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栄研化学:臨床検査薬の総合メーカーで便潜血検査試薬シェアトップ、海外展開やM&A実施で成長図る

*15:11JST 栄研化学:臨床検査薬の総合メーカーで便潜血検査試薬シェアトップ、海外展開やM&A実施で成長図る
栄研化学<4549>は、臨床検査薬の総合メーカーとして大腸がん検診で行われる便潜血検査、病院や健診での尿検査、感染症の診断など様々な分野に用いられる臨床検査用の試薬と装置を取り扱っている。

微生物検査や免疫血清検査、迅速検査(POCT)など様々な診断に用いられる臨床検査薬や装置の製品ラインナップを取り揃えているが、中でも便潜血検査用試薬や尿検査試薬は国内トップシェアを誇る。国内では便潜血検査用試薬でシェア7割、尿検査試薬でシェア3割程度を占め、海外でも便潜血検査用試薬はシェア7割を超えている。また、独自開発の遺伝子増幅技術「LAMP 法」は世界的に高い評価を得ている。特に結核検査システム(TB-LAMP)は、発展途上国でも対応可能な遺伝子検査として結核高負担国14ヶ国での実績が認められ、従来の顕微鏡検査に代わる、または補強する検査として、2016年にWHO の推奨を取得している。ユーザーである病院など医療機関向けには医療系卸会社を通して取引を行っていて、海外販売では基本的に1か国・1代理店体制をとっている。

2025年3月期第3四半期累計の売上高は前年同期比0.5%増の30,640百万円、営業利益は同22.9%減の2,634百万円で着地した。便潜血検査用試薬は国内外で堅調に推移し、微生物検査用試薬は新製品の迅速診断キット(イムノキャッチ-StrepA、イムノキャッチ-Adeno)が売上を伸ばしたようだ。また、尿検査用試薬は国内・海外向けの尿試験紙の売上も好調だった。利益面では、新型コロナウイルス検出試薬の減少など売上構成の変化に加えて、試験研究費を中心に販売費及び一般管理費が増加した。通期の売上高は前期比0.4%増の40,200百万円、営業利益が同5.0%減の3,210百万円を見込んでいる。

全体の売上構成としては、国内売上74.3%・海外売上25.7%(2025年3月期第3四半期時点)。また、海外売上高における区地域別売上構成比は、欧州35.4%、北米24.5%、アジア・オセアニア・その他40.1%。さらに、製品別売上高構成比では、便潜血32.9%、免疫血清(便潜血除く)24.6%、尿検査11.4%、微生物11.3%、生化学1.5%、器具・食品環境4.9%、遺伝子関連4.6%、医療機器・その他8.7%と分かれている。

市場動向では、国内は行政が増大している医療費を抑制するために予防医療に力を入れているほか、高齢化の進展と共に臨床検査数は増加していくと想定されている。海外は国内よりも膨大な市場規模が存在しており、先進国では高齢化の進展に伴う検査数の増加、新興国では経済成長や所得増加に伴う医療ニーズの拡大などが見込まれる。すでに国内外でのシェアを獲得しており、大腸がんスクリーニング検査の製品展開国数は現状 47 か国であるが、2030年までには57か国まで拡大させることを目指している。

このような環境下で、同社は長期ビジョンとして2031年3月期に売上高750億円、海外売上比率40%以上、営業利益率20%以上を掲げている。国内販売を維持しつつ海外の展開国を広げるとともに、先進国では便潜血検査用試薬のシェアを広げつつ自社の他製品の販売を進める。また、発展途上国では結核の遺伝子検査を中心にさらなるシェア拡大を図るほか、免疫系の新製品を欧米で販売開始しているようだ。そのほか、豊富な資金を活かしてヘルスケア領域でのM&Aも積極的に検討しており、非連続的な成長も視野に入れている。株主還元では配当性向30%以上を目安に持続的な企業成長に必要となるキャッシュを確保した上で安定的に利益を還元していくようだ。既に便潜血検査用試薬で高シェアを獲得して安定的に収益を確保できている中で、更なるシェア拡大や研究開発、M&Aを進めて成長を図っている同社の今後の動向には注目しておきたい。




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