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北の達人コーポレーション:クリエイティブ部門の底上げに注力、株主還元を拡充

*10:28JST 北の達人コーポレーション:クリエイティブ部門の底上げに注力、株主還元を拡充
北の達人コーポレーション<2930>は、ヘルス&ビューティーケア関連事業が柱で、健康食品・化粧品ブランド「北の快適工房」が主力サービスとなる。オリジナルヘアケアブランド「SALONMOON」等も展開している。「ディープパッチシリーズ」が売上世界No.1で5年連続ギネス世界記録認定となり、機能性表示食品「カイテキオリゴ」もヒット商品となる。D2C×サブスクリプション型のビジネスモデルで、先行投資である広告投資を行って3-4か月経過後に利益を回収する。40代以降が主な顧客層で、定期顧客からの売上が全体の売上の約7割を占める。自社サイトのほかにECモールでも商品販売を行っているが、基本的には自社サイトからの売上が多くを占めており、ECモール向けはECモールでしか購入しないユーザー向けにチャネルを用意している。

同社は、化粧品、健康食品等、顧客の具体的なニーズに応えるオリジナル商品(全37商品)をインターネットで販売しており、基本的に健康や美容の悩みを解消する商品開発に特化している。商品戦略においては、インターネット販売に特化した独自の商品開発基準として約1,476項目を設定して徹底したモニター調査を行っており、基準を満たして発売に至るのは企画案件の2%と圧倒的な顧客満足と品質管理を追求している。また、販売戦略においても、売上高以上に利益を重視し、採算性の高い広告だけが残る広告最適化システムを内製化している。

2025年2月期第3四半期累計の売上高は前年同期比18.3%減の9,235百万円、営業利益は同36.9%増の1,473百万円で着地した。北の快適工房の新規顧客獲得が前年同期比を下回った影響で売上高は前年を下回った。一方、新規顧客獲得のための先行投資である広告投資が前年より進まなかったため、営業利益以降の各段階利益は前年を上回った。第3四半期単体では一部商品で新規顧客獲得人数が増加したが、多くの主力商品・全体の新規顧客獲得人数は縮小しており、クリック先である販売ページについては対策が追いついていないようだ。通期の売上高は前期比21.2%減の11,555百万円、営業利益が同15.4%増の1,672百万円を見込んでいる。

現状、同社では1件当たりにかけて良い広告費の上限値(上限CPO)を設定している。上限内で獲得できている場合は機会損失とならないよう広告投資を加速させるため新規獲得が増加するが、一方で、上限を下回る場合は利益喪失とならないように広告を停止するため、結果的に新規獲得は減少する。上限内で獲得するためには、訴求力の強い「良いクリエイティブ」を生み出せるか否かが重要で、現状は「良いクリエイティブ(特にLP)」を継続的に生み出すスキルが不足しており、上限CPO内で獲得できる件数が減少し、結果的に広告宣伝費が低下している。

新規顧客は、広告をクリックし、BLP(ブリッジページ)で購入意欲を高めて、HLP(販売用LP)で商品の購入に至る。広告に関しては、今までの取り組みでスキルは一定レベルに達しているようで、BLP・HLPの作成や検証作業が追い付いていないという。このような状況下で、クリエイティブ部門の底上げに注力しており、具体的には社内教育、研修体制の整備や改善・集客部門の人材採用強化を行っている。また、新規獲得拡大のため、品質は妥協しない現状を維持しつつ年間10商品以上(従来は年間2-4商品)の新商品発売が可能な体制構築を目指すようだ。ただ、新商品の企画から実際の販売に至るまで平均で1~2年程度要するため、商品ラインナップの拡充による業績への寄与は最短でも2026年2月期以降の見込みとなる。クリエイティブ部門の底上げと新商品拡充の体制の構築状況は、今後も注視しておきたいところである。

そのほか、直近では配当増額や株主優待制度の拡充を発表して株主還元を強化した。株式への投資魅力をより一層向上させ、株主にも同社商品のファンになってもらい「株主と消費者の融合」を促進することを目的として、制度を変更し内容を拡充。長期保有特典も追加した。足元再成長に向けて新規顧客獲得のための体制構築を強化しているなかで、株主還元の拡充を発表した同社の今後の動向は注目しておきたい。



<NH>



 
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2025/04/17 15:30 現在

(更新タイミング:翌営業日8時頃)

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