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タムロン Research Memo(4):全てのセグメントで2桁の増収増益と大きく伸張

*16:14JST タムロン Research Memo(4):全てのセグメントで2桁の増収増益と大きく伸張
■タムロン<7740>の業績動向

2. 事業セグメント別の動向
(1) 写真関連事業
写真関連事業の売上高は前期比22.3%増の64,835百万円、営業利益は同29.3%増の18,111百万円となり、売上高は9期ぶり、営業利益は4期連続で過去最高を更新した。増収効果によって営業利益率も前期の26.4%から27.9%とさらに上昇した。

2024年のカメラ市場全体の動きとしては、レンズ交換式カメラ市場がミラーレス機をけん引役に数量で前期比10.2%とコロナ禍で落ち込んだ2020年から4期連続でプラス成長となり、交換レンズも数量で同7%増、金額で同11%増となるなど好調な1年だったと言える。こうしたなか、同社の自社ブランド品は2023年及び2024年に投入した新製品(合計12機種)の販売が好調で、数量で同9.5%増の47万台、金額で同9.8%増の360億円となった。一方、OEM品も主要顧客から追加発注が入るなど好調に推移したことにより、数量で同23.4%増の92万台、金額で同42.5%増の288億円と大きく伸張した。

また、自社ブランド品の地域別売上高の前期比増減率を見ると、欧州が11%減、米国が4%減とそれぞれ低迷したものの、日本が20%増、中国が24%増、その他アジアが32%増とアジア圏での販売が好調だった。構成比で見ると中国が26%と最大仕向け地先となった。中国市場ではSNSに綺麗な写真をアップするために高性能なミラーレスカメラの需要が伸びており、対応する格好で交換レンズの販売も拡大した。なお、新製品として2024年12月には同社として初のキヤノンRFマウント用※の超広角ズームレンズ「11-20mm F/2.8 RXD (B060)」を発売しており、今後のキヤノン向けでのラインナップ拡充が期待される。

※ キヤノンRFマウントとは、フルサイズセンサー搭載の一眼ミラーレス機用のマウント規格。

(2) 監視&FA関連事業
監視&FA関連事業の売上高は前期比25.8%増の12,313百万円、営業利益は同118.7%増の1,566百万円となった。売上高が2期ぶりの増収に転じたことに加えて、プロダクトミックスの改善や経費抑制効果もあって、営業利益率は前期の7.3%から12.7%に上昇し、大幅増益につながった。

売上高の内訳を見ると、監視カメラ用レンズは顧客先の在庫調整が一巡したこともあり、前期比6.8%増の63億円と増収に転じた。FA/マシンビジョン用レンズは、高精細・高解像度ニーズの高まりを見据えてラインナップを拡充した効果により同54.6%増の24億円となり、カメラモジュールも2023年以降に投入した小型カメラモジュールの新機種がセキュリティ市場を中心に伸張し、同199.2%増の24億円と大幅増収となった。一方、TV会議用レンズは市場の低迷により同21.5%減の12億円と減収基調が続いた。数量は全体で同2.3%増の115万台と微増にとどまっており、高付加価値領域の売上成長が利益率の上昇につながったと言える。

なお、拠点別売上高の前期比増減率は、日本が50%増となった以外は、中国が1%増、欧州が20%減、米州が55%減、その他地域が24%減とそれぞれ低迷した。この結果、日本の構成比率は前期の67%から80%に上昇した。

(3) モビリティ&ヘルスケア、その他事業
モビリティ&ヘルスケア、その他事業の売上高は前期比31.6%増の11,325百万円、営業利益は同66.0%増の2,476百万円と増収増益基調が続いた。新規分野の開発投資を継続しつつ、主力の車載カメラ用レンズの増収効果等により、営業利益率も前期の17.3%から21.9%と大きく上昇した。

売上高の8割強を占める車載カメラ用レンズは、ADAS(先進運転支援システム)の普及によるセンシング用カメラの搭載数量増加を背景に、前期比33.2%増の95億円と好調に推移した。同社は2008年に車載カメラ市場に参入して以降、連続で2ケタ成長を続けている。車載カメラ用レンズの市場は中国企業も多く参入しているため競争は激しいものの、同社はセンシング用途で用いられる高性能レンズに特化して展開しており、主要顧客も日系を中心とした大手Tire 1、Tire 2などの数社で占められている。同社レンズの高い描写性能や品質、信頼性が評価され、高成長につながっている。

医療用レンズは主に硬性内視鏡向けに販売しており、前期比72.7%増の6.7億円となった。同社の強みである極小径や薄膜技術で低侵襲を可能にする製品ラインナップを拡充し大幅増収につながった。その他用途のレンズ(DSC/VC※、ドローン他)についても、前期と同等程度の売上を維持した。

※ DSC(デジタルスチルカメラ)、VC(ビデオカメラ)。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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