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ジーデップアドバンス Research Memo(3):グローバルプロセッサメーカーが認める技術力が強みの源泉

*14:03JST ジーデップアドバンス Research Memo(3):グローバルプロセッサメーカーが認める技術力が強みの源泉
■事業概要

1. 市場動向、ベンチマーク
ジーデップ・アドバンス<5885>の提供するソリューションの多くはAI用途である。AIモデルを構築する先進的な企業・団体は、独自の生成AIモデル構築のための大規模な実証実験や本番運用に向けた投資を加速させる動きがある。また、AIの限定的な利用に留まっていた企業・団体においても、簡易なモデルの作成や生成AIの組み込みアプリケーションの導入が加速し、AIシステムの需要がさらに高まることが見込まれている。

AI向けシステムの性能を決定付けるコア技術はGPUであり、世界市場の8~9割の圧倒的なシェアを獲得しているのが米国NVIDIAである。NVIDIAでは製品・技術のロードマップを公開しており、GPUに関しては、Blackwell(2024年)、Blackwell Ultra(2025年)、Rubin(2026年)、Rubin Ultra(2027年)と今後2027年まで毎年新製品が投入される計画である。技術の継続的な進化と用途の開発によりAI市場が活性化することが見込まれる。

■類似企業とのベンチマーク
国内上場企業には、厳密な意味での類似企業は存在しないものの、AI開発の先進ユーザー向けハード、ソフト、ソリューションを提供する類似企業としては、VRAIN Solution<135A>、HPCシステムズ<6597>などがある。特にVRAIN Solutionが増収率、極めて高いROEなどで参考にされる可能性があり、VRAIN SolutionのPER(株価収益率)は40倍で評価されている。

その他、同社の主要顧客がAI関連企業ということも鑑みれば、AI企業と同様に規模拡大が進むであろうことが想定でき、同関連と比較されることも十分に考え得る。実際、増収率は遜色ない。ブレインパッド<3655>、PKSHA Technology<3993>、Appier Group<4180>、HEROZ<4382>、エクサウィザーズ<4259>、Ridge-i<5572>、ABEJA<5574>などをピックアップしてみたが、特に利益面で規模感の近いHEROZ、エクサウィザーズ、Ridge-i、ABEJAの平均PERは234倍となる。また、同社と協業を発表したRidge-iのそれは100倍に迫る。

■ディープシーク登場のインパクト
LLM(サービス)の業界では、中国企業のディープシーク(DeepSeek)が無料公開したLLM「R1」が注目を集めている。これまでの業界の常識を覆す低コストで、人手を介さずに推論モデルを開発できる可能性を示した点が革新的であると評価される。このモデルが必要とした半導体は旧世代であり、数も少なく、開発コストはわずか560万米ドル程度とされる。これを機に、オープンAI(ChatGPT)をはじめとする大規模言語モデルサービス企業の競争はさらに激しさを増している。

弊社では、同社の属するハード寄りのベンダーにとってのインパクトはプラス面が上回る可能性が高いと考えている。AIソリューションの開発コストが下がると、より顧客企業の裾野が広がることが考えられる。先進ユーザーが、上位レイヤーの最新GPUを求める需要はこの件で衰えることは考えにくく、むしろ中位・下位レイヤーの顧客層の投資が活発化することが期待できる。同社では、下位から上位までのレイヤーの顧客ニーズに対応する戦略であり、その体制は整っている。

2. 顧客構成
同社の顧客は、従来は大学や研究機関の構成比が高く推移してきた。これは、祖業である電子部品商社時代から大学や研究機関向けの取引が主体だったことも一因である。近年では、AIが様々なシーンで活用される時代を迎え、事業会社の比率が高まる傾向にある。自動車産業やその他の製造業、AI関連のスタートアップ、創薬などでAIを活用する医療業界、情報通信業界、メディア&エンターテインメント業界(M&E)など多様な業界の企業・団体が同社の顧客となっている。特に、自動車業界や医療業界は、ビッグデータを保有していることからAIソリューションとの親和性が高く、今後の伸びが期待される。直近の2025年5月期中間期では、クラウドベンダー向けの大型案件の売上高が計上された関係で売上構成比に変化が見られたが、各業界の売上高(金額)は順調に推移している。

3. 同社の強み
同社は、グローバルプロセッサメーカー4社から認定された高い技術力と、グローバルITベンダーとの連携から生まれる企画力・製品調達力が源泉となり、高い競争優位性を築いている。強み・特徴としては、1) 最新テクノロジーと独自のギミックを組み合わせた最適解の提案、2) ソリューション提供形態の多様性、3) Service & Supportによる顧客継続性、4) スモールマス展開を見据えた案件対応、5) 他社との差別化を実現する独自のポジショニング、がある。

同社は、グローバルプロセッサメーカー4社(NVIDIA、Intel Corporation、Advanced Micro Devices、AMD XILINX)から11タイプの認定を取得しており、高い技術力はお墨付きである。ちなみに、この4社から認定を受けているのは日本では同社のみである。特にNVIDIAとは2007年から良好な関係を構築しているNVIDIA最上位パートナーである。認定の一例として、中小規模のAIシステム向けの「NVIDIA AI Solution Provider Preferred」、大規模クラウドAI向けの「DGX Cloud Solution Provider Preferred」などがあり、同社のシームレスな対応力に貢献している。

成長するAI市場に着目し、参入する同業他社は数多い。NVIDIAの国内パートナーだけでも約80社が名を連ねる。ソフトウェアベンダー、SaaS、SIer、CIer(クラウドインテグレータ)など周辺業界からの参入もある。その中で同社は、最先端のハードウェア及びそのインテグレートに強い知見を有し、柔軟性のあるオーダーメイドのソリューションを提供できるプロバイダーとして独自のポジショニングを確立している。

4. インダストリー取り組み例:モビリティ業界向けにNVIDIAテクノロジーのトライアル環境を提供
豊田通商グループのエレクトロニクス商社であるネクスティ エレクトロニクスと同社は、日本のモビリティ業界でNVIDIAアクセラレーテッドコンピューティングを活用したAI開発をさらに加速できるようにするため、生成AIを含むプロダクショングレードのAIアプリケーションの開発・展開をユーザーが試せるPoC環境提供サービス「GPU Advanced Test drive」(GAT)を、2024年4月より開始した。

GATではNVIDIAハードウェアだけでなく、NVIDIA AI Enterpriseをはじめとする、NVIDIAのGPUにオーソライズされたソフトウェアスタックの検証環境も揃える。ユーザーは、仮想環境を用いないベアメタル物理サーバーや高セキュア回線などGATの最新AI開発検証環境を利用することで、投資判断を迅速かつ安心して行うことができる。

ソフトウェア・ディファインド・ビークル(価値や性能・進化がソフトウェアによって定義された自動車)時代の到来により、モビリティ業界ではソフトウェア主導の開発価値や重要性が急激に高まっている。LLMを活用したAIなどは、自動運転や車室内エンターテインメント、バッテリーマネジメントなど、サービス面で使用されることに加え、自動車をはじめとしたモビリティ製品の開発や製造工程における活用場面も急増している。同施設は、開設以来、予約が途切れたことがなく、その需要の大きさを物語っている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)



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