存事業の実力値は10%程度である。

事業セグメント別では、国内IT事業の売上高は前期比8.2%増の388.6億円、調整後EBITDAは同4.9%増の38.8億円と拡大した。売上面は、前期第1四半期にCACマルハニチロシステムズ(現 マルハニチロソリューションズ)を連結除外した影響を受けたものの、既存事業は堅調であり、金融向けが同11.0%増、製造向けは同17.8%増と伸長した。また、M&Aに伴う新規連結効果により、製造向けを中心として増収貢献した。利益面は、中長期的な事業成長に向けた人的資本投資、新規事業開発投資などによりコストが拡大したものの、調整後EBITDAマージンは10.0%と二桁台を維持した。

海外IT事業の売上高は前期比9.8%減の131.9億円と減収ながら、調整後EBITDAは同0.5%増の18.7億円と増益で着地した。売上面は円安効果に加え、中国及び米国における案件が伸長したものの、前期に計上したインドにおける金融機関向け大型案件の反動影響により減収となった。他方で、利益面は相対的に収益性が低い同大型案件の剥落及び中国・米国など子会社の増収効果により、調整後EBITDAは増益を確保し、調整後EBITDAマージンは同1.5ポイント改善した。なお、期末の受注残高は前期末比30.3%増の82.3億円であり、円安効果の約5億円を差し引いても、高水準に積み上がっている。


財務基盤は安定的、積み上がったキャッシュを活用した攻めの財務戦略を期待

2. 財務状況
2024年12月期末の主な財務指標を見ると、自己資本比率は前期末の65.8%から68.3%に改善したことに加え、流動比率は同202.3%から224.1%に上昇し、ネットキャッシュ(現金及び預金-有利子負債(プラスはキャッシュ超過))は同85.6億円から109.9億円に増加しており、財務面は十分に安全性が高い水準にあるといえる。固定資産に含まれる投資有価証券については、中長期の成長に向けた投資見合い分の政策保有株の売却を継続しているものの、株価上昇により同175.0億円から218.2億円に増加しており、投資有価証券も加えた広義のネットキャッシュは328.1億円に達している。これは同社時価総額409.1億円(2025年3月18日終値ベース)の80.2%を占めるまでに至っており、株主還元のさらなる強化、M&Aや新規事業創出などの成長投資加速といった具体的な戦略が待たれる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 吉林拓馬)



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