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WACUL Research Memo(7):2025年2月期は減益見通しだが、2026年2月期は利益回復局面入りへ

*12:07JST WACUL Research Memo(7):2025年2月期は減益見通しだが、2026年2月期は利益回復局面入りへ
■WACUL<4173>の今後の見通し

1. 2025年2月期の業績見通し
2025年2月期通期の連結業績は、売上高が前期比1.6%増の1,846百万円、EBITDAは同24.7%減の232百万円、営業利益が同45.9%減の107百万円、経常利益が同45.4%減の114百万円、当期純利益が同54.6%減の91百万円と増収減益の見通しである。

同社は2025年2月26日、各事業の売上・利益が会社計画を下回って着地する見通しであることを踏まえ、2025年2月期通期業績計画の減額修正を発表した。売上高は期初計画比387百万円、EBITDAは同94百万円、営業利益は同93百万円、経常利益は同100百万円、当期純利益は123百万円それぞれ引き下げた。

事業別に見ると、売上高はプロダクト事業が期初計画比10%以上、インキュベーション事業が同20%程度、人材マッチング事業が同10%程度下回って着地する見通しである。プロダクト事業はUAからGA4への移行に時間を要する企業が多かったことから、上期まで主力サービス「AIアナリスト」を活用した分析需要の低迷が続き、新規獲得数及び同サービスを起点としたクロスセルが低調に推移した。他方で、足元では分析需要は回復局面に入っており、同サービスの契約数は純増基調に転じたもようである。周辺サービスのクロスセルなども含めリカーリング売上高が積み上がっていけば、2026年2月期以降は復調が期待される。インキュベーション事業は増収での着地を見込んでいるものの、新規顧客の流入が2024年2月期と比較して減少した。主な要因は、上期に既存の伴走型案件が拡大するなかで、単発型の戦略案件などへの営業リソースを十分に割くことができなかったことである。今後は、高付加価値なコンサルタントを含む採用の強化及び営業やデリバリーの効率化・増強などにより、さらなる事業拡大を図っていく。人材マッチング事業は順調に事業拡大しており、増収での着地を計画しているものの、上期に実施した販促活動の投資対効果が低調であったことから下期は投資を停止し、コンテンツの強化や既存顧客への集中アプローチなどに注力した。今後は、顧客向けには顧客セグメントを細分化し、それぞれに適したアクションを徹底、マーケター向けには優秀層のマーケターの新規獲得及び関係の深化などに注力し、2026年2月期以降も増収基調を維持したいとしている。

利益面については、人件費や広告宣伝費など営業コストの最適化を図っているものの、相対的に収益性が低い人材マッチング事業やインキュベーション事業の伴走型プロジェクトなどの売上構成比の上昇に伴う売上ミックスの変化により、営業利益は前期比45.9%減で着地する計画である。他方で、リカーリング売上高は「AIアナリスト」を中心に回復基調であり、売上ミックスの変化による全体の収益性の悪化については底打ち感がある。2026年2月期は増収効果及び収益性の維持及び向上により、利益回復局面入りが期待される。


出資したハンドレッド社との協業によりCRM領域のラインナップ拡充へ

2. 成長戦略に関するトピックス
同社は2024年7月、サービスラインナップの拡充を目的としてハンドレッド社の第三者割当増資を引き受け、資本業務提携契約を締結した。ハンドレッド社は営業、マーケティング、カスタマーサービスなどに関する業務の世界的な統合管理プラットフォームである「HubSpot」の販売、導入支援、運用支援などを行うITベンダーで、「HubSpot」の日本のパートナーとしてはトップであるDIAMONDランクである。同社はマーケティング領域の戦略立案から運用支援、人材供給までを一気通貫でサービス提供しているが、顧客が導入しているCRMの設計及び構築の領域を強化するため、そのケイパビリティが高いハンドレッド社への出資を決めた。今後は、顧客基盤の相互送客、両社がコラボレートしたサービスの構築及び展開などにより、顧客が抱える課題に対してワンストップで対応する体制を整備していく。

同社のハンドレッド社への出資比率は36.78%である。同社は単体決算を行う企業であるため現時点で収益に与える影響は軽微と見られるが、ハンドレッド社との協業の深化によりさらなる事業規模の拡大が期待される。また、同社は今後も事業シナジーが見込まれる企業への出資あるいはM&Aなどの実施を検討しており、連結決算へ移行した際には売上高5億円程度のハンドレッド社の数値が同社業績に反映されることになるため、同社のコーポレートアクションを含む動向について注視していきたい。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 吉林拓馬)



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