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大幸薬品 Research Memo(1):2024年12月期は医薬品事業がけん引し、4期ぶりに利益化を達成

*11:01JST 大幸薬品 Research Memo(1):2024年12月期は医薬品事業がけん引し、4期ぶりに利益化を達成
■業績動向

大幸薬品<4574>は、「正露丸」「セイロガン糖衣A」を中心とする医薬品事業と、ウイルス除去・除菌・消臭製品「クレベリン」シリーズを中心とした感染管理事業を展開している。

2024年12月期通期は、売上高が6,292百万円(前期比2.8%増)、営業利益が629百万円(前期は1,005百万円の損失)、経常利益が688百万円(同1,248百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益が898百万円(同3,611百万円の損失)となり、通期決算で4期ぶりの利益化を達成した。

売上高は、医薬品事業が5,778百万円(前期比11.4%増)、感染管理事業が508百万円(同45.3%減)と医薬品事業が増収をけん引した。

医薬品事業の国内売上高は3,556百万円(前期比6.6%増)と堅調な需要が続き、値上げ効果も加わって、増収となった。「セイロガン糖衣A」及び「正露丸クイックC」は供給体制強化により出荷制限は解消し、増収に貢献した。一方「正露丸」は、供給不足から売上を落とした。また、国内止瀉薬市場がコロナ禍以前を上回る水準に回復するなか、同社シェアも2024年10月〜12月で49.7%(前年同期は48.6%)となった。医薬品事業の海外売上高は2,222百万円(前期比20.2%増)と増加した。製造スケジュール調整により遅れていた供給を香港向けで一部再開したことが、増収の要因である。

感染管理事業の売上高は国内一般用、国内業務用、海外ともに低調であり、減収となった。暖冬の影響や小売店頭での売り場展開が遅れたことが響いた。ただ、除菌市場は2024年12月単月で見ると前年同月比11%増となり、同市場におけるクレベリンのシェアは2024年12月に42%へ上昇するなど、前年同月比で復活の兆候が確認できた。

売上総利益は、医薬品事業の増収や棚卸資産評価損等の改善や減価償却費の減少による原価改善などにより、前期比42.3%増と大幅増益となった。販管費は、効率的なマーケティング費用の投下に努め継続的なコスト削減施策を実施したことにより、同15.2%減と着実に減少した。これにより営業利益は同1,634百万円増加し、629百万円となった。

セグメント利益では医薬品事業が1,947百万円(前期比60.6%増)、感染管理事業は467百万円の損失(前期は1,192百万円の損失)と両事業とも大幅に改善した。なお親会社株主に帰属する当期純利益には、特別利益として医薬品事業の仕入取引に関連し受領した受取補償金200百万円、特別損失として医薬品の生産体制の再編に伴い減損損失239百万円及び移設撤去費用等引当金繰入額88百万円が含まれる。全体として、「医薬品事業を中心に収益基盤を構築し、経営のスリム化によって収益体質を改善する」という2024年12月期の経営方針は達成され、2024年12月期の利益化や収益体質の改善状況を踏まえ「継続企業の前提に関する重要事象等」は解消した。

財務基盤は、安全性が高いと評価できる。2024年12月末の自己資本比率61.7%(前期末は51.0%)は高い水準からさらに上昇した。有利子負債は1,998百万円で、現金及び預金4,532百万円と比較しても抑制されている。なお、金融機関とのコミットメントライン契約は、事業運営に必要な資金について確保できていることから、2025年1月末日をもって終了した。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)



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