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エルイズビー Research Memo(7):セールス、サービス、インベストメントの3つの側面から成長戦略を推進(1)

*11:07JST エルイズビー Research Memo(7):セールス、サービス、インベストメントの3つの側面から成長戦略を推進(1)
■L is B<145A>の成長戦略

1. 競争優位性
同社は現場のDXにフォーカスしており、自らを「現場向けのDXプラットフォーマー」と位置付けている。同社の考える現場業務の特徴は、「確認を取りたい人が会社や他の現場にいる」「端末を確認するタイミングが限られる」「PCはあまり利用しない」「膨大な手書きの点検記録や提出書類」「現場の協力会社の人と簡単にやりとりしたい」等であり、DXの壁になる要素が多い。「direct」は、現場業務にイノベーションを起こすことで競争優位性を確保している。具体的には、「現場のコミュニケーションインターフェースとしての普及」「チャットボット・連携アプリ群による現場業務のDX」「顧客要望を迅速にサービス化する社内開発体制」の3つの競争優位性を挙げている。

(1) 現場のコミュニケーションインターフェースとしての普及
「端末を確認するタイミングが限られる」「PCはあまり利用しない」現場の作業者に対して、「direct」ではスマートフォンでコミュニケーションを円滑に行えるため利便性が高い。従来はトランシーバーや電話でが行っていた会話をスマートフォンによるチャットに置き換えることで、「1対1」から「多対多」のコミュニケーションが可能となった。さらに、投稿の未読・既読もわかる。また、紙で共有していた写真や図面を「direct」で共有することで電子化され、情報の共有がスピーディになった。「direct」にはゲストモードがあり、社内メンバーだけでなく、協力会社もチャットに参加できる。「現場の協力会社の人と簡単にやりとりしたい」等、顧客の要望をサービス化しているため、優位性が高い。大林組<1802>は、従来トランシーバーや電話で行っていたコミュニケーションが「direct」のトークルーム内で完結し楽になったことや、投稿の未読・既読がわかるようになったことを評価している。(株)竹中工務店は、投稿の未読・既読の確認に加え、複数の人で写真や情報の共有ができること、写真加工機能を評価している。(株)鴻池組では約80社の協力会社とのコミュニケーションを「direct」に切り替えたことで、書類作成から共有までの時間が大幅に削減され、協力会社との指示書のやりとりが迅速化した。顧客レビューからも、「direct」がもたらすイノベーションが大きいことがわかる。

同社は、ユーザーの生の声を聞くために、営業担当者が大手ゼネコンなど顧客の作業現場や開発現場に出向き、評価や要望をサービスの改善に生かしている。現場に密着して利便性の向上を図っていることから、サービス品質の進化はもちろん、顧客ロイヤリティ獲得や関係各社への横展開等、中長期的な成長が期待される。

(2) チャットボット・連携アプリ群による現場業務のDX
「direct」にチャットボット機能をアドオンすることで、チャットロボットの質問に答えるだけで書類作成等が完了するようになった。「direct bot RENTAL」では顧客からの要望が多いチャットボットを掲載しており、20種類以上のボットをレンタルできる。「daab」では、顧客が自社独自のチャットボットを開発できる。オーダーメイドのチャットボットの事例として、西松建設<1820>ではコンクリート打設の予定調整を協力会社と行う「CON手配ボット」を、大林組では管理者が集計しやすく利用者が報告しやすい「体調不良報告ボット」を、竹中工務店では、建設機械を簡単に探せる「位置プラスボット」を開発し活用している。このほか、「direct Apps」「タグショット/タグアルバム」「ナレッジ動画」等の連携アプリを利用することで、現場業務DXをさらに推進できる。「direct」での生成AIの活用や、「direct」と他社サービスとの連携強化も進めている。

(3) 顧客要望を迅速にサービス化する社内開発体制
同社は社内に開発組織を有しており、商品企画やシステム開発を担当する社員は52%(2024年12月時点)に上る。一方、営業・マーケティング・ユーザーサポートを担当する社員は41%(同)おり、顧客の要望が開発部門に速く、正確に伝達される体制を築いている。「direct」をはじめとするサービスは、リリース後も機能追加や品質改善を実施している。9週間に1度アップデートする「9週間ルール」を仕組化し、サービスの継続的な進化を実現している。

(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)



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