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KaizenPF Research Memo(3):顧客体験DXを実現する「KAIZEN PLATFORM」サービス

*13:03JST KaizenPF Research Memo(3):顧客体験DXを実現する「KAIZEN PLATFORM」サービス
■Kaizen Platform<4170>の事業概要

1. 事業概要
同社グループは顧客体験DXで企業課題のカイゼンを支援する「KAIZEN PLATFORM」サービスを提供し、事業セグメントをグロース、及びトランスフォーメーションとしている。グロースはサイト改善・制作や集客・CRM改善などデジタルマーケティングのBPOサービスで顧客の売上成長を支援するソリューション、トランスフォーメーションはDXコンサルティングとIT開発で顧客のDX投資対効果の改善を支援するソリューションである。子会社のディーゼロはグロースのWebサイト制作・改善ソリューションを、子会社のハイウェルはトランスフォーメーションのSESを展開している。

多くの企業がDXによって自社の業績を伸ばそうとしているが、DXの推進にあたっては人材不足や旧式のシステムの存在など3つの壁(ノウハウの壁、リソースの壁、インフラの壁)があり、思うようにデジタル化に対応できていないのが現状である。一方で、生成AIの登場により「顧客体験」と「業務プロセス」のDXをAIが接続する時代が到来している。

こうした状況に対して同社は、顧客自身(システム管理部門ではなく、営業や顧客管理などの現場のビジネス部門)がDXによるKPI改善を体験することが必要という考え方に基づき、上流のコンサルティングから下流のデジタルマーケティング・制作・開発までグループで顧客ニーズに徹底的に応えるワンストップサービス体制を構築している。顧客に伴走して攻めのDXを加速するマーケティング&ITパートナーとして、顧客のKPI(Key Performance Indicator=重要業績評価指標)改善や、DXのROI(Return On Investment=投資収益率)向上を実現する顧客体験DXを提供している。


最適なグロースハッカーのチームを組成して顧客の課題を解決

2. グロースハッカーネットワークを活用したビジネスモデル
同社の「KAIZEN PLATFORM」サービスのビジネスモデルは、プラットフォーム上でグロースハッカーと呼ぶデジタル専門人材のネットワークを活用していることを特徴・強みとしている。顧客の課題やニーズを踏まえて、同社従業員のPM(プロジェクトマネジメント)の下、最適なグロースハッカーのチームを組成して顧客の課題解決に取り組む。グロースハッカーネットワークには様々な領域のクリエイターやエンジニアなどが在籍しており、それぞれの専門領域や得意分野に基づいてWebサイト分析、Webサイトデザイン案作成、ディレクションなどの役割を割り当て、フルリモートでプロジェクトを進める。単に納品して終わりではなく、過去に実施してきた豊富な改善事例とデータ蓄積も最大限活用して、プラットフォームを通じてフィードバックしながら改善を進めている。取引構造は顧客からサービス料を受け取り、グロースハッカー(法人、個人)に対して成果連動型の報酬を支払う。同社はPMとサポートに徹しており、プラットフォーム上のグロースハッカーとチームを組むことで人件費の変動費化を図っている。


ソフトウェア・人材・データが揃っているのが強み

3. 「KAIZEN PLATFORM」サービスの強み
同社の「KAIZEN PLATFORM」サービスの強みは、プラットフォーム上にソフトウェアも人材もデータもすべて揃っていることにある。DXのROIを高めるためのデータ・クラウド・リソースをプラットフォーム上に蓄積し、ワンストップサービスで提供することによってノウハウ・スピード・コスト面で圧倒的な優位性を誇っている。

ソフトウェアの面では、顧客で使用されている既存のシステム(レガシーシステム)にとらわれることなく、顧客体験DXを実現できるSaaS型ツールによって開発&制作環境を提供している。人材リソースとしてはプラットフォームに50社超の法人グロースハッカー(制作会社、人材派遣会社、コンサルティング会社などと提携)と12,000人を超える個人グロースハッカーが登録しており、コンサルティングから実行までのプロフェッショナルサービスをフルリモートで提供できる体制を構築している。また制作は日英だけでなく、アジアから中南米まで多言語に対応している。顧客企業から見ると、レガシーシステムへの影響を気にせず、現場のビジネス部門主導でスピーディーに必要な施策を実行し、リードタイムやコストを抑えながらUXの改善やDXの実現が可能になるというメリットがある。

さらに同社の競争力の優位性として、非常駐で業務できるためグロースハッカー1人当たりの生産性が高いこと、高い生産性と変動費比率によって顧客に対するサービス価格を低く設定できること、成果連動でグロースハッカーが高い報酬を得られるためデジタル専門人材の採用競争力が高いことなどがある。なお同社はMeta、Google、YouTube、Amazon、Yahooといった主要プラットフォーマーから公式パートナーの認定を取得しており、API(Application Programming Interface=プログラム同士をつなぐインターフェイス)によるデータ連携も実現している。

機能充実や新サービス開発も強化しており、直近では2024年3月に生成AIを活用したUX(User Experience=顧客体験)改善の新メニュー「KAIZEN AI-UX」をリリースした。同年11月にはUX改善の技術基盤である「KAIZEN ENGINE」をアップデートした。同年12月には同社とディーゼロがアピリッツ<4174>と協業し、Webサイトに投稿された口コミ・レビューデータへの生成AIを活用した「自動検閲機能」を開発した。2025年1月には、東証プライム市場の英文開示義務化に先駆けて、同社のUX・AI技術とディーゼロのIRサイト支援ノウハウを組み合わせ、IR活動のグローバル化(IRサイトの多言語化や運用体制構築など)を支援するパッケージの提供を開始した。また、生成AIの実用化に向けた新たなアプローチとして「KAIZEN STUDIO」を設立した。生活や仕事の様々な場面で魔法をかけたかのようにあらゆる体験をアップデートする様々な機能の開発に加え、企業のAI実装パートナーとして、それぞれのサービスやツールに最適な形でAI機能を組み込んでいくための伴走支援を行う。同年2月には企業の生成AI活用を支援するワークショップ&プロトタイプ開発パッケージの提供を開始した。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)



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