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ラクトJPN Research Memo(1):2024年11月期の売上高と利益は過去最高。中計の目標利益を前倒し達成

*18:01JST ラクトJPN Research Memo(1):2024年11月期の売上高と利益は過去最高。中計の目標利益を前倒し達成
■要約

ラクト・ジャパン<3139>は、海外から乳原料・チーズ(以下、乳製品原料)と食肉及び食肉加工品などの食品原料を輸入する独立系の食品専門商社である。乳製品の取扱高は日本市場でトップクラスのシェアを誇る。乳製品原料の輸入販売を主力事業として、食肉及び食肉加工品や機能性食品原料などの輸入販売事業、そしてアジアにおける乳製品原料の輸入販売事業やチーズ製造販売事業と、事業領域を拡大してきた。2023年に発表した長期ビジョンにおいて、将来目指す姿として食品専門商社からグローバルに展開する商社とメーカーの両機能を併せ持った「複合型食品企業」への進化を掲げ、さらなる成長を目指している。

1. 2024年11月期の業績概要
2024年11月期の連結業績は過去最高の売上高、利益を更新した。売上高は前期比7.9%増の170,907百万円、営業利益は同39.9%増の4,455百万円、経常利益は同51.7%増の4,320百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同53.6%増の3,146百万円となった。インバウンド消費の増加など業務用を中心に食品原料需要が回復し、すべての部門において販売数量が前期比で増加した。乳製品原料及び食肉製品の価格上昇や円安により販売価格が高水準で推移したため、売上高は2024年7月に上方修正した通期予想を上回った。利益面においては、国内やアジアにおける乳原料販売部門の商品ミックスが改善したほか、アジアのチーズ製造販売部門において原料チーズ価格の落ち着きや製造量増加による生産効率向上により原価率が改善し、売上総利益率は5.9%と前期を0.9ポイント上回り大幅な増益に結びついた。販管費は人員増、国内物流経費増などで同18.9%増となったが、売上総利益の増加により吸収し、経常利益率は2.5%と前期を0.7ポイント上回った。経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益も通期修正予想を上回った。また、1株当たり配当金は前期比32.0円増の80.0円に上方修正した。

2. 2025年11月期の業績見通し
2025年11月期の連結業績も過去最高の売上高、利益を更新する見通しだ。売上高は前期比5.3%増の180,000百万円、経常利益は同6.5%増の4,600百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同4.9%増の3,300百万円を見込む。前期に続いて国内、海外ともに事業環境の改善が継続し、各部門とも前期を上回る売上高、販売数量を見込んでいる。国内では、インバウンド消費など業務用需要の順調な推移により輸入乳原料の本格的な回復、国内の食肉加工品の需要増加を想定している。機能性食品原料部門においては、差別化するプロテイン製品の需要を取り込んでいく計画であり、アジアへの輸出・販売も開始する。アジア事業では、東南アジア各国の乳製品需要拡大と日本向け粉乳調製品原料の本格的な需要回復を想定している。ROIC※の事業部門への本格導入に伴い利益率は前期を上回る水準を確保する方針だが、前期の人員増に伴う期初からの人件費増加、シンガポール新工場の建設にかかる外貨借入金の支払利息負担増などもあり、経常利益率は2.6%と前期並みの計画である。また、株主還元も強化し、配当金は1株当たり前期比20.0円増の100.0円を予定し、配当性向は30.2%と30%達成を目指す。

※ Return On Invested Capitalの略。ロイックと呼ばれ、投下資本に対する利益率を表す。「税引後の営業利益÷(自己資本+有利子負債)=売上高営業利益率×投下資本回転率」で計算する。

3. 中期経営計画の進捗状況
同社は2023年1月に、新たな経営理念、長期ビジョン「LACTO VISION 2032」とともに中期経営計画「NEXT-LJ 2025」(2023年11月期〜2025年11月期)を公表した。長期ビジョンでは、「商品の複合化」「事業の複合化」「貿易事業の複合化」により、「複合型食品企業」へと進化することを目指し、2032年11月期に連結経常利益6,000百万円、同利益の海外比率40%を達成する目標を掲げた。そのファーストステップとなる中期経営計画「NEXT-LJ 2025」では、2025年11月期の売上高200,000百万円、連結経常利益4,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益2,900百万円を目標とした。事業環境の回復が中期経営計画策定時より1年程遅れ、2023年11月期の実績は中期経営計画を下回った。2024年11月期の売上高は中期経営計画の180,000百万円には及ばなかったが、利益は1期前倒しで2025年11月期の計画を達成した。トップラインの拡大のみならず、ROICを試行するなど企業価値向上に向けて収益性の改善と資本効率を意識した企業体質への転換を進めてきた取り組みが実を結び始めたと言えよう。同社では、2025年11月期は単年の業績予想のガイダンスを発表しており、次期中期経営計画という新たなステージを見据えながら2025年11月期の業績予想達成を目指している。

■Key Points
・2024年11月期は過去最高の売上高、利益を更新
・2024年11月期の1株当たり配当金は前期比32.0円増の80.0円に上方修正
・中期経営計画の連結利益目標を1期前倒しで達成
・2025年11月期も過去最高の業績更新を見込み、1株当たり配当金は前期比20.0円増の100.0円を予定

(執筆:フィスコ客員アナリスト 松本章弘)



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