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タムロン Research Memo(5):手元キャッシュが潤沢で財務内容は良好、収益性指標も上昇基調が続く

*16:15JST タムロン Research Memo(5):手元キャッシュが潤沢で財務内容は良好、収益性指標も上昇基調が続く
■タムロン<7740>の業績動向

3. 財務状況と経営指標
2024年12月期末の資産合計は前期末比151億円増加の1,022億円となった。主な変動要因と見ると、流動資産では収益拡大に伴って現金及び預金が57億円、受取手形及び売掛金(電子記録債権含む)が15億円、たな卸資産が13億円それぞれ増加した。固定資産では、ベトナム第2工場の建設に伴い有形固定資産が35億円増加したほか、無形固定資産が3億円、投資その他資産が29億円増加した。

ベトナム第2工場は、生産能力の拡大、地政学的リスクや関税リスクへの対応や安定供給体制の強化、コスト対応力の強化等を目的に2023年10月に着工し、2025年1月より稼働を開始した。2026年に量産体制を確立し、2028年のフル稼働を予定している。総投資額は40億円でグループ生産能力は現状比1.2倍となり、長期ビジョンである「売上高1,000億円」に対応可能な生産体制の早期確立を目指す。現状の地域別生産比率(金額ベース)は中国が約65%、ベトナムが約25%、日本が約10%だが、2028年には日本の構成比約10%は維持しつつ、中国とベトナムがそれぞれ約45%の構成比となる。ベトナムの人件費は中国の約半分の水準となるため、コスト競争力も向上する見通しだ。

負債合計は前期末比35億円増加の199億円となった。主に買掛金が8億円、未払法人税等が10億円、繰延税金負債が5億円、有利子負債が4億円それぞれ増加した。純資産は同116億円増加の823億円となった。配当金で43億円、自己株式の取得で20億円の支出があった一方で、親会社株主に帰属する当期純利益145億円の計上や、その他の包括利益累計額が34億円増加したことによる。

経営指標を見ると、安全性を占める自己資本比率は80%台と高水準を維持しており、有利子負債比率も2.7%と低水準にあること、ネットキャッシュ(現金及び預金-有利子負債)は収益拡大を背景に360億円強と3年前と比較して1.5倍に積み上がっていることなどから、財務の健全性は高いと判断される。一方、収益性についてもROA、ROE、売上高営業利益率が4期連続上昇して20%前後の水準となり、事業規模の拡大と収益性向上を両立させている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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