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トヨコー:3月に上場した直近IPO企業、独自技術でグローバルニッチトップへ

*13:12JST トヨコー:3月に上場した直近IPO企業、独自技術でグローバルニッチトップへ
トヨコー<341A>は2025年3月28日に東京証券取引所グロース市場に上場した直近IPO企業である。老朽化したインフラのメンテナンスを主要なテーマとし、独自技術の開発・施工を手がけてきた。老朽スレート屋根の補修・断熱などを目的とした主力の「SOSEI事業」に加え、高出力レーザーで鋼構造物のサビを除去する装置を製造販売する「CoolLaser事業」を展開しており、近年はメーカーとしての側面も持っている。いずれも省人化・高効率化・環境負荷低減を実現する技術に基づく事業であり、インフラの維持管理分野において新たな市場創出を目指している。

【2025年3月期の業績予想】
2025年3月期は、第3四半期において売上高1,538百万円、営業利益264百万円を計上。同期における過去最高の数値を記録した。主力のSOSEI事業が堅調に推移したことに加え、上市したばかりのCoolLaser事業についても初期の受注動向は好調である。このように足元堅調に推移しており、通期業績予想は売上高で前期比72.7%増の1,891百万円、営業利益で184百万円(前期は189百万円の赤字)、当期利益で161百万円(同158百万円の赤字)を見込んでいる。

【事業の特徴/独自の技術力を有するグローバルニッチトップへ】
同社の中核を成すのは「SOSEI事業」である。工場や倉庫の老朽化したスレート屋根に対し、瞬間硬化型の特殊樹脂を3層に吹き付けることで補強・断熱を図る工法である。従来の全面葺き替えに比べてコスト・工期ともに優れ、作業中も工場の稼働を止める必要がないという大きな利点を持つ。断熱効果も高く、夏季の屋根裏温度を最大20℃低下させることで空調負荷の低減にもつながり、ESG経営の観点からも顧客からの支持を集めている。導入先は自動車関連を中心に大規模工場などが中心である。リピート率が8割から9割であり、一度施工実績を積むと唯一無二の存在と認められ継続的に受注できているようだ。確かに、売上総利益率は40%程にのぼり、建設施工業務としては極めて高水準であることから、国内においては競合のないニッチトップのプロダクトと言えよう。今後は今回のIPOを期に認知度向上を図りつつ、パートナー企業との連携強化などにより、国内製造業の設備老朽化対応の継続的な需要を取り込む構えだ。

また、あらゆる企業がGHG排出量削減に向けた再エネ利用を進めていく中、「SOSEI+ソーラーパネル」の引き合いが極めて多くなっているようだ。従来はソーラーパネルを置くスペースが不足している点が企業の再エネ利用促進のネックとなっていた。そうした問題を解決するのが工場の屋根を活用するという観点だ。SOSEIの技術を使えば工場の屋根にもソーラーパネルの設置が可能となり、同社のSOSEI事業の価値はさらに高まる可能性がある。

一方の「CoolLaser事業」は、高出力のレーザー光線を円状に高速回転させながら照射することで、対象物表面の錆・塗膜などを瞬間的に溶融、蒸散、熱破砕させて除去する技術を持つ装置の製造販売業である。一般的にレーザー装置は埃などの環境に弱く、整備された屋内環境で使用されることが殆どだが、同社のCoolLaser工法は錆・塗膜の除去用に特化した高出力レーザー装置として、世界で初めて屋外向けに開発された装置である。鉄道・道路の橋梁分野や送電鉄塔、船舶・ドックなどのインフラメンテナンス市場への拡販を視野に入れて開発し、2025年3月期から本格的にローンチしたところである。そもそも、光学のレーザー分野にはレーザークリーニングという技術があったが、工場で金型などの微弱な汚れを取るケースなどに使われてきた。しかし、同社は屋外の分厚い汚れや錆を除去できる技術にカスタムし、特許を取得。ドイツや米国などの競合メーカーと比しても性能面で圧倒的な優位性を持っている。同社のこうした技術力が評価され、橋梁(鋼橋)建設国内トップの横河ブリッジが今後の長期的な協業を目的に資本参加したほか、総合商社やスーパーゼネコンからも協業の引き合いがある状況であり、グローバルニッチトップを狙えるプロダクトとして期待がかかる。

このように、従来工法にない利便性と環境性能を併せ持つSOSEI事業とCoolLaser事業は、既存の技術の単なる置換にとどまらず、新たな市場を創出しつつある。老朽インフラの維持管理や脱炭素対応といった社会課題への解決策としての側面も強まり、産業界における存在感は一段と高まるだろう。今後は社会課題解決との接点を成長エンジンに、国内外での飛躍が期待される。



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